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第1位 |「富嶽の図」(渡辺崋山)20面小型シート
「富嶽の図」(渡辺崋山)20面小型シート
「富嶽の図」図案の年賀切手は、100面シートだけでなく、20面小型シートも製造されました。こちらは昭和10年内から郵便局で限定発売されたもので、年賀小型シートの最初として人気が高く、未使用極美品で18万円のカタログ評価(『さくら切手カタログ2023年版』、日本郵趣協会/編)がついています。
保存状態によって値段は大きく変わりますが、日本最初の年賀小型シートが保管されていること自体めったにないことなので、それこそ「家宝」として大切にしてもいいかもしれません。なお、20面シートの購入者向けに配布された「切手題名入り紙袋」がついていれば、査定額は1万円ほどあがります。
第2位 |「円山応挙のトラ」小型シート
「円山応挙のトラ」小型シート
この切手は戦後発行の年賀切手として2例目ですが、郵政省が発行した最初の年賀切手にあたり、「お年玉付き年賀はがき」の発行が始まった初年の6等(末等)の景品でもあります。昭和25年用年賀はがきの当選本数360万枚のうち、引換枚数が89万8000枚に止まったことや根強い人気などから高値安定を維持しています。
※『さくら切手カタログ2023年版』(日本郵趣協会/編)
第3位 | 幻の昭和20年の年賀状
昭和20年の年賀状
しかし年賀郵便制度がなくなっても、一部の人々のあいだではやりとりが続いていました。ほとんど取り扱われなかった昭和19年(1944年)、昭和20年(1945年)のものは「幻の年賀状」として珍重されています。戦時中ということもあり、楠公はがきと呼ばれる官製はがきのみの簡素なものが多いのですが、数千円から1万円程度の市場評価を受ける場合もあります。概ね昭和13年から昭和23年にかけては年賀状が少なく、消印などのいくつかの要因によっては「お宝」に化けるものもあるので、粗末に扱ってはいけません。
第4位 | 5円年賀切手の年賀印
5円年賀切手の年賀印
ところが、通常の郵便はがき料金が5円だったのに対して、年賀はがきは特別料金で4円でした。年賀切手はいずれも5円額面だったので、年賀状に1円分を過納して使う利用者は少数派だったのです。そのため、昭和29年から昭和41年にかけての5円額面の年賀切手の年賀印・元日印は1000円から5000円ほどで取引されることもあります。
番外編 | 100年前の年賀状?
100年前の年賀状にも新たな光が……
ここに示すのは震災はがきの市郡同高タイプ(震災後に民間印刷された官製はがきの一種)を使用した年賀状です。年賀郵便取扱いのなかった年のものですが、被災地東京であっても、やはり年賀の挨拶くらいはしたいと願うのが人情なのかもしれません。
令和5年(2023年)は関東大震災100年であり、令和8年(2026年)には昭和100年を迎えます。これから改めて大正の終わりから昭和の始まりにかけての年賀状にも新たな光が当てられるのではないでしょうか。
※図版協力:ロータスフィラテリックセンター(東京)
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