ロボット掃除機の“元祖”としては米アイロボットの「ルンバ」シリーズが知られており、2002年の販売開始から足かけ20年で全世界累計販売台数が4000万台を超えるなど、「ロボット掃除機といえばルンバ」というほどにイメージが浸透しています。
一方で、家電量販店の店頭などを見ると、ルンバシリーズ以外にも国内大手メーカーのロボット掃除機、さらには今まであまり聞いたことがないようなメーカーやブランドのロボット掃除機が展示・販売されているのをご存じの方も多いと思います。
今回はその中から特に、中国メーカー製のロボット掃除機の実力やお買い得度などについて紹介したいと思います。
コスパの良さと多機能性で人気の中国メーカー製品
ロボット掃除機=ルンバシリーズというのも今や昔。今では以下のような中国メーカーが登場しており、それぞれがブランドを立ち上げて数多くのモデルを展開しています。・Anker(アンカー)「Eufy RoboVac(ユーフィー ロボバック)」シリーズ
・ECOVACS(エコバックス)「DEEBOT(ディーボット)」シリーズ
・Beijing Roborock Technology(ベイジン ロボロック テクノロジー)「Roborock(ロボロック)」シリーズ
20年目を迎えたアイロボットの信頼と実績、ブランド力が圧倒的なこともあって相変わらず人気ではあるものの、これらの新興メーカーは「性能と価格のバランスの良さ」や、ルンバシリーズをもしのぐ「多機能性」などで人気が上昇している状況です。
特に注目したいのが以下のポイントです。
・スマホ連携機能や高性能な「SLAM」などを搭載
・水拭きに対応する“ハイブリッド”モデルもあり
・ゴミ吸引機能搭載モデルや“見守り”対応モデルなどもあり
スマホ連携機能や高性能な「SLAM」などを搭載
ひとつひとつ見ていきましょう。中国メーカーのロボット掃除機の多くはWi-Fi(無線LAN)機能を内蔵しており、スマホアプリと連携して遠隔操作をしたり、タイマー設定の機能を備えているのが大きな特徴です。最新のルンバシリーズもエントリーモデルの「ルンバ e5」からスマホ連携機能を備えていますが、それ以前のエントリーモデルでは搭載していなかったため、外出時に掃除開始を忘れてしまうと、外から掃除をスタートすることができませんでした。スマホ連携機能搭載モデルの場合、日々のスケジュール設定のほか、帰宅前に終了するように掃除を開始するといった使い方ができます。
そのほか、比較的低価格なモデルでも「SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)」と呼ばれる機能を搭載しているのも大きな特徴です。これは「Localization(自己位置の推定)」と「Mapping(部屋のマッピング)」を同時に行うもので、部屋の間取りをカメラやレーザーセンサーで把握しながら自己位置を推定し、最短距離かつくまなく部屋中を掃除できる機能のことです。
SLAM機能を搭載しないロボット掃除機の場合、部屋の壁や家具などに当たり方向を変えることで部屋全体を掃除するランダム走行になるため、掃除に多くの時間がかかってしまいます。
しかしSLAM機能を搭載するモデルなら無駄な動きをしないため、バッテリーを節約しながら広い範囲を短時間で掃除できます。さらに部屋の間取りも検知できるので、部屋の中のどのあたりをどのように掃除したのか、掃除後にマップで確認できるモデルも数多くあります。
水拭きに対応する“ハイブリッド”モデルもあり
低価格帯モデルでも上述のように機能が豊富なのですが、さらに注目したいのが基本の掃除機能です。中国メーカー製のロボット掃除機の場合、上位モデルには吸引掃除だけでなく、水拭き掃除ができるモデルもラインアップされています。
水拭き対応のロボット掃除機には専用のモップや水タンクが付属しており、タンクの水でモップを濡らしながら水拭き掃除を進めてくれます。タンクに水を入れたり、モップを濡らしたりする手間が必要になるため遠隔操作には向きませんが、普段は吸引掃除、在宅時は吸引+水拭き掃除といったように、シーンによって使い分けられるのが魅力です。
ゴミ吸引機能搭載モデルや“見守り”対応モデルなどもあり
最新の「ルンバ j7+」などルンバシリーズの上位モデルには、ダストケース内のゴミを吸引してくれる「クリーンベース」を搭載しています。一般的なロボット掃除機は、定期的にダストケース内のゴミを捨てなければなりませんが、クリーンベースのようなゴミ吸引機能を搭載するロボット掃除機の場合、ゴミ捨ての頻度を減らすことができます。腰をかがめてダストケースを取り外したり、フタを開けてゴミを捨てる際にゴミが舞い散るといったリスクも少なくなるため、より清潔に使いたいという人にぴったりです。中国メーカー製のロボット掃除機の場合、先述の「SLAM」はレーザーセンサーを利用するモデルが多いのですが、一部にカメラセンサーを用いているモデルもあります。カメラで障害物を認識して回避できるAI(人工知能)機能を搭載するだけでなく、遠隔地からロボット掃除機を動かして部屋の中を見回る「見守り機能」として使えたりするモデルもあります。
アイロボットの最新モデル「ルンバ j7/j7+」も障害物認識・回避機能を搭載しましたが、こうしたモデルをアイロボットに先がけて市場に投入しているメーカーがあるというのも、中国メーカーの恐るべき特徴といえます。
高コスパモデルからハイエンドモデルまで、おすすめロボット掃除機を紹介!
今回紹介したさまざまな特徴を備える、おすすめのロボット掃除機をいくつかピックアップして紹介しましょう。●高速振動モップやスマート自動ゴミ収集ドックなどを搭載するハイブリッドモデル
・Beijing Roborock Technology「Roborock s7+」
Beijing Roborock Technology「Roborock s7+」
吸引掃除を停止して水拭きだけを念入りに行う「水拭き強力モード」を新たに搭載。掃除が終了すると、本体のダストボックスにたまったゴミを自動で吸い上げる「スマート自動ゴミ収集ドック」を採用しており、収集方法はサイクロン式と紙パック式、好みに合わせて選べるのもユニークなポイントです。
価格は高めではありますが、ルンバシリーズを除いたロボット掃除機の中ではかなり人気のモデルになっています。
●カメラで7種類の障害物を認識&回避! 室内を“見守り”もできる乾湿両用モデル
・ECOVACS「DEEBOT OZMO T8 AIVI」
ECOVACS「DEEBOT OZMO T8 AIVI」
毎分480回モップを前後に振動しながら水拭き掃除を行う「OZMO Proストロング電動クリーニングモップ」を搭載しており、乾湿両用になっています。
スマホアプリ上に表示されたマップで任意の場所をタッチすると、指定した場所まで移動して室内の様子を動画で確認できる「AIVIビデオバトラー」も搭載。留守番中のペットや子どもの様子を確認できるのもユニークなポイントです。
●レーザーSLAMを搭載し、吸引&水拭きに対応する高コスパモデル
・Anker「Eufy RoboVac X8 Hybrid」
Eufy RoboVac X8 Hybrid
カーペットを認識して自動的に吸引力をアップさせる「BoostIQテクノロジー」も備えています。本格的なSLAM機能を搭載し、吸引掃除から水拭き掃除まで対応する乾湿両用モデルながら、比較的お求めやすい価格に仕上がっています。
●簡易マッピング機能を搭載し、吸引掃除と水拭きを同時に行える高コスパモデル
・Beijing Roborock Technology「Roborock E5」
Beijing Roborock Technology「Roborock E5」
●簡易マッピング機能を搭載し、進入禁止エリアの設定も可能な乾湿両用モデル
・Anker「Eufy RoboVac G30 Hybrid」
Anker「Eufy RoboVac G30 Hybrid」
吸引掃除だけでなく、水拭き掃除にも対応。カーペットを検知すると自動的に吸引力をアップする「BoostIQテクノロジー」も搭載しています。SLAM非搭載の簡易マッピングタイプですが、境界線テープを使うことで掃除したいエリア、掃除したくないエリアを自由に変えられるようになっているのが便利です。
●5.7cmの薄型デザインで、低いすき間でも入り込める乾湿両用モデル
・ECOVACS「DEEBOT U3」
ECOVACS「DEEBOT U3」
ルンバをはじめとする一般的なロボット掃除機は約10cm程度の高さがあるため、それでは入り込めないソファやベッドなどの家具がある家庭に向くモデルです。さらに「OZMOモップシステム」も備えており、吸引清掃とともに水拭き掃除もできる優れものです。
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