亀山早苗の恋愛コラム

SNSで私を監視し続ける彼の元カノが怖い、どうすれば?異常な執着に、彼が白状した昔の話…

お互いに相手が初めてつきあった人でない限り、過去の恋人は存在するもの。とはいえ、元恋人に結婚を邪魔される筋合いはない。横やりを入れてくる元恋人がいた場合、どういう対処をすればいいのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

  • Comment Page Icon
お互いに相手が初めてつきあった人でない限り、過去の恋人は存在するもの。とはいえ、元恋人に結婚を邪魔される筋合いはない。横やりを入れてくる元恋人がいた場合、どういう対処をすればいいのだろう。
All About
 

ある日突然、彼の元カノから連絡がきたら

「2年前に結婚したんですが、結婚前後に彼の元カノの嫌がらせがひどくて、本当に参りました」

そう言うのは、キヨコさん(35歳)だ。同い年のショウタさんと知り合ったのは5年前。当時、彼は同僚と、会社を辞めて起業するかどうするか迷っている時期だった。

「つきあい始めてすぐその話を聞いて、私は応援すると言いました。彼の当時の働き方は尋常じゃなかった。毎日のように終電で帰宅、朝6時には家を出るという生活で、仕事のために生きているようなもの。同じように働くとしても、それが自分の会社ならまったく意味が違ってくると言ったんです」

彼はその言葉に力を得て起業した。その後、彼が住んでいるマンションの契約更新時期があったので、「いっそのこと私のところに越してくれば?」とキヨコさんは勧めた。家賃の節約にもなるし、一緒にいれば少しでも役に立てると思ったからだ。

「彼はそれなら中途半端なことはせずに結婚しよう。落ち着いたら式を挙げようと言ってくれた。双方の親に挨拶しただけで婚姻届を提出しました」

出会って半年後だった。スピード婚はうまくいかないと友人たちから忠告されたが、彼女は「彼とならうまくやっていける」と信じていたという。

「細かいことに気が回るタイプではないんですが、それは一緒に起業した同僚の得意分野。彼はどんと構えてじっくり戦略を練るタイプ。その役割分担がうまくいけば、絶対、いい仕事ができると思いました。同僚にもそのことを伝えました。私は長年、人事関係の仕事をしているので、そのあたりもアドバイスさせてもらって……」

ふたりは素直にキヨコさんの意見を取り入れてくれた。そして起業して2年たったころから仕事がうまく回り出した。
 

元カノの登場

軌道に乗り始めても、彼も同僚も調子に乗るようなことはなかった。着実にいい仕事を積み重ねていくことを心がけていたようだ。だから信頼を得て、クライアントがついた。リピーターになってくれる人も増えていった。

「知り合って3年たったころ、同僚が『結婚パーティを開こう』と主催してくれたんです。ふたりの仕事関係や友人たちを呼んで、オープンテラスのあるレストランを借りて。うきうき準備をしていたら、ある日突然、私のSNSを通じて、彼の元カノと名乗る女性から連絡がありました」

そこには、〈あなた、ショウタと結婚するんですって? 彼は今でも私のことを愛していると言っているけど大丈夫?〉と書いてあった。

「浮気しているのかと一気に頭に血が上って彼を問い詰めました。すると彼、『きみと出会う2年も前に別れたんだよ。それ以来、連絡もとっていない。これは彼女の言いがかりだから心配しないで』と。彼を信用したかったけど、不安もありました。彼女は私のSNSを監視しているみたいで、アップするとすぐメッセージが来たり、“いいね”が押されたりする。気持ちが悪かったけど、こちらからリアクションはしませんでした」

そして結婚パーティ当日。もしかしたら元カノが襲撃してくるのではないかと恐れていたが、彼女の姿は見えなかった。

「ところが私がお手洗いに行ったら、洗面所で待ち受けていた女性がいたんです。『キヨコさんでしょ、私、ハルコです。ショウタの恋人』と。元恋人でしょ、別れて何年もたつんでしょと言ってやりました。すると彼女、『でも彼は今も私を思ってる。だけどアイツ、収入低いでしょ。あんな男でいいの?』と言い出しました。どうやら彼が起業したことなども知らなかったみたい。会社勤めのときより3割増しくらいになっていたんですけどね。収入なんてどうでもいいの、何があっても私は彼と手を取り合って一緒に生きていくからと言ったら、彼女が『そのうち彼は私に戻ってくるわ』と言って去ってしまいました」

彼にその話をしたら、危険を感じたら警察に連絡したほうがいいかもしれないと話が進展。さらに彼は彼女の親にも連絡をとってくれた。

「彼が起業したこともやっとつきとめたみたいで、会社に連絡があったようです。その後、私の勤務先にもやってきました。しかたがないので会社近くの喫茶店で話したんです。もう邪魔しないでと言ったら、『彼が会社を興したとわかっていれば、私は彼を手放さなかったのに』とキーキー騒いで。どうしてこんな女性と彼がつきあっていたのか、彼への不信感につながりそうでした」

結局、キヨコさんはショウタさんとともに警察に相談、とうとうハルコさんの両親が迎えにきて実家に連れ戻したという。

「あとから彼が白状したところによると、彼女ときれいに別れられなかったので、最後は学生時代の友人に彼女を誘惑してもらったんだそうです。だから彼女は、今でもショウタは自分のことが好きなんだけど、浮気した自分がいけなかったんだと思い込んでいる。それが歪んだ形で表れたんでしょう。オレがいけなかったと彼は声を詰まらせていました。彼女をあんなふうにしたのは自分なのだ、と。『オレのこと軽蔑するよね』と言われて、『確かに軽蔑する。でも当時としてはしかたがなかったんでしょう』と言うしかなかった。彼、そのことを何度か私に言おうとしたけど言えなかった、と。彼にとってもふと思い出すと胸が痛むできごとだったんでしょう」

だがキヨコさんは今もショウタさんと一緒にいる。昨年、娘が生まれて家族3人、仲良く暮らしている。

「人は誰でも失敗するし、意図せずに人を傷つけてしまうこともある。私も彼の痛みを自分のことのように感じたんです。彼のしたことは人としてどうよと思うけど、それをもって彼との関係を終わらせたいとは思わなかった」

むしろ、彼女に与えた傷を心に留めながら、人としてまじめに生きていこうと思うとキヨコさんはきっぱりと言った。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます