傷病手当金とは?
傷病手当金とは業務外の病気やケガなどで長期に会社を休む場合に、所得保障の目的で健康保険から支給される手当金のことです。新型コロナの感染による療養で働けない場合なども対象ですが、休業期間中は給与が支払われてないことが条件であり、休業4日目からが支給の対象です(3日までは待機期間)。業務外の病気やケガによる長期休職には傷病手当金が支給されます
傷病手当金の支給日額は?
傷病手当金の支給日額は「支給開始日の属する月を含めた直近12月間の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する額(*)」とされています。(*)国家公務員共済組合・地方公務員共済組合は22分の1に相当する額の3分の2に相当する額 難しい言葉が並んでいますが、つまり、「支給開始日の属する月を含めた直近12カ月間の標準報酬月額(毎月の給与など「月額の報酬」を一定の幅で区分したもので、厚生年金や健康保険の保険料を計算する際に利用される)を平均した金額(月額)を30日で割って日額にし、さらにその額の約3分の2」が支給されるということです。
おおまかには直近12カ月間の給与日額の約3分の2が支給日額と考えてよいかと思います。
傷病手当金の支給期間は通算1年6カ月です
傷病手当金が支給される期間については上限があり、以前は「支給開始日から1年6カ月を超えない期間内で支給対象となる日」とされていました。しかしこれではいったん職場に復帰し再度同じ病気やケガで休職した場合、最初の支給開始から1年6カ月を超えた日以降は不支給となり、がんや精神疾患など入退院を繰り返す疾患の場合に十分な保障が受けられないとの指摘がありました。
令和4年1月からはこの点が改正され「支給開始日から対象となる日を通算して1年6カ月」となりました(共済組合は以前より通算1年6カ月)。 つまり今回の改正によって、長期に入退院を繰り返す病気やケガでも通算1年6カ月分の支給を受けることができ、より充実した保障が受けられることになったわけです。
傷病手当金の支給件数で多い疾患は?
傷病手当金の支給件数で多い疾患については「協会けんぽ」のデータを参照すると、昨今のストレス社会を反映しているためか「精神および行動の障害」が一番多く、ついで「新生物(がん)」「筋骨格系・結合組織の疾患」「循環器系の疾患」が挙げられます。 いずれの疾患においても一度の治療で完治するとは考えにくいことや、申請件数の2割を占める「新生物(がん)」の生涯罹患率は2人に1人である現在において、休業中の所得保障の意味合いである傷病手当金の支給期間拡充は歓迎されることだと思います。まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は令和4年1月より支給期間が改正された傷病手当金について取り上げてみました。なお傷病手当金の支給を受けるには申請が必要です。申請方法、必要書類など詳しい手続きについては、加入されている健康保険窓口への問い合わせをお勧めいたします。《参考》
・厚生労働省 HP
・厚生労働省 第132回社会保障審議会医療保険部会
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