道後温泉は古くから著名な日本の名湯!
堂々たる風格の道後温泉のシンボル! 重要文化財の道後温泉本館
そして、現代でも有名なのは、夏目漱石の小説「坊ちゃん」に登場した影響と思われます。漱石が松山に居た当時、道後温泉本館は新築でした。それから一世紀以上が経過した今では、重要文化財に指定され、圧倒的な風格を誇っています。
ここでは文芸作品に彩られた名湯、道後温泉を紹介します。
道後温泉の源泉・泉質
道後温泉駅前の足湯とからくり時計
重曹は冷えの湯とも言われ、湯上りに風に吹かれていると、ひんやりとした清涼感を感じ、爽やかな気分になります。道後温泉本館は二階以上が休憩室になっており、風に吹かれるようになっています。湯の特徴を理解した先人の知恵を感じます。
工事目前の道後温泉本館へ急ごう!
道後温泉を代表する入浴施設といえば、道後温泉本館です。入浴のみと休憩付きがありますが、道後まで来た以上、休憩付きで堪能したいものです。入浴のみの場合、自動的に神の湯に入ることになります。重要文化財で温泉を堪能! 道後温泉本館神の湯二階席
源泉自体は神の湯も霊の湯も変わりませんので、リピーターは840円の神の湯二階席で十分。神の湯は入浴のみの人も入る通常浴室ですが、休憩付きの場合は専用の階段を下って行くので、なんとなく特別な気分がします。貸し浴衣やお茶菓子まで付いて840円とは、破格の安さだと思います。
感じられる佇まいの道後温泉本館。夏目漱石の小説「坊ちゃん」に登場することで知られる
道後温泉本館は2019年1月15日から、2期7年間の保存修理工事を予定。第一期期間中は神の湯階下のみの営業となり、2階3階の休憩付き入浴(霊の湯)は休業です。道後温泉本館は休憩付き入浴が断然おすすめなので、一度も行ったことがない方は、工事前に一度は行っておきたいものです。
神の湯は入浴のみで、シャンプー・リンス・石けん・タオル等のアメニティーの備え付けはありません。(販売や有料貸タオルはあり)
霊の湯はシャンプー・リンス・石けん・貸タオルがあり、貸バスタオルのみ別料金です。
道後温泉では他にも、以前からある椿の湯に加えて、道後温泉別館「飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)」が2017年9月26日にオープン。実は飛鳥乃湯泉は、道後温泉本館の保存修理工事に備えてオープンしており、入浴料の一部が工事に役立てられますと明記されています。
本館工事期間中は休憩付き入浴が休業しますが、飛鳥乃湯泉では可能。まさに相互に補完して工事を成功させる訳です。飛鳥乃湯泉のアメニティーは、シャンプー・リンス・ボディーソープ完備。2階個室には貸タオルも付き、2階特別浴室には貸バスタオルも付きます。
2017年10月~2018年5月まで開催された「道後温泉本館インスタレーション」では写真家・蜷川実花さんが撮影した鮮やかな花火の写真が設置された
交通アクセス情報
道後温泉本館住所 愛媛県松山市道後湯之町5番6号
電話 089-921-5141(道後温泉事務所)
日帰り入浴 6:00~22:30受付終了 410円(神の湯階下のみ。他に休憩付き各種料金あり)
定休日 毎年12月に大掃除休日あり
JR松山駅前から伊予鉄道市内電車約25分、終点道後温泉下車徒歩4分
Yahoo!地図
道後温泉の代表的旅館
高層旅館が林立する道後温泉で、三階建ての落ち着いた風情が異彩を放つ!別邸朧月夜(手前) |
道後温泉では大きな旅館はビルのホテルになっており、林立しています。その中で異彩を放つ和風の宿が、別邸朧(おぼろ)月夜と大和屋別荘。また、緑豊かな庭園が印象的なのが、老舗のふなやです。このような、道後を代表する宿でも温泉は循環を併用しています。
大規模な旅館の中で、例外的に掛け流しの樽風呂露天を持つのがホテル古湧園。大小二つの樽風呂に、貴重な道後の湯が掛け流しになっています。内湯は循環併用ですが常時湯が溢れており、湯の扱いは良好。樽風呂の露天に源泉を集中させたせいか、もう一方の浴場の岩風呂露天は加水と掲示されていました。湯の扱いの正直な掲示に信頼感を感じますし、全浴場を均一に循環併用にするより一箇所でも掛け流しを作る、メリハリを利かせた湯の扱いに好感を持ちました。
他に、ホテル茶波留も循環併用ですが、常時湯が溢れる内湯はすべすべ感もあり、こちらも湯の扱いに好感を持ちました。道後温泉本館の裏にあり、徒歩でも至近距離の便利なロケーションです。その手前にあるのがCHAHARU離れ 道後夢蔵。料理自慢の宿で、全7室の客室に源泉掛け流しの展望内湯を完備しているとのこと。道後本館の裏に常に見えるので、大変に気になる一軒です。
道後温泉の観光
その迫力は本物を見ないと分からない! 坊ちゃん列車
もう一つの名物が、21世紀に入って復元された坊ちゃん列車。私も名前は知っていたのですが、動く姿を一目見て心を奪われました。キビキビと動くその姿は、小型な外観からは想像出来ない、猛烈な迫力があるのです。この感動は文字で説明しても、実物を見ないと分かり難いかもしれません。
四国は衣替えが早いのか、係員の方の坊ちゃん列車専用と思われる制服は四月まで黒服で、五月からは白い半そでシャツでした。この黒服姿が、昔の書生をイメージさせるもので、猛烈に格好良かったのです。もっと妄想を膨らませていえば、秘密列車を案内する秘密結社の人のようでもありました。そのように、どんどん妄想が膨らむ一方になってしまう程の、坊ちゃん列車の迫力だったのです。
蒸気機関車の形をしていますが、誰も石炭を補充していないし、蒸気機関車がこんなにキビキビ動くのだろうかと不思議。後で調べると、大都会の真ん中を市電のルートで走る為、実は中身はディーゼル機関車とのこと。しかし、要所要所でサービスで、煙突から湯気を出してくれます。煙ではなく、湯気なのも環境への配慮とのこと。
百年前に新築の道後温泉本館で夏目漱石を驚かせて、今の発展の基盤を作った道後温泉と松山市。21世紀に入っても、坊ちゃん列車で多くの人を驚かせ、感動を与え続けているのです。