イルカとの共演に癒されました
――この映画ではいろいろなことにチャレンジしていますよね。イルカのトレーニングをするシーンは、大変だったのではないでしょうか?のん:はい、大変でしたね。イルカのお腹に乗って、水上で円を描きながら移動するシーンは、自分の体重移動で舵を切らなくてはいけなくて、それがとても難しくて苦労しました。撮影前に1週間くらい練習し、その後も撮影の合間に練習をしていたので、トータル2週間くらいは練習しました。
――イルカと息がピッタリだったと思います!
のん:イルカは、こちらが自分の意思を強く持って向き合わないと、言うことを聞いてくれなくて、従順ではない、いい子じゃないんですよ。そこが想像と違って好きでした(笑)。口を開いたら、歯がギザギザしているところとか、ちょっといたずらっ子でつれない態度をとるところとかもかわいい。撮影ではイルカに癒されていました。
豪華なスター俳優たちから学んだこと
――共演者が豪華で、みんなスター俳優たちですが、共演者から学んだこと、刺激になったことはありましたか?のん:私自身ミーハーなので、共演者のみなさんの名前を見たときは「やったー!」と思いました(笑)。憧れのベテラン俳優さんもいるし、何より大島優子さんと門脇麦さんがお姉さんだなんて「素敵な姉妹だ!」とテンションが上がりました。
私はカメラが回ったときに集中力を発揮するのがとても難しいと思っているのですが、皆さんの集中力、瞬発力を見られたことは勉強になりました。
特に、天間荘の宿泊客の財前様を演じた三田佳子さんは、セリフを少し発しただけで「財前様」という存在がこちらにガツンと入ってくるんです。言葉の響かせ方、カメラが回った時のギアの入れ方、存在感など、目の前でその演技を見て興奮しました!
――さすが三田佳子さん!という感じだったんですね。
のん:あと、三田さんは超晴れ女なんです。三田さんの乗った車が現場に入ってくると、天気がイマイチな日でも、三田さんの車の周りだけ太陽が当たっているんですよ! 私も晴れ女という自覚があり「私が晴れさせますよ~」なんて言っていたんですが、三田さんにはかないません。
――完成した映画を見た感想を教えてください。
のん:私は、永瀬正敏さんとのシーンが、すごく好きでした。小さい頃、生き別れたお父さんだけど、たまえにとって一番近いところにいる家族だということが伝わってきて。撮影の時もふたりで語り合うシーンは「親子だ」と実感できました。
>次ページ:みんなの「ヒーロー」でいることが私の俳優としての使命