なぜ若者はZenlyを使っているのでしょうか。
位置情報共有アプリ「Zenly」とは
あらためてZenlyについて説明しましょう。Zenlyはアプリをインストールすると、アプリで登録した「フレンド」に対して現在位置や滞在時間、移動速度、スマホの電池残量を共有するサービスです。よく滞在する場所にはZenlyが判断して自宅や会社のアイコンを表示し、就寝していると判断されれば「睡眠中」と表示されます。居場所は地図上に表示され、移動の様子がほぼリアルタイムで公開されます。フレンドがいる場所へ行きたいときは、その人までのルートや所要時間も調べることができます。フレンド同士が一緒にいるときは、火のマークで表示されます。
「レンズ」機能では、地図上に渋滞情報や雨雲の動きなども表示できます。また、自分が訪れた場所が塗りつぶされる表示もあり、制覇率をフレンドと競い合うこともできます。位置情報ゲームのようなイメージですね。
Zenlyの使われ方
Zenlyが女子高生に流行した当初は、なぜここまでプライバシーが明らかになるアプリを使うのか、疑問の声が多く聞かれました。「常に居場所を知られるなんて絶対に使いたくない」「位置情報を悪用されるのでは」と拒否感を示す大人世代は多いのですが、今やZenlyは10代、20代の男女を中心に定番と呼べるアプリになっています。Zenlyを使っていない人には、どんなシーンでZenlyが便利なのかが分からないかもしれません。ここでは、Zenlyの主な使われ方を紹介します。
・待ち合わせに便利
大人世代が友人と会うときは、「12時に〇〇駅改札」とか「20時にレストラン〇〇」といったように時間と場所をしっかり決めることが多いでしょう。でも、若者は事前に決めないケースも多いのです。
若者はずっとLINEやInstagramで繋がっているため、「今起きた」「顔洗ってくる」など、これから会う人に対して状況を説明し続けます。なんとなく今日の夕方にあの辺で会うということは事前に決めていても、「そろそろ出るね」「じゃあ、私も」という流れで待ち合わせるのです。
あとは、Zenlyで相手の居場所を確認しつつ、合流します。居場所はかなり精度が高く表示されるため、お互いに距離を縮めることができます。
いくら相手とメッセージや通話で繋がり続けているとはいえ、いちいち「今はこの辺にいる」と知らせるのは大変です。だったら、Zenlyで相手が近づいてくるのを見ながら合流する方がわくわくしますよね。
旅行先やショッピングモールなど、別行動したいときでもZenlyがあれば安心して移動できます。また、中高生だと同じ時間に駅前にいるから会おうとか、共通の友人と遊んでいるみたいだから自分も行きたいなど、ご近所ならではの偶然の出会いも楽しめます。
・友人の様子を見られるから便利
Zenlyは相手が何をしているか、居場所や滞在時間から推測ができます。暇なので誰かと話したいなと思ったら、Zenlyを見れば、自宅にずっといる人を見つけられます。また、メッセージを送ろうと思ったときも、相手がバイト中なのか、どこかに出かけているのかが分かります。相手に負担をかけることなく連絡が取りたい、現代ならではの気遣いですね。
・忘れたスマホを見つけられるから便利
常にスマホを手にしている若者ですが、それだけスマホをどこかに忘れやすいともいえます。学校内のどこかにスマホを置いてきてしまったとき、友人にZenlyを見てもらえば、スマホの位置が特定できます。Zenlyは常に位置情報を発信しているため、特に手順もなく居場所が判明する点がメリットです。
・常に繋がっている喜びを感じられる
Zenlyを開けば、繋がったフレンドの居場所が地図上に表示されます。家から3日間出ていない人、ディズニーリゾートに出かけている人、学校で部活に励んでいる人、それぞれの近況がわかるのです。ここのところ、新型コロナウイルス感染症対策で自由に会えない時期もありますが、友達が自宅にいる様子を見ると、みんな頑張っているんだと感じられます。
Zenlyで注意すべきこと
便利で楽しいZenlyですが、注意すべき面もあります。それは、自分の自宅や学校などがすべてフレンドに筒抜けになってしまうということです。Zenlyで繋がる相手は、信頼できる人だけにしておかなければなりません。もし、自分の周囲でZenlyのアカウントをやたらと交換したり、SNSに公開している人がいたら、注意してあげてください。また、信頼できると思っていたのに怪しい動きをする人がいたら、「あいまい」や「フリーズ」などの居場所を明確にしない機能を使って距離を置くか、その人をフレンドから削除しましょう。
最近では親子で繋がり、子どもの見守りにZenlyを使う人も増えていると聞きます。Zenlyの便利さや楽しさをうまく活用したいですね。
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