映画『そばかす』に出演、伊藤万理華さんにインタビュー!
映画『そばかす』は「恋愛をしたことがない、そういう感情もない。だけど楽しく生きていける」という主人公・蘇畑佳純(三浦透子)が、周囲の「恋愛」「結婚」などの話題に振り回されながらも、自分らしく生きる道を模索していく姿を描いた作品です。そんな佳純の妹・睦美を演じるのが伊藤万理華さん。伊藤さんは、乃木坂46のメンバーとして活動後、2017年に同グループを卒業。以来、俳優として、さまざまな作品で活躍中です。そんな伊藤さんに本作について、そして乃木坂46について、俳優の枠にとらわれない活動についてなど、たくさんのお話を伺いました。
妊娠7カ月の妊婦役に初挑戦!
――まず映画『そばかす』の出演依頼が来たときのこと、演じた睦美という役について教えてください。伊藤万理華さん(以下、伊藤):玉田真也監督は、舞台の演出も数多くされていて、この映画の出演依頼をいただく前に、ちょうど玉田監督の演出舞台を見たばかりだったんです。
だから素直にうれしかったですし、センシティブな内容の映画になるだろうけど、今の時代、救われる人もきっといるだろうなと。実際に自分も完成した映画を見て救われた気持ちになれましたし、そういう作品に関わることができて幸せでした。 ――伊藤さんが演じた睦美は、ヒロイン佳純の妹で、既婚で妊婦さんですね。どのように役の解釈をして、撮影に望みましたか?
伊藤:「恋愛感情がない」という姉と違い、睦美はストレートで、どこにでもいそうな、いわゆる普通の女性だと思います。好きな人と結婚して、お腹に子どもがいて、時々実家に帰って、家族に甘えている。でも彼女が普通の女性だからこそ、周囲の個性が際立つ。作品にとって必要な存在だと、完成した映画を観てすごく感じました。
――初めての妊婦役はいかがでしたか?
伊藤:妊娠7カ月の設定なのですが、産んだ経験がないので想像でしかなく、そこに悔しさはありましたが、撮影中はちゃんと妊婦さんとして映画の中で存在しなくてはと必死でした。
ただ、自然に「お腹を守りたい!」という気持ちが動いて、「これは女性の本能かもしれない」と思いました。
――蘇畑家のお茶の間の雰囲気が素敵だったのですが、撮影現場はいかがでしたか?
伊藤:すごく優しい雰囲気に包まれていました。私は家族が集うお茶の間のシーンの出演が多かったんです。玉田監督が蘇畑家の雰囲気をしっかり作り出してくださったので、自然と撮影に臨むことができました。誰も何も否定しない、居心地のいい場所だったからこそ初の妊婦役も演じられたのだと思います。
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