Q:繰り下げても厚生年金受給額は増えないと言われました
「65歳、給与60万5000円(老齢厚生年金は全てカット、受給できず)。私は老齢基礎年金は受給開始し、厚生年金は繰り下げにしようと思っていると年金事務所の職員に伝えましたが、繰り下げても厚生年金受給額は増えないと言われました。これって本当ですか? 対策としては、現在給与から天引きされている厚生年金保険料の支払いを止め、手取額を増やすことでしょうか?」(匿名希望)年金を繰下げ受給しても増額しない場合がある?
A:在職老齢年金制度で支給停止になっている老齢厚生年金額は、繰り下げても増えません
年金事務所の職員の方の言う通りです。相談者のように給与が高くて、在職老齢年金制度によって、支給停止になっている場合、将来受け取る老齢厚生年金額は、繰下げ受給しても増えません。繰下げによる年金の増額は、65歳以降、在職時に受け取っている老齢厚生年金額についてのみ可能です。相談者の場合は、現在、受け取れる老齢厚生年金がゼロのため、繰下げ受給をしても増額しないということになります。もし繰下げ受給することで、老齢厚生年金の受け取り額を増やしたいと考えるなら、二つの方法があるのではないでしょうか。一つは現在の給与や賞与を下げることです。在職老齢年金制度で老齢厚生年金が支給停止とならないように給与を調整できないか、人事部等に相談してみてはいかがでしょうか。もう一つの方法としては、厚生年金に加入しないで働くことです。フルタイムではなく労働時間数を週20時間以下に減らす、または業務委託として働く等、働き方を変えることが必要となります。
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