2021年も本当に多くの映画が公開されました。12月公開の映画など、まだ観ていない映画もある中、ものすごく悩みました! では映画ライターの筆者が選んだベスト10、お付き合いくださいませ。
 

10位:『ひらいて』

ひらいて

(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

綿矢りさの同名原作を映画化。主人公の木村愛(山田杏奈)が、片思いしている男子(作間龍斗)の秘密の恋人(芋生悠)に近づいていくという三角関係の物語。

彼が恋人からもらった手紙を盗み読んだり、彼が受け入れてくれないから、その彼の好きな女子に近づいたり、理性を見失い、思いのままに直進していく愛の暴走が凄すぎて……。思春期のイライラも含めて、感情を揺さぶられました。好演した若い俳優たちと首藤凜監督の今後に期待!
 

9位:『MINAMATA ミナマタ』

MINAMATAミナマタ

(C)2020 MINAMATA FILM, LLC (C)Larry Horricks

写真家ユージン・スミス(ジョニー・デップ)が、のちに妻となるアイリーン(美波)から、熊本県水俣市のチッソ工場が海に流す有害物質に苦しむ人を撮影してほしいという依頼を受けて、熊本へ。写真を通して水俣の人々と交流を深め、チッソ工場と闘う姿を描く。

写真集「MINAMATA」をベースにした作品で、ジョニー・デップ、久々の名演に加えて、写真家が主人公ゆえに、映像にもこだわりを見せているのがいい。熊本県水俣市ほか、映像もとても美しいし、水俣病の問題を知るきっかけになる作品とも言える、必見作。
 

8位:『私というパズル』

私というパズル

Netflix映画『私というパズル』独占配信中

自宅出産で産んだ赤ちゃんを亡くしてしまったヒロインのマーサ(ヴァネッサ・カービー)が、立ち直っていく姿を描いたシリアスな人間ドラマ。冒頭の出産シーンの長回しがリアルで、あのシーンがあったからこそ、マーサが子どもを亡くした悲しみが観る者の気持ちを捉えて離しません。我が子の死をめぐり、夫婦や家族の気持ちがすれ違う姿も苦しくて……。

でも、彼女が立ち直ろうと手探りで歩んでいく時間は、人生においてとても大切なもの。あの苦しみがあったから、希望のラストシーンにつながるのだと思える。ヒロインの心に寄り添って丁寧に作られた素晴らしい作品。
 

7位:『パーフェクト・ケア』

パーフェクト・ケア

(C)2020, BBP I Care A Lot, LLC. All rights reserved.

法廷後見人として介護が必要な高齢者の生活と財産の管理をしているように見せかけて、実は顧客の財産を奪っていた詐欺師のマーラ(ロザムンド・パイク)ですが、新顧客の老婦人のバックにマフィアがいたことから計画が狂っていくというクライムサスペンス。

ヒロインが悪女過ぎて共感度ゼロですが、対抗するマフィアとの丁々発止のやりとりや、意外な展開にワクワクしっぱなし。この手の映画が大好きな自分にとっては、たまりませんでした! ロザムンド・パイクの名演&ラストの伏線回収もお見事。
 

6位:『ドント・ルック・アップ』

ドント・ルック・アップ

Netflix映画『ドント・ルック・アップ』12月24日(金)より独占配信開始

地球に向かっている彗星を発見した天文学者(レオナルド・ディカプリオ)と教え子(ジェニファー・ローレンス)が、地球の危機を世界に知らせようと奮闘する姿を描いたブラックコメディ。

ワイドショー番組の浅い内容やSNSで拡散されていく虚実入り混じった情報など、さまざまなメディア風刺もパンチがきいています。緊急事態なのに緊張感のない人間たちの愚かさに笑いつつ「これって自分たちのことでは!」と背筋が寒くなる瞬間が……。シャレにならない痛烈な社会風刺映画。アダム・マッケイ監督絶好調!
 

5位:『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』

チック、チック…ブーン!

Netflix映画『tick, tick... BOOM! チック、チック…ブーン!』独占配信中

1990年のニューヨークを舞台に、ウエイターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサン(アンドリュー・ガーフィールド)。希望に満ち溢れた瞬間も、成功に手が届きそうで届かない苦しみも、すべての感情をガーフィールドが素晴らしい歌唱パフォーマンスで魅了する、実在した作曲家の自伝ミュージカルの映画化です。

人気作曲家リン=マニュエル・ミランダの長編映画初監督作とは思えない、ポップで弾けまくった演出が最高! 音楽に人生を捧げた主人公への尊敬の念が作品にあふれています。
  

4位:『空白』

空白

(C)2021「空白」製作委員会

スーパーで万引きを疑われて店長(松坂桃李)に追いかけられた中学生(伊東蒼)が交通事故死。父親(古田新太)は、追いかけた店長を毎日責め続け、店長は精神的に追い込まれていく……というハードな物語なのですが、ラストはとてもさわやかで希望が見えるのです。

満たされない気持ちを抱えて生きる登場人物たちのポッカリ空いた心の隙間を埋めるのは人と人との関係性。親子、仕事仲間、友達、夫婦……。言葉や思いがふとしたきっかけで救いになったり、変化を与えたりするというのが良かったです。
 

3位:『あのこは貴族』

あのこは貴族

(C)山内マリコ/集英社・「あのこは貴族」製作委員会

都会のお嬢様の華子(門脇麦)と地方出身者の美紀(水原希子)が知り合い、住む世界は全く違う二人がお互いの人生に影響を与えていく姿を描いた山内マリコの同名小説原作の映画化。

結婚=幸福と思い込んでいた華子が、自力で人生を切り開いた美紀の影響を受け、一方で、格差に苦しんできた美紀は、苦しみながら歩んできた道が無駄ではなかったと思えるように。自分の幸せを決めるのは、生まれ育った環境ではなく、自分自身の歩み方。あらゆる女性に刺さる人生賛歌のような作品です。
 

2位:『花束みたいな恋をした』

花束みたいな恋をした

(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会(画像出典:Amazon

  終電を逃した男女が出会い、恋に落ちて、同棲するけれど、やがて恋は終わっていく……。恋人たちの5年間に寄り添った物語。監督は『罪の声』の土井裕泰、脚本は坂元裕二。

二人が好きな映画、小説、街のパン屋さん、駅から遠い部屋など、ディテールを大切に描いており、同時に二人の気持ちがすれ違っていくプロセスは、よくあることだからこそリアルで胸をギュっと掴まれる。ラストのファミレスシーンは大号泣! ディテールを大切にする坂元裕二の脚本を菅田将暉と有村架純が最高のパフォーマンスで魅せる、2021年恋愛映画のNo.1です。
 

1位:『ファーザー』

ファーザー

(C)NEW ZEALAND TRUST CORPORATION
 AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINE-@ ORANGE STUDIO 2020

81歳のアンソニー(アンソニー・ホプキンス)は1人暮らし。ときどき世話をしに来る娘(オリヴィア・コールマン)がいます。しかし、ある日、見知らぬ男女が自分を「お父さん」と呼ぶのです。彼らは誰? 自分はどうなってしまったのか……。世界中で上演された人気舞台劇の映画化です。

現実と幻想の狭間でアンソニーとともに観客も迷宮に迷いこんでしまう……。老いというテーマをこんな風に描くなんてフロリアン・ゼレール監督、すごすぎる! アンソニー・ホプキンスはアカデミー賞主演男優賞も納得の名演。演出、脚本、芝居、すべてが最高クオリティの傑作、堂々1位です!

そのほか『梅切らぬバカ』『るろうに剣心 最終章 The Final』『すばらしき世界』『ドライブ・マイ・カー』『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』『東京リベンジャーズ』『君は永遠にそいつらより若い』『DUNE 砂の惑星』『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』も、2021年マイ・ベスト! 本当は順不同で好きな映画を全部あげていきたいくらいでした。

みなさんも自分のベスト10を作ってみてください。すごく悩むけれど、とても楽しいし、もう1回見たくなるし、ますます映画が好きになりますよ。

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