サンタを信じてるふりしてる? クリスマスならではのお悩み
できるだけ子どもの願いに沿うものにしてあげたいが……
今回は2つのご家庭の相談事例をあげながら、クリスマスならではのお悩みについて考えていきたいと思います。
<目次>
事例1:子どもに夢見させてあげたい気持ちと親の思いとの葛藤……
■相談者プロフィール・相談者:女性36歳(福井県・共働き)
・家族構成:夫(40歳)、長男(9歳)、長女(6歳)、次男(4歳)、次女(0歳)
子どもに与えるならば、実用的なものや本、学習系、レゴなどのクラシックで知育にもなるおもちゃが親としてはプレゼントとして好ましいと思っています。しかし子どもたちが希望するのは、友だちが持っているゲームなど。年齢的に長男は気付いているかもしれませんが、できるだけサンタクロースという存在も夢見させてあげたいため、子どものリクエストに沿うものにしてあげたいです。しかし、高価なものやあまり与えたくないものをお願いされると、親の好みに沿わせたいと葛藤します。
また、おもちゃが増えるとだんだん片づけも大変になり、ガミガミ怒ることが増えてしまいます。おもちゃさえなければ、そんなことに悩まなくていいのにと思うと、もうこれ以上は買い与えたくないという気にも……。わが家は、クリスマスプレゼントにおもちゃをあげるのは小学校卒業まで。中学生になったらおもちゃではなく実用的なものを、高校生からはプレゼントはあげない予定で考えています。
欲しいものを「リスト化」させて最終判断は親が
多くの方が悩みがちなクリスマスプレゼントにまつわる葛藤ですね。親としてあげたいもの、子どものリクエストが異なる中、サンタさんへのお願いに沿う形にすると、子どもの欲しいものをあげることになる。そうするとおもちゃが増えてしまう。でも子どもに夢を見させてあげたい――このような思考がグルグル回ってしまい葛藤に悩まされるのです。子どもの立場でいえば、「自分が欲しいものを!」と思うのは当たり前なので、いったんその形にしたら、翌年以降もそうなるものです。よって、小さい頃からずっと親が選んでいるのでなければ、子どもペースで進んでいくことが多いように思います。
ただ、子どもの希望に沿うにしても、なんでもOKとまではいかないですよね。子どもは物の価格を知らずにリクエストするため、それが親の想定よりも上回っていれば、いくら欲しくても叶えられないことはあるものです。そういうときの対応のためにも、「絶対に欲しいもの」とせずに、いくつかの候補をまとめたリストを作らせてはいかがでしょうか。
私は長らく海外で暮らしていますが、こちらの子どもたちは、欲しいものを「リスト化」しているというのをよく聞きます。その中のどれかがもらえるかもということです。もちろんその中に第一希望というのがあるでしょうが、最終判断は親がするのです。
このご家庭はお子さんが4人ですので、たしかにおもちゃの量も大変でしょう。クリスマスの準備の一環として、12月におもちゃを整理するのもいいかもしれません。この時期なら子どもたちも前向きに動いてくれる気がします。リサイクルするのであれば、その過程に関わることも学びになるでしょう。
事例2:飽きるものは与えたくなくて、子どもとよく話し合っているが
もうサンタなんかいないことはわかった上で話を合わせてくれているだけなのか
・相談者:男性32歳(東京都・共働き)
・家族構成:妻(32歳)、長女(8歳)
■相談内容
娘が小学校1年生だった昨年のクリスマスまでは、サンタクロースが来てプレゼントを置いていってくれるという話にしていました。現時点では、娘がどこまで信じているか、あるいはもうサンタなんかいないことはわかった上で話を合わせてくれているだけなのか、はっきりとわかりません。夢はもってほしいけれども、非現実的な空想家にはなってほしくない。その狭間でどうするか悩んでいます。
しかしいずれにせよ、何がほしいかはサンタにお手紙を書いて、クリスマスツリーに下げておくことにしています。その過程でどんなものだったら、サンタがプレゼントとして認めてくれるかは、よくよく話し合うようにしています。無駄なものは買わない。すぐ飽きるものは買わない。ずっと長く大切にできるものを選ぶこと。それを徹底しようとしているのですが、なかなかうまくいきません。
信じるか信じないかは、子どもの認知の発達が関係している
小学校1年生までは、サンタさんを信じているであろう想定でのクリスマスということ。確かにその年齢くらいになると、親側も「実はもう気付いているのだろうか」とモヤモヤしてしまう時期ですね。子どもがサンタクロースの存在について気付くのは、色々な調査をみても大体8歳前後のようです。成長とともに、世の中に1人しかいないサンタさんが世界中の子どもたちにプレゼントを同日配達するスゴ技に、矛盾を感じてくるのです。よって「非現実的な空想家にはなってほしくない」というお悩みに関しては、心配することはないでしょう。あるものを信じるか信じないかというのは、その子の認知の発達が大きく関係しています。認知面での発達が進むことでサンタクロースの意味合いは変わってくるからです。サンタさんを信じないからといって、心が貧しいということではありません。それだけ客観視できるようになっているということなのです。
「ならば、真実を子どもに伝えた方がいいか?」これもちょうどこの年齢あたりで悩むことがあるようですね。私見ですが、子どもから聞かれたら話せばいいことであって、わざわざ親の方から話さなくてもいいように思います。その子が思っているサンタさんの意味でいいのではないでしょうか。
ちなみに我が家には思春期の娘がいますが、これまでサンタさんのリアルについて話したことはないものの、いつのまにか親がプレゼントをくれているという体で話が進んでいます。ある年齢で子どもの中でそう理解したんだなと。いつか娘が親になったときには聞いてみたいなと思っていますが、今はそれに関して親が口をはさむことではないだろうと考え、これまで通りクリスマスを楽しんでいます。
正解がないクリスマスに絡むお悩み
クリスマスは楽しいイベントですが、「サンタさんがいる・いない」「プレゼントは親が選ぶか子が選ぶか」など悩みも多いもの。でも子どもがある程度大きくなると、そういうことで悩んでいたこともいい思い出になってくるのではないでしょうか。子どもが成長してくると、「クリスマスプレゼントをいつまであげるべきか」という新たな悩みも浮上しますが、これも各ご家庭でバラバラ、正解はありません。中学や高校などの節目という方、大人になっても我が子であることに変わりはないとあげ続ける方、いろいろです。わが家は今年は継続、これまで通りのクリスマスになりそうです。
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