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「無理に分かろうとしなくていい」災害で妻子を亡くした漁師に向き合う女性、三浦透子が演じて思うこと(3ページ目)

映画『とべない風船』に出演している三浦透子さんにインタビュー。第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』で素晴らしい芝居を見せてくれた三浦さんは、本作でも役の芯を捉えた演技で人々を魅了しています。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

俳優は「知的好奇心」を満たしてくれる仕事

――三浦さんのキャリアについてお伺いしたいです。依頼されたお仕事に出演する決め手はどこにありますか?
 
三浦
:ケースバイケースなのですが、学びがある作品を選びたいという気持ちがあります。
 
学びというのは、自分にとって新たなキャラクターに挑戦したり、初めて組むスタッフやキャストだったり、作品の内容について、勉強や深く思考することが必要だったりということです。学びのない作品なんてないと思いますが、その中でもより今の自分が成長できると感じるものに参加したいと思っています。
三浦透子

常に学びを意識して仕事に臨んでいるそう。

――子役から芝居の仕事をされていて、キャリアは長いですが、演じることの面白さ、魅力はどこにありますか?
 
三浦
:仕事を通して、いろいろな方と出会えるというところですね。さまざまな価値観や感情に触れられる。私自身の「知る」という好奇心を満たしてくれる環境であることが大きいです。
 
きっと同世代の人たちに比べたら、たくさんの人に出会っていると思うんです。「世界にはいろんな人がいる」ということを知る機会を与えてくれるお仕事であり、そこに大きな魅力を感じています。
 

実はその質問、よくされるんですよね(笑)

――ご自身で監督をしたり、脚本を書いたりすることを考えたことはないですか?
 
三浦
:なぜその質問を?
 
――三浦さんは歌手活動もされているし、表現者として制作側に回るという興味もあるのではないかと、なんとなく思いました!
 
三浦
:実は、そういう質問をされることが多いので、なぜだろうと思いました(笑)。私自身、そんなことは考えたことがないのですが、よく聞かれるので、一度理由を考えた方がいいのかもしれません(笑)。
三浦透子

三浦さんはとても賢い女性。何を聞いても明確な答えがありました! 

――そうなのですね。脚本など書いてみようと思ったことはないですか? 
 
三浦
:脚本について取り組んでいる時間は好きです。脚本の内容を解釈したり、監督とディスカッションしたりする時間は楽しい。

今は舞台の経験をもっと積みたいという気持ちがあるのですが、それも、脚本についてディスカッションを重ねて、稽古をしながら作品を育てていく感覚があったり、よりブラッシュアップする場に参加している実感が持てたりするということが理由として大きいです。
 
ただ今、書く動機やモチベーションはないですね。作品にできるような伝えたいメッセージがあるかと聞かれたら「どうだろう?」と考えてしまいますから。もし自分の中でそういう伝えたい何かが見つかったら、書いてみるのもいいかもしれません。

>次ページ:本当に楽しい! 三浦さんが教えてくれた「歌手活動」の魅力
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