サンタさん、真剣な表情で伝えれば信じてくれる?

5歳児の鋭い読みを侮るなかれ!

5歳児の鋭い読みを侮るなかれ!

お子さんに「ママ、サンタさんって本当にいるの?」と聞かれたら、どう答えますか? ファンタジーを信じてもらいたいママだったら、間違いなくこう言うでしょう。「サンタさんは本当にいるんだよ」と。しかも、本能的に、自信ある真面目な表情でそう答えるはずです。あいまいな表情よりも自信を持って言った方が、子供が信じてくれるだろうと察するからです。

では、実際、子供は、相手の何を見て「この人は信頼できる」と思うのでしょう? 表情や態度はどれくらい大事な判断材料なのでしょうか? 最近のカナダの実験が、面白い結果を導き出しています。早速、ご紹介しましょう。


子供が選ぶのはAさん、それともBさん?

その実験は、96人の子供を対象に行われました。集まった4歳から5歳までの子供達に、あるビデオを見せました。そこには、
  • 間違ったことを自信を持って発言する女性Aさん
  • 正しいのに自信がなさそうに発言する女性Bさん
が登場しました。

■実験1:おなじみの動物バージョン
1つめのビデオでは、その2人の女性は、子ども達もよく知っている4種の動物の特性について解説をしました。例えば、こんな感じです。
  • 間違ったことを自信を持って言い張る女性Aさん:「クジラは陸の生き物だよ」
  • 正しいのに自信がなさそうに発言する女性Bさん:「クジラは海の生き物だよ」
アヒル、牛、カエルについても同じようなスタイルで、両者がそれぞれ発言をしました。

お分かりのとおり、ここでのトリックは、子供達にとってはおなじみの動物を登場させ、片や、自信を持って間違った情報を流し、片や、自信がなさそうに正しいことを言う、という矛盾です。子供達が明らかに気づくこの矛盾は、後の判断にどう影響するのでしょうか? 実験はさらに後半へと続きます。

■実験2:なじみのない珍しい動物バージョン
次の実験では、子供達に新たなビデオを見せました。登場人物は同じくAさんとBさん。違うのは、動物の種類です。今度は、子供達が全く知らないような動物について、それぞれが発言しました。よって、子供達はどちらが正しいことを言っているのか、言葉では判断が出来なくなったということ。

実験1と同じように、Aさんはあくまで自信を持って、Bさんは自信なさげに、その珍しい動物について語りました。そして子供達に尋ねたのです。

「AさんとBさん、どちらが正しいことを言っていると思いますか?」

子供達が選んだ「信頼できる人」はどちらだったと思いますか? 実は、子供の年齢によって、回答に大きな差が出たのです!


1年の年差でこんなに違う

月齢が4歳に近い子達の選択は、五分五分の結果となりました。4歳の子にとっては、「間違ったことを自信を持って発言する人」と「正しいのに自信がなさそうに発言する人」では、どっちつかず。同率の信頼感というわけです。

しかし、4歳を過ぎ、5歳に近くなるに連れて、Bさん(正しいのに自信がなさそうに発言する女性)を選ぶ確率が増していったのだそうです。つまり、4歳から5歳にかけての1年間で、子供達は入ってきた複雑な情報を重ねて処理し、しっかりと評価できる力がどんどんついてくるのですね。


5歳の子はママの心を見抜いている可能性あり!?

子供達が日々投げかけてくる、ママへの無理難題に、「あそこは日曜日はお休みなのよ」「もう電話しても誰もいないと思うよ」「あのお店ではもう売っていないんだって」などと上手く切り返した経験、きっと誰もがしていると思います。でも、5歳を過ぎたら、要注意。実はママの本意をお見通しかもしれません。「だって、この間は開いていたよ」なんて逆に切り返されて、ママが苦笑いということもあるかもしれませんね。


*出典:PLOS ONE (2014) 「You Seem Certain but You Were Wrong Before: Developmental Change in Preschoolers’ Relative Trust in Accurate versus Confident Speakers.」




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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。