島田佳奈の恋愛コラム

旦那が怒りやすくなったら黄信号。キレる「男性更年期」のケアとは

夫婦にはいいときも悪いときもあります。いつも仲良しで幸せな家庭が未来永劫続くとは限りません。男性の更年期は症状が分かりにくく本人も家族も見過ごしがち。もし旦那が怒りやすくなったり、更年期かもしれない症状で元気がないとき、妻はどうすればいいのでしょうか。

島田 佳奈

執筆者:島田 佳奈

恋愛ガイド

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<目次>

旦那が怒りやすくなったら……

「男性更年期」の夫に、妻はどんなケアをすればいい?

「男性更年期」の夫に、妻はどんなケアをすればいい?

夫婦にはいいときも悪いときもあります。いつも仲良しで幸せな家庭が未来永劫続くとは限りません。むしろ夫・妻それぞれの個別な変化(失業、転職、妊娠、子の自立など)が影響し、家庭にまで波紋が及ぶことも。
 
中でも見落としがちなのが、年齢によるメンタルの変化。女性の場合、たとえば更年期は著しい体調の変化で周りの家族も気づきやすいのですが、男性の更年期は症状が分かりにくいせいか、本人も家族も見過ごしがち。
 
「休日に出かけることがなくなった」
「趣味の釣りや野球観戦も気分が乗らず、引きこもりがち」
「どうしたのか訊いてみても、話してくれない」
「以前より怒りっぽくなった」
 
もしもあなたの夫がここに挙げたような態度なら要注意。もしかすると「男性更年期」かもしれません。
 

男性更年期は女性とどう違うの?

女性の更年期は女性ホルモンの低下が原因ですが、男性も同様、男性ホルモンの低下が直接の原因です。加齢により男性ホルモン(=テストステロン)値が低くなることで、心身に影響を及ぼします。
 
順天堂大学医学部附属浦安病院、泌尿器科教授の辻村晃氏は以下のように述べています。

加齢によるテストステロンの低下から男性にも更年期障害が生じることが明らかとなった。すでに医学的には「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」という名称で浸透している。LOH症状は、発汗、ほてり、筋肉痛、疲労感、睡眠障害などの身体症状、うつ、不安感、イライラ感、パニック症状などの精神症状と性欲低下、勃起障害、射精障害などの性機能症状など多岐にわたる。

※出典:「日本人男性における更年期症状とIGF-1およびDHEA-Sに関する横断的研究」課題番号18K09208(KAKEN:科学研究費助成事業データベース/国立情報学研究所) 

女性も更年期になると抑うつ症状に見舞われるケースがありますが、むしろイライラしがちだったり、ヒステリックになりがちな傾向が顕著に見受けられます。愚痴をこぼしたり八つ当たりするなど、親しい家族や友人に自己開示しやすい女性に対し、男性は心配をかけないよう強がってしまう人が多く家族も気づきにくいため、注意が必要です。
 

同年代の妻も更年期。共倒れしないためには?

妻も同年代で更年期真っ只中の場合、お互い相手を労わる心の余裕がなくなりがち。ですが、長年寄り添ってきた家族、いいときもあれば悪いときもあるのが夫婦です。自分のしんどさばかりを主張し、「してもらう」ことばかり望んでいたら、夫のほうがパンクしてしまいます。
 
安らぎあっての家庭です。そこにストレスを感じるようになってしまったら、家に帰るのがイヤになってしまうでしょう。そんなときは、一時的でも「最低限の家事以外はサボる」生活にシフトする提案を。
 
具体的には、晩ご飯を時々デリバリーや外食にする、ロボット掃除機や食器洗い乾燥機などの家電を購入して負担を減らす、面倒な場所の掃除は家事代行に依頼するなど。妻の自分がしんどくて家事を代わってほしいとき、夫も大変な状況なのであれば、家事を第三者に頼るのも一案です。
 
数日間の体調不良であれば、パートナーが多少無理するだけで乗り切れますが、更年期のように長く不定愁訴(ふていしゅうそ)が続く時期は、一時しのぎの対策というわけにはいきません。家族で話し合い「もう若くないから以前と同じようにはできないね」という現状を、夫婦でしっかり受け止めること。その上で何が負担になるか、どう接してほしいのかをお互い伝えましょう。
 
「言わなくても分かる」「察して」というのは甘えです。長年の付き合いでも、相手のことを100パーセント理解できるはずはありません。特に、肉体も心も大きく変化するタイミングとなる更年期は、自身もコントロールが難しくなります。限界まで我慢せず、早い段階で生活を「更年期スタイル」にシフトして。そのための話し合いは、妻のほうから提案を。
 

妻としてケアできることは?

「私は平気だけど、元気のない夫が心配」。妻のほうが心に余裕がある場合、夫にどんなフォローをすればいいのか、悩むこともあるでしょう。
 
しかし、具体的なフォローは「見守る」こと以外にないと筆者は考えます。「察する」能力に長けている女性は、つい先回りして夫の面倒を見ようとしがちですが、夫本人からヘルプが出ないうちのお節介は、長い目で見ると妻にとってマイナス要素となる可能性が。
 
人は楽な方向に流れやすい生き物です。子どもの面倒を見るのと同様、大人である夫にあれこれ世話を焼いてしまうと次第にやってもらうことに慣れ、いずれ「何もしない」「何もできない」夫を形成してしまいます。
 
また、更年期の影響でやる気を失ったり生活習慣病になってしまった夫に「自分で解決法を考える」プロセスを奪い、あれこれケアしてしまうのは、改善どころか症状の悪化に導いてしまう恐れも。
 
変化に戸惑う夫に世話を焼き過ぎるのは、相手を「ダメ認定」するようなもの。夫のプライドも傷つきます。基本的には、夫自身がなんとかするよう見守るだけにとどめておくこと。夫からフォローを求められたとき、あるいは夫自身が改善方法を見つけられず困っている様子がうかがえた場合のみ、さりげなく援護してあげればOK。

もちろん状態があまりによくなければ、医学の力を頼りましょう。夫が乗り気でない場合には、見守るばかりではなく、こんなときこそ妻が優しく促し付き添ってあげて(笑)。
 
大切なのは、むやみに手を差し伸べることではありません。2人で歳を重ねていく時間を慈しみ、歩幅を合わせて一緒に進んでいきましょう。
 
<参考>
男性更年期障害 (原因・検査・治療について)/帝京大学泌尿器科アンドロロジー診療
「日本人男性における更年期症状とIGF-1およびDHEA-Sに関する横断的研究」課題番号18K09208(KAKEN:科学研究費助成事業データベース/国立情報学研究所) 

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