亀山早苗の恋愛コラム

20代は「嘘つき男の歴史」そのもの。なぜか「嘘つき男」ばかりが近寄ってくる私の問題点

「誠実さとはかけ離れた嘘つき男とばかりつきあってしまう」と嘆く女性は少なからずいる。嘘をつかれて傷ついて別れたのに、なぜまた嘘つきとつきあってしまうのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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なぜか「嘘つき男」とばかり巡り会ってしまう

騙されやすい女

一般的に、男性に「優しさと誠実さ」を求める女性は多いだろう。ところが「誠実さとはかけ離れた嘘つき男とばかりつきあってしまう」と嘆く女性も少なからずいる。嘘をつかれて傷ついて別れたのに、なぜまた嘘つきとつきあってしまうのだろう。

 

嘘を優しさだと勘違い

「20代の私の歴史は、嘘つき男の歴史でもあります」

笑いながらそう言うのは、アヤカさん(34歳)。大学生時代につきあった他大学の2年先輩は、「自分は苦学生だ」と言っていた。

「仕送りもなくバイトで学費も生活費もまかなっているんだって涙ぐんだことがあって、あまりにかわいそうだから私、けっこう自分のバイト代を貢いでいたんです。彼が就活でがんばっているときは夕飯をごちそうしたり、お弁当を作って彼が取りにきたり。彼のアパートまで持っていくと言っても『あんまりぼろで恥ずかしいから』といつも私のアパートに来ていました」

ところがあるとき、彼の友人と名乗る女性から、「あなたがあまりにもお間抜けだから教えてあげる。彼は地方の裕福な家の息子なの。住所を伝えるから行ってみれば」と電話で言われたそうだ。

「その住所に行ってみたら、都心の大きなマンションで、とても学生がひとりで住むようなところではありませんでした」

びっくりした彼女がマンションを見上げてぼうっとしていると、彼が女性と手をつないで帰ってきた。

「思わず隠れちゃいました。彼、オートロックを開けて入っていったので、たぶん彼が住んでいるんでしょうね。なんのために私に苦学生だなんて嘘をついたのか……」

彼の友人と名乗る女性から再度、連絡があった。おそらくアヤカさんが尽くしてくれるのが楽しかったのだろうと彼女は言った。

「バカにされてるだけだと、やっと気づきました。黙って連絡を絶ちました。彼からは何度も電話がかかってきたけど無視して……」

社会人になってからも、彼女のもとに“嘘つき男”は寄ってきた。特に20代後半に2年つきあった男性との関係は、今も心の傷になっている。

 

離婚調停中で別居だという言葉を信じて

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アヤカさんが26歳のとき知り合った7歳年上の彼とは4年間つきあっていた。

「つきあって2年たったときにプロポーズされたんです。だけど結婚を承諾したとたん、『実は言っておかなくてはならないことがあるんだ』と。本当は結婚していた、というんですよ。私はてっきり独身だと思ってつきあってきたのに……。それだけでショックで卒倒しそうでした」

好きだから言えなかった、本気だから言えなかった。でも今はアヤカと一緒になるために離婚調停中で、すでに別居して自分は実家にいる、だから許してほしいと彼は涙ながらに訴えた。

「話がいい方向に展開しているので、私も『そういうことなら』と思ってしまったんですが、あとから考えたら2年間、騙されていたということですよね。彼は両親と同居だと言っていたし、私はそれを信じていたんですが」

ただ、別居して実家の両親と暮らしているなら、嘘だとも言えない。彼がどの時点で離婚調停を始め、どの時点で実家に戻ったのかまでは彼女は聞かなかったという。

「だけどそれから1年たっても1年半たっても、調停がうまくいかない、まだ離婚できないって……。2年たったとき、裁判になるかもしれないけど待っていてくれないかと言われました。つきあって4年も経っていたし、30歳を越えてしまったし、もう待てないと急かしてみたんです。それでもお願いだから待っていてと言ってくれるのを期待していたんですが、『じゃあ、しょうがないね』とあっさりフラれてしまいました。そんなのあり?という感じであっけにとられましたね」

その後、彼がどうしているかを彼女は興信所を使って探った。なんと彼は調停も別居もしていなかった。29歳で結婚してからずっと同じ場所に住み、ふたりの子がいた。しかも二人目の子はアヤカさんとつきあっている間に生まれた子だった。

「どうしてそこまで嘘をついていたのか、私にはまったくわかりません。友だちに言ったら、『そんなことだろうと思った』と。彼女は最初から疑って、なんだか怪しい男だと言っていたんですよ。どうして彼に会ったこともない彼女にわかることが、実際つきあっている私には見えないのか。彼女は『アヤカは男を信じすぎる』というけど、相手から信頼されたかったらまず自分から信頼すべきだと思うから……」

別れて3年近くたった今も、彼女は彼をひきずっている。本当に自分を愛してくれたのか、結婚する「つもり」はあったのか。最初から遊びだったのか。考えても答えは出ない。わかっているけれど考えてしまう。

「嘘をつかれない女になりたいですね。甘く見られない女に」

それでも、自分は人を疑う女性にはなりたくないけれどと彼女は真剣な表情で言った。
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