花王が行った調査によると、トイレや排水溝と同じように注意すべき意外な場所が判明。今回は意識されていない意外な場所を紹介するとともに、気を付けるべきことを解説します。
実は「冷蔵庫野菜室」の方が多かった!
花王は、90の一般家庭を対象に実態調査を実施。さまざまな家庭を対象に、各家庭に調査員が訪問し、調査対象として最大24カ所について、菌の採取を行ない、菌による汚染実態と生活習慣等との関係性に関して解析しました。(出典)花王ホームページ
腸内細菌科は、食品業界で衛生状態と下水処理をモニタリングするためよく使われている細菌群の総称です。主な腸内細菌科には、大腸菌属、赤痢菌属、サルモネラ属、プロテウス属、クレブシエラ属、セラチア属、エルシニア属、エンテロバクター属等があります。
すべてが体に有害というわけではありませんが、赤痢菌は赤痢の原因菌ですし、大腸菌など食中毒菌として知られている菌も属しています(以下「雑菌」と表記)。
野菜室に雑菌が多いのはなぜ? 考えられる理由
まず、野菜そのものに雑菌が付着していることが考えられます。その理由として「野菜の衛生管理法と微生物管理技術」を参照すると・細菌類が野菜の表面に付着する
・野菜表面の気孔、皮目、果柄部などから侵入し、内在化する
などの理由が挙げられています。
野菜そのものに雑菌が付着しているとすれば、野菜室に多く雑菌が分布するのは、不思議ではありませんね。
また、掃除の頻度が低いというのも野菜室に雑菌が多い理由のひとつでしょう。冷蔵庫の掃除は「大掃除の時に」行う程度なのが一般的だと思いますので、雑菌の量が多いと考えられます。
ほったらかしは危険! こまめな掃除を
腸内細菌科は、すべてが有害菌ではなく、無害な菌もあります。というより、ほとんどが無害です。あくまで有害菌の場合に限定した場合、食中毒や赤痢などになりますね。その他、こちらの一覧表を確認していただくとよいかと思います。
有効な衛生管理の方法としては、冷蔵庫内をできるだけこまめに掃除することを意識してみてください。
また、家庭での食品の衛生管理としては、食中毒の4原則「つけない」「ふやさない」「ころす(やっつける)」「もちこまない」を守ることが重要です。