アイロンがけの心得その1:シワをつけない洗濯術
ここでは基本動作やツボをふまえた“マイダ流”アイロンがけ術をお届けします。まずは洗濯時の注意。アイロンがけは、シワがなるべく少ない方が楽なのです。洗濯では「脱水」がシワを固定してしまうポイント。シワがつきやすい衣類はたたんでネットに入れ、脱水時間を短くします。シャツなら脱水30秒以内(梅雨時は乾きにくいのでもう少しプラス)ですが、洗濯機の設定が最短1分なら1分で。
次は干すときの注意。干す前にシワをのばしながらたたんでしばらく置くと、不思議なくらいシワがのびてきれいに干しあがります。ハンガーは針金ハンガーでなく肩に厚みのあるものにかけるか、逆さにつるす「バンザイ干し」を。シワや型崩れが少なく仕上がります。
なお、形態安定加工シャツはドリップドライ(濡れ干し)が基本。普通の綿シャツも、水がしたたるくらいの状態で、干すときれいに仕上がります(参考:「形態安定加工シャツの正しい洗濯術」)。
アイロンがけの心得その2:綿シャツのアイロンがけ
アイロンがけの基本動作は「すべらす」「押す」と「浮かす」。襟、袖や縫い目など細かい部分はアイロンの先端を利用し、シーツなど大きな面にはアイロン面全体で圧力をかけるように横へすべらせてかけます。なおスチームは「浮かせてかける」が基本です。それから、アイロンがけの前にシワをのばし、形をととのえることも肝心。これで手早く、変なシワがついてイライラすることもなく(!?)スーっとかけられます。かけるときには左手(左利きなら右手)も大事です。左手で布の端をもってピッピッとのばしながらかけます。
それではアイロンがけの代表選手「綿シャツ」について見ていきましょう。
綿や麻はしっとりするくらい湿らせてかけるのがコツ
厚みのある綿シャツは霧吹きでしっとりするくらい湿らせて、ドライアイロンで(乾かすくらいのイメージで)かけるとシワがきれいにのびます。薄手の綿シャツならスチームできれいに仕上がります。市販のスムーザーを使ってもOK
襟は端のシワをアイロンの先でのばし、そこから真中へ向かってのばす
襟を裏、表の準にかけます。小さな面をあとにすると、先にかけた大きな面にシワがついて二度手間になるので、襟や袖口、肩は先にやっつけます。
ここもアイロンの先端を駆使してかけます
襟の下(台襟)の部分と肩をかけます。形を整えて置き、生地が動かないよう左手で少し持って、縫い目を中心にかけていくとスムーズです。
ボタンやボタンホールのまわりも先端が活躍
袖口を、裏、表の順にかけます。端から端へ、縫い目から面へと心がけながら、シワがよらないようアイロンの先端を使ってのばしかけます。
アイロン台にひっかけて整形するのもおすすめ
形を整えてから始めるのもアイロンがけのツボ。上手に早くかけられます。袖を整えるには、脇~肩の縫い目をそろえ、そこと袖口あたりを持ってピピッと伸ばして中ほどから外へ生地をならします。そして、脇から袖口へ向かって、アイロンの面をフル活用するように平たく押しながらかけます。
アイロンを置いた向きはそのまま、横へずらしながら進む感じ。
「肩~脇との縫い目」「袖口との縫い目」のダーツがあるあたりを、アイロンの先を浮かしぎみにしながらキュキュっとかけます。細かいヒダ付近は先端を使って。
その後、向きはそのまま袖の先へ向かってスーッとかけすすめます。
行ったり来たりしてかけると戻るときにシワがよりやすいので、同じ方向へかける
あとは主に平面ばかり。ぴしっと整形したらアイロン面全体に力をかけていきます。まずは左前身頃から。次に同じく、整形して後ろ身頃をかけます。ぐるっと一周して右前身頃で終わりになります。ボタンまわりはアイロンの先端を使って。
アイロンがけをしたシャツは、まだホカホカしていてシワがつきやすい状態ですので、すぐにハンガーにかけておきます。これで完璧!