高校受験

【2022年】都立高校推薦入試の変更点と対策のポイント!

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う2021年からの都立高校推薦入試の変更点は、1.集団討論を行わない、2.入試を原則1日で終える、3.郵送出願の3つ。以上について、School Post 主宰の石井知哉氏に、受検生・保護者が抱える不安に答えてもらいました。

西村 創

執筆者:西村 創

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「都立高校 推薦入試 対策講座」を開催しているSchool Post 主宰の石井知哉氏に受験生・保護者が抱える不安に答えてもらいました。

「都立高校 推薦入試 対策講座」を開催しているSchool Post 主宰の石井知哉氏に受験生・保護者が抱える不安に答えてもらいました。

2022年1月実施予定の「都立高校推薦入試」には、昨年に引き続き注意したい点があります。そこで、2013年以来、毎年冬に「都立高校 推薦入試 対策講座」を開催しているSchool Post 主宰の石井知哉氏に長年の経験と東京都教育庁への取材から得た最新情報に基づき、受験生・保護者が抱える不安に答えてもらいました。
 

2021年都立高校推薦入試からの変更点3つ

2021年からの都立高校推薦入試の変更点は次の3つです。
■変更点1:集団討論を行わない
■変更点2:入試を原則1日で終える
■変更点3:郵送出願

■変更点1:集団討論を行わない
【2020年まで】

集団討論が必須で、多くの学校の配点は次のようなものでした。
・調査書:50%
・集団討論・個人面接:25%
・作文または小論文:25%(出願時に提出する『自己PRカード』は得点化せず、面接参考資料)

【2021年以降】
2021年度からは、集団討論を行わないことになり、配点が変わっています。
・調査書:50%
・個人面接:25%
・作文または小論文:25%(『自己PRカード』の扱いについては、変更ありません)

面接の重要性が2倍になるということですね。
また、集団討論を実施しないことを受けて、作文または小論文の得点比重を高めた高校も見受けられます。

■変更点2:入試を原則1日で終える
【2020年まで】

原則2日間で実施していました(2020年は1月26日・27日)。ごくわずかな高校では、授業日数の関係から1日で実施していましたが、多くの学校が1日目に作文または小論文と集団討論、2日目に個人面接を行っていました。

【2021年以降】
集団討論がなくなり、原則1日で実施になっています。2022年度は、1月26日(水)に行い、一部の高校のみ、1月27日(木)に実技検査を行います。
これまで可能だった「1日目の手応えを踏まえて、2日目に調整する」というようなことができなくなります。

■変更点3:郵送での出願となった
【2020年まで】

推薦入試の4日前(2020年は1月22日)に、受検する高校の窓口に必要書類一式を直接持参して出願していました。

【2021年以降】
2021年からは、原則郵送での出願となっています。1月12日(水)~17日(月)の期間内に、都立高校が指定する郵便局に必着となっています。受検者個人が送るのではなく、中学校からまとめて発送します。

受検する高校の決定や受検料の支払い、出願書類の用意、そして、面接で重要な「自己PRカード」の作成を10日程度早める必要があるわけですね。
 

これまでと対策を変える必要はある?

個人面接の対策をよりしっかりする必要があります。

これまでは、集団討論と個人面接とを合わせて25%でしたが、面接だけで25%になります。つまり、面接の配点が2倍になったわけです。

面接一本に絞られるので、受検生たちはそれなり準備をしてくることでしょう。その中で面接で高得点を取るためには、面接官の印象に残る受け答えをする練習がキモです。

例年は、多くの場合、集団討論の試験官がそのまま面接官も務めるので、面接の時点では初対面ではありません。しかし、今年度の試験では、初対面の相手と面接を行うことになります。

加えて、面接時はマスクを着用します。面接官に聞こえるように話せる練習をしておく必要があります。

以上のような点を踏まえて、より充実した面接対策を行う必要があります。

また、作文または小論文の得点比重を高めた高校もあります。そうした高校を受ける場合は、作文・小論文の得点が合否を分ける可能性が高くなります。添削指導を受けるなど、練習に力を入れることをおすすめします。
 

感染リスクを上げてまで受検する意味は?

推薦入試という受検機会があるわけですから、合格可能性のある内申点をとっていて、かつ対策をしっかりして臨むのであれば、推薦入試受検の価値はあります。

合格可能性のある内申点とは、学校の倍率やその子の推薦適性にもよりますが、具体的には基準からマイナス2~3なら逆転可能、マイナス4だとかなり厳しい、マイナス5以上だとほぼ不可能といった感じです。

適切な予防策を講じれば、感染リスクも減らせます。感染リスクがあるのは、推薦入試の1日、試験会場で過ごす時間と往復の外出の時間ですよね。推薦受検をしない場合は、中学校に登校するので、そこでの感染リスクは大差ありません。

各高校でも、アルコール除菌や受検者・面接官のマスク着用、受検者同士の間隔や換気など、感染予防措置は教育庁からの通達に沿って対策されます。

高倍率の都立高校推薦入試は、「準備をして落ちたら、結局無駄なのでは?」と思うかもしれません。しかし、面接や作文・小論文の勉強を通じて得られるコミュニケーション力や判断力、論理的思考力や表現力は、社会に出てからも有意義なものです。一般入試の対策とバランスをとりながら、全力で推薦対策を行う。そうした努力を通じて、成長を遂げられるよう、応援しています。



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【参考サイト】
 School Post「都立高校 推薦入試 対策講座」案内ページ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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