付き合っているのか曖昧な関係……大人の恋愛
曖昧な関係を抜け出すには?
きちんと言葉で愛情を伝えないまま、心と肉体の距離が近くなってしまうのはなぜでしょう。「わざわざ確かめるのも野暮」だと気取る人、「今さら聞けない」とためらう人。直球で尋ねるのが一番の近道だと知りつつ、あれこれ自分に言い訳してしまうのは、大人ならではのややこしさですね。
グラデーションのような男女関係を保ち続けるカップルには「白黒つけないほうが都合がいい」理由が必ずあります。相手と自分のどちらか(あるいは双方)に、ハッキリさせるほうが面倒な事情があるのでしょう。
男女の恋愛において、曖昧な関係を維持するメリットとは何でしょうか。また、曖昧さを払拭するにはどうしたらいいのでしょうか。
曖昧な関係=「結婚したくないから、恋人未満でキープしたい」
「結婚はしたくないけど、恋愛はしたい」結婚と恋愛がイコールでないと知っている大人だからこそ、そこをイコールにされたくない時期(あるいはポリシー)があることは理解できます。だけど好きな人とも恋人関係にならないようセーブするのは、なんだか矛盾していますよね。むしろ恋愛と結婚をイコールに捉えているからこそ、恋人という「契約」をすることを避けているわけですから。
結婚したくないから恋人にすらならないのは、相手に期待させないという意味では誠実ともいえます。しかし「結婚したいと思える相手がいない」から誰とも恋人関係にならず、曖昧な関係に甘んじるズルさもあるのでしょう。
逆にいえば、このようなタイプは「結婚したい」と思ったとたん、好きな人と一足飛びに結婚へとコマを進める可能性も。そのような人に対しては、独身主義なのか「いい人がいれば」「結婚できるタイミングならば」という条件次第なのか見極めたいですね。
曖昧な関係=「関係が終わるくらいなら、曖昧なままのほうがマシ」
曖昧な関係の相手と恋人になりたい場合、告白して白黒ハッキリさせればスッキリしますが、もしも恋人になれなかった場合は今の関係が終わってしまいます。曖昧な関係はイヤ、だけど関係が切れてしまうのはもっとイヤ。自身の望みと相手の意向をてんびんにかけた結果、曖昧なままの状態をキープするのは、相手にとっても自分にとっても「都合のいい」ことなのです。
しかし「恋人になりたい」本来の望みから目を背け、相手の意向に合わせるままの関係でいたら、いつまでも満足できないはず。ジワジワ蓄積される不満(ストレス)に潰されないよう、心の声をちゃんと聞きましょうね。
「曖昧さ」は悪ではない。「自分の心に誠実でない」ことが問題
大人になるほど「関係性を表す単語が見つからない」曖昧な距離感の相手は増えるもの。それは若い時分より自身の行動範囲が広がったり、情緒が豊かになったりしたからだともいえます。曖昧な関係性を否定するのは、心が狭い証拠なのかもしれません。たとえポリアモリー的な主義でないとしても「Aさんとは、相思相愛なら恋人になってもいい」「Bさんのことは大好きだけど、恋人にしたいとは思わない」「Cさんは推しだけど恋愛とは微妙に違う」という異なる「好き」が同時進行形で存在するのではないでしょうか。
自身の気持ちに素直であるほど「好き」の数は増えていきます。曖昧な関係になってしまうのは、「恋人にしたいほどではない」「恋人にしたい『好き』とは違う」気持ちに対し、正直であろうとした結果。しかし、その関係性をハッキリさせたい側にとっては「恋人になりたいのに、なれていない」素直な気持ちが叶えられていない状態なのです。
関係をハッキリさせようと相手に切り出さない限り、2人の距離感は永遠に変わることがありません。「恋人になりたい」気持ちに正直でありたいならば、ハッキリ打ち明けるしかないのです。たとえ別の「自分の気持ちに素直な人」が、「恋人いないなら、私と付き合おうよ!」と割り込み、好きな相手を奪ってしまっても、曖昧さに甘んじていた側は文句を言えません。
好きな人と恋人になりたい、幸せになりたいならば、相手の出方を待ったり気づいてもらえるまで様子見したりする「察してちゃん」は卒業しましょうね。
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