足湯が楽しめる場所は様々……温泉地だけでなく、駅や空港でも
手軽に楽しめて健康効果も得られる足湯。自宅でも便利な市販の足湯器もあるようです
そして、温泉街以外でも足湯が楽しめる場所はさまざまです。代表的なのは鉄道の駅です。長野県の上諏訪駅(JR中央本線)や宇奈月温泉駅(富山地方鉄道)など、JR・私鉄問わず、足湯は様々な駅に設置されています。ちなみに、上諏訪駅の足湯は2002年まで露天風呂として利用されており、「日本で唯一駅ホームにある露天風呂」として有名でした。他にも、温泉県の大分空港や全国の道の駅、最近では商業施設内に設置されている例もあります。
着替え不要で、女性はメイク直しも不要です。足元だけで気軽に楽しめるのも足湯の魅力でしょう。今回はそんな足湯の健康効果と、効果的な入り方、自宅での楽しみ方のコツをご紹介します。
足湯の健康効果……睡眠改善・医療現場では「足浴」も
最初に足湯の健康効果について考えてみましょう。足湯は身体にとって大変負担の少ない入浴法です。そのため医療や介護の場でも、「足浴」として活用されています。一方で、身体に負担が少ない分、足湯では足先しか温めることができないと思っている方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、全身浴などに比べ効果は弱いですが、足湯でも全身を温めることは可能です。20分ほどゆっくりと足湯に浸かることで、足先で温まった血液が全身を巡り、結果的に全身をポカポカと温めることができます。
また、足湯にはリラックス効果や睡眠の改善効果があることが研究から示されています。睡眠改善効果については、足湯に浸かることで足の血管が拡張し、一旦上がった体温がうまく下がることで、眠気が誘発されやすくなるためと考えられています。
何度のお湯に何分が目安? 自宅で足湯を楽しむコツ
そうはいっても近くには足湯を楽しめる場所がないという方は、自宅で簡単に足湯入浴法を楽しむことが可能です。特に普段はシャワーだけで済ましてしまうという方にもお勧めです。まず、バケツや風呂桶などを用意します。42℃のお湯を入れたら、10~20分ほど足を浸けましょう。湯温が下がってきたら、熱めのお湯を注いで温度を保ちましょう。湯量に合わせてお湯に入浴剤を入れると、より温まりが強くなります。湯温が冷めないように、電気を使ったグッズなど、市販の足湯器を利用するのもよいでしょう。また、足湯の後は冷めないようにすぐに足よく拭き、靴下をはいて保温するようにしましょう。
足湯を行う上での注意点……安全性は非常に高いが、やけどには注意を
前述の通り、足湯は身体への負担が非常に少ない入浴法です。医療・介護の現場でも多く利用されているくらいですので、健康な人であれば健康上の理由から足湯を避けるべき人はほとんどいないと思いますが、重度の心不全など通常の全身浴・半身浴も困難な方は、事前に医師に相談してください。また、足湯の温度維持のために、熱めのお湯を注ぐことをお勧めしていますが、その際のやけどには十分注意してください。シャワー派の人はさらに手軽な「足湯併用シャワー」からお試しを
足湯は誰もが実践できる、手軽な入浴法です。特に普段、忙しくてお風呂はシャワーだけで済ましてしまうという方は、是非足湯を試してみてください。特に手軽に楽しみたい方は、シャワーの時にあらかじめバスタブに10cm程度のお湯を張って、足湯をしながらシャワーを浴びる「足湯併用シャワー」がお勧めです。すぐにぬるくなるので、湯温は少し熱めの42-43℃とします。シャワーをしながら足湯をして、最後は湯を抜いて足元もシャワーで流してきれいにします。シャワーだけの時と比べて身体の温まり方に違いを感じられると思います。また、ストレスの軽減や睡眠の質向上の効果も期待できます。また、旅行先などで温泉地に行った際は是非、足湯を楽しんでみてください。着替えやメイク直しも不要で、手軽に温泉の湯ざわりや香りなどを楽しむことができますよ。