亀山早苗の恋愛コラム

夫と子どもを置いて家を出る妻は「母親としてどうなの」と言われる存在か?別居を実行して見えたもの

モデル・俳優として活躍する長谷川京子さん(43歳)が、夫でバンド「ポルノグラフィティ」のギタリスト新藤晴一さん(47才)と別居していると報じられた。結婚13年目にして、夫とふたりの子を自宅に残し、ひとり暮らしを始めたのだという。今の時代、「母子の距離の取り方」に変化があったのか、あるいは「従来の母親像」にあてはまらない母親たちが増えたのか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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夫と子どもを置いて「家を出る」という選択

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モデル・俳優として活躍する長谷川京子さん(43歳)が、夫でバンド「ポルノグラフィティ」のギタリスト新藤晴一さん(47才)と別居していると報じられた。結婚13年目にして、夫とふたりの子を自宅に残し、ひとり暮らしを始めたのだという。現在、平日は夫が、週末は長谷川さんが子どもたちの面倒を見ているといわれている。

長谷川さんとは“ママ友”であり、今年7月に離婚を発表した篠原涼子さんもまた、自宅を出てのひとり暮らしが話題となった。

今の時代、「母子の距離の取り方」に変化があったのか、あるいは「従来の母親像」にあてはまらない母親たちが増えたのか。

 

仕事を重視する生活が続いて子どもが……

「私も現在、ひとり暮らしをしています」

そう言うのはアズサさん(44歳)だ。サービス業に従事する彼女は、昨年春からのコロナ禍でもともと不規則だった仕事がさらに不規則になり、人との接触が多いことからも自宅へ帰れない日が増えた。

「夫はほぼリモートワークで、今年春からは会社全体が原則リモートということになったんです。私は少し仕事が落ち着いていましたが、そうすると今度は家でふたりが顔をつきあわせることになる。家事のやり方にしろ子どもへの接し方にしろ、お互いに『え、こんな人だったの』と思う点が増えて、言い争いをしたり反目しあったり。それは子どもたちにも決していい影響は与えませんよね」

13歳と10歳の子がいるが、夫婦仲が険悪になったころ、下の子が急に耳が聞こえないと言い出した。受診したら、心因性難聴だという。両親のけんかによって子どもが大きなストレスを抱えていたのだ。

「私が深夜に帰ると、上の子がわざわざ起きてくることもありました。音に敏感になっていたようです。そんなことがあって、不規則な生活をするしかない私がひとりで暮らしたほうがいいと思ったんです」

歩いて5分ほどのところに新築のけっこうしっかりしたアパートができたので、そこを借りた。1LDKだが、日当たりも風通しもいい。

「この夏、私が休みの日には子どもたちがほぼずっといましたね。夫もたまにはひとりになれてリフレッシュできたと言っていました。もちろん4人で食事をする日もありますし、私が自宅に寄ってご飯を食べてアパートに戻る日もあります」

別居の形を実行してから、夫とは頻繁に連絡をとりあうようになった。

 

家族であっても「必要な距離」がある

「実母や義母には、『子どもと離れて暮らすなんて信じられない』『母親としてどうなの』とさんざん言われました。従来であれば、母親は子どもと一緒にいるべきだというのが当然なんでしょうね。でもうちの場合は、不規則生活で迷惑をかけているのは私。一方の夫は家にいる時間が激増した。母親は、父親はこうあるべきという形からすでにはずれているんです。夫婦げんかが増えるほど子どもにもよくない。流れから言って私が出るのがいちばんスムーズだった。子どもと接する時間は前と変わっていないんですよ」

別居=離婚とも思われがちだが、アズサさんは離婚するつもりはまったくない。夫とも、一度も「離婚」という言葉は出てはいない。

「いずれはわかりませんよ。子どもたちが大きくなって、そのとき私たち夫婦が、もう夫婦を解消してもいいよねとなれば離婚もあるかもしれない。でも離婚ありきの別居ではないんです」

それでも別居してみたら、多くのメリットがあった。

「以前は子どもたちに接している時間のほとんどを、生活習慣への説教だったり小言だったりしたんですが、今はそういうことは夫が担当しているので(笑)、私はやさしいママでいられます。別居してみると夫のよさにももう一度目がいくのか、先日は子どもたちが夫の弟一家のところに泊まりにいったので、久々に夫とふたりでデートしました。ゆっくりランチをして映画を観て、夜は自宅で一緒に夕食を作って。こういう時間もいいねと新婚気分になれましたね。家族だからって、常に一緒にいなければならないというわけではない。私たちは今の形がけっこう気に入っています」

彼女自身の仕事時間が変われば、また同居する可能性もあるし、それは柔軟に対応していくという。

大事なのは「形だけ一緒にいること」ではなく、「どういう形であれ、心を寄り添わせていくこと」なのかもしれない。
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