年金・老後のお金クリニック

63歳から特別支給の厚生年金を受給しています。正社員として月給50万円で就職すると、年金は支給停止になりますか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金が支給停止になるケースについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金が支給停止になるケースについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:正社員として月額給与50万円で就職予定。特別支給の老齢厚生年金は減額される?

「昭和33年12月生まれで、63歳から特別支給の厚生年金を受給しています。現在は、仕事はしていませんが月の給与50万円で就職予定です。正社員として勤務して社会保険(厚生年金および健康保険)に加入した場合、現在受給している特別支給の老齢厚生年金は減額されるのでしょうか?」(匿名希望)
会社員として就職すると、特別支給の老齢厚生年金は、減額されてしまう?

会社員として就職すると、特別支給の老齢厚生年金は、減額されてしまう?

 

A:特別支給の老齢厚生年金は減額されます

結論からいうと、月額給与50万円で会社に就職した場合、「在職老齢年金制度」により「特別支給の老齢厚生年金」は減額(一部支給停止)されます。

「在職老齢年金制度」とは、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金も含む)をもらいながら会社員として厚生年金に加入して働いた場合、給与や賞与の金額によって、老齢厚生年金が一部または全額が支給停止となる制度です。

具体的には「年金月額(老齢厚生年金額の1/12)」と「総報酬月額(年間給与・賞与の1/12)」の合計が「48万円超」だと、48万円超える1/2の額が年金月額から支給停止になります。したがって、相談者の場合月額給与が50万円と48万円を超えるので、「在職老齢年金制度」の対象になります。

たとえば、相談者が特別支給の老齢厚生年金と給与、賞与を以下のように支給されたとします。

・特別支給の老齢厚生年金……年額120万円(年金月額10万円)
・月額給与……50万円
・1年間の賞与……年60万円


以下の計算式で支給停止になる年金額がわかります。

10万円(「特別支給の老齢厚生年金額」の12分の1)+50万円(月額給与)+5万円(1年間にもらう賞与の12分の1)=65万円
(65万円-48万円)÷2=8万5000円(支給停止される特別支給の老齢厚生年金額)


この場合、「特別支給の老齢厚生年金」のうち月額8万5000円(年102万円)が支給停止、つまり、支給されるのは月額1万5000円(年18万円)ということになります。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

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