預金・貯金

2022年の単身世帯の平均貯蓄額は871万円!昨年よりも約190万円減少

2022年12月に金融広報中央委員会が発表した令和4年「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、単身世帯が保有する金融資産額は2021年と比較して約18%も減少しています。単身世帯の金融資産の保有状況などを見てみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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単身世帯の貯蓄額は1年前よりも減っている

金融広報中央委員会が毎年公表する「家計の金融行動に関する世論調査2022年」によれば、単身世帯が保有する金融資産額は平均で871万円、中央値で100万円となっています。1年前と比較すると平均値で191万円減少、中央値は変わらずという状況でした。
単身世帯の貯蓄額は減少している?

単身世帯の貯蓄額は減少している?


金融資産を保有している世帯だけに限ると平均値は1348万円、中央値は450万円となっています。1年前と比較すると平均値で266万円、中央値で50万円の減少となっています。金融資産を保有していない世帯は全体の34.5%と1年前より1.3ポイント増加しています。減少していた金融資産非保有世帯が再び増加に転じたのかは気になるところです。

金融資産保有している世帯については、1年前と比較して金融資産額が増えたと回答した世帯は1年前より7.5ポイント減少して32.9%、変わらないは1.3ポイント増えて40.1%、減ったのは6.3ポイント増えて27.1%となっています。金融資産額が増えたと回答した世帯の割合は過去10年では最も少なかったことから、2022年は厳しい1年だったことがうかがえます。

1年前より金融資産額が増えたと回答した理由は「定期的な収入が増加したから」がトップ、「定期的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」が2位となっています。一方、「株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから」は10ポイント近く減少しています。2022年は株価が軟調だったため、金融資産が増えにくかった、ということになります。

1年前より金融資産額が減少した理由とは「定期的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」が41.5%でトップ、「株式、債券価格の低下により、これらの評価額が減少したから」が33.9%と2位です。

金融資産額が増えた理由と減った理由についての傾向は2人以上世帯の調査でも同じでしたが、株式、債券価格の低下により、評価額が減少した割合は、単身世帯のほう33.9%が2人以上の26.6%と比べて割合が高くなっています。単身世帯の方が、二人以上世帯よりも、株式や債券価格の下落の影響を大きく受けたということになるかと思います。
 

単身世帯は収益性を重視する傾向が高い

金融資産を選ぶ理由は「収益性」が1年前より1.8ポイント増えて37.3%と過去最高の割合になっています。物価の上昇の影響かもしれませんが、投資に積極的なように感じられます。「安全性」を重視するのは1.8ポイント減少して26%、「流動性」を重視するのは0.2ポイント増加して21.2%となっています。

ただし、元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有をどう考えるか?という問いには、「そうした商品についても、積極的に保有しようと思っている」は1年前と比べて0.8ポイント増えて13.6%、「そうした商品についても、一部は保有しようと思っている」は1.8ポイント減少して29.8%、「そうした商品を保有しようとは全く思わない」は1.1ポイント増加して56.6%となっています。収益性を求める反面、元本割れは嫌うという結果です。投資のリスク・リターンの考え方のセオリーからは外れぎみになっています。
 

物価の上昇への心配は急増

単身世帯の老後の生活についても見て行きましょう。

老後の生活への心配は「それほど心配していない」が1年前より2.8ポイント減少して20.8%、「心配である」が2.8ポイント増えて79.2%。「多少心配である」が0.1ポイント減少して33.4%、「非常に不安である」が2.8ポイント増加して45.7%となっています。

老後の生活を心配している理由(複数回答)は、1年前より0.2ポイント減少しているものの「十分な金融資産がないから」が72.5%でダントツのトップで、2番目が「年金や保険が十分でないから」が0.4ポイント減少で52.8%になっています。「生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えるから」が10ポイント増えて31.3%になっています。老後に関しては、物価の上昇の影響を危惧されていることが浮かび上がってきます。

年金に対する考えた方は「日常生活費程度もまかなうのが難しい」が1年前より2.9ポイント増えて50.2%、「ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる」が2.5ポイント減少して42.2%、「年金でさほど不自由なく暮らせる」は0.4ポイント減少して7.6%になっています。

老後の生活費の収入源(3つまでの複数回答)では「就業による収入」が1年前より1.3ポイント減少して44.5%、「公的年金」は0.5ポイント減少して64.1%、「企業年金、個人年金、保険金」が3ポイント減少して26.9%が上位3つの収入減です。気になるのが4位の「金融資産の取り崩し」が3年連続で増加をしているということです。

いかがでしたか。単身世帯の人は、今回の調査結果を参考に家計を振り返ってみてください。

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