私の収入が約6割になってしまうので、家計が不安です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、第1子を出産した38歳の会社員女性からの相談です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
産休に入り収入が減ってしまいました

産休に入り収入が減ってしまいました


■相談者
ミーさん
女性/会社員/38歳
関東/持ち家(マンション)
 
■家族構成
夫(42歳)、子ども(0歳)
 
■相談内容
第1子が生まれました。現在、産休に入っており、私の収入は当分、いままでの約6割になり、家計がとても不安です。来年復帰予定です。夫はお小遣いが足りず、持っているカードを使用するため、私が頑張って節約し貯金額を増やそうしても想定金額より毎月少なくなります。これから育児していくうえで、教育費、食費などが増えていき、このまま貯金が可能なのか、繰り上げ返済(現時点で夫が75歳にて完済)をして60歳くらいまでに完済できるのか、将来について不安しかないです。
 
また、夫は、国民年金も累計7年くらいは払い込み免除申請をしていて、年金についてもとても不安です。結婚したのを後悔するくらい不安です。私は節約し、コツコツ貯金をすることに苦はありません。
 
低価格の携帯電話会社へ変更し、プロバイダー料込みで2000円のネットを引き、通信料約2万7000円から1万3000円に下げることには成功しました。
 
生命保険は、私が病気し払い込み免除のため、65歳までは保険料不要のため、夫が死亡時はローン免除になるため、生命保険では、給与保障と特定疾病保障を手厚く加入しているような感じになっています。子どもができることで保険も見直しを行った方がいいのか、別途、子どもの教育資金は、学資保険に加入した方がいいのか、悩んでいるところです。何から手をつけていい状態か不明のため、お力添えいただけるとうれしいです。よろしくお願いいたします。
 
■家計収支データ

相談者「ミー」さんの家計収支データ

相談者「ミー」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使い道
固定資産税9万円、自動車税4万5000円、残りは予備費。夫の会社はボーナスなしの会社です。
 
(2)家計収支について
家計収支に差額がありますが、おおよそ、毎月の収支はプラスマイナスゼロです。
子どもが生まれてから教育資金として1万円。
 
(3)住居費について
返済は毎月返済のみです。住宅ローンは2本あり、合計で約9万円。この他、管理費などが2万2300円。

・購入年:2019年
・購入価格:2870万円

・ローン借入額:570万円
・借入金利:1.025%(35年固定)
・返済期間:35年
・ローン残債:539万円
・毎月返済額:1万6156円
 
・ローン借入額:2300万円
・借入金利:1.880%
・返済期間:35年
・ローン残債:2181万円
・毎月返済額:7万4181円
 
(4)自動車について
1台のみ所有。ガソリン代1万5000円、自動車保険月割5000円。今の車は、あと5年は乗ります。夫が車通勤のため、今後、車の買い換えが発生します。中古車でもいいので、300万円までの車を購入すると思います。
 
(5)加入保険について
夫/生命保険(終身タイプ、三大疾病発症時の保障 )=毎月の保険料1400円
夫/就業不能保険(2034年まで加入可  、月5万円保障)=毎月の保険料1400円
夫/就業不能保険(2039年まで加入可、月5万円保障)=毎月の保険料1490円
夫/就業不能保険(60歳まで加入可、月5万円保障)=毎月の保険料1750円
夫/ がん保険 (終身タイプ、死亡保障なし)=毎月の保険料1640円
妻/生命保険(終身タイプ、払い済み、死亡保障300万円、医療特約入院5000円付き)=毎月の保険料0円 払い込み免除
 
(6)働き方について
夫は65歳定年、再雇用については不明、退職金なし。私は65歳定年、再雇用あり、退職金なし。復帰後は、手取り18万円で戻れる予定、ボーナスは業績によるので、なしの可能性もあり。
 
(7)家族の小遣いについて
夫には3万5000円をお小遣いとして渡していますが、勝手にカードを使用したり、追加でお金渡したりし、結局は6万5000円を一人でお小遣いとして使っている結果になっていると思います。使用目的は不明。タバコを買ったり、食費に充てているようです。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 今は現状維持で1年後から本格的な貯蓄モードに
アドバイス2 住宅ローンは70歳完済を目指し、できるだけ長く働く
アドバイス3 生命保険の見直しは必要。住宅ローンの借り換えの検討も
 

アドバイス1 今は現状維持で1年後から本格的な貯蓄モードに

出産されたばかりの今、あれこれ家計を見直すのは、ご相談者の負担になると思われます。復職されるまでの間は、現状維持でもいいでしょう。ただ、復職されてからの家計については、今からイメージしておいてほしいと思います。
 
まず、現状の家計で気になる点は、食費がやや高めであることです。実質、夫婦二人分ですから、もう少し下げられないか検討してみてください。また、趣味娯楽、雑費も大ざっぱに集計されていると思われますが、毎月の収支がほぼプラスマイナスゼロということは、こうした変動する費目の管理が甘い可能性もあります。さらに、ご主人の小遣い。6万5000円は多すぎです。一番の問題はここにあります。
 
お子さんが生まれたのですから、ミーさんが一人で頑張るのではなく、ご夫婦で一緒に貯蓄プランを考えることが何よりも大切です。
 
仮に、現状の毎月の貯蓄が4万円のままであれば、年間48万円。ご主人が定年退職する65歳までの23年間で貯められるのは、1100万円程度です。これではお子さんの教育費も不足してしまいます。お二人の収入でこれ以上貯蓄できないわけではありません。お金の使い方を見直して、貯蓄モードに切り替えられるようにしてください。
 
来年ミーさんが復職してからは、支出を4万円程度削減し、毎月32万円に抑えるようにしてください。復職で収入が戻れば、毎月13万円の貯蓄が可能になります。年間で156万円。ご主人が60歳になるまでの17年間で2652万円。現在の貯蓄400万円を加えて、約3000万円になります。お子さんの児童手当もまるまる貯蓄すれば、約200万円。合わせて約3200万円です。家計の見直し、ご主人の小遣いの削減、毎月の貯蓄額の増額によって、現状のままの場合の1100万円が3200万円になるのです。
 

アドバイス2 住宅ローンは70歳完済を目指し、できるだけ長く働く

お子さんの教育費は進路によって異なりますが、大学卒業までで1500万円見込んでおきます。3200万円から差し引くと1700万円です。お子さんの教育費はクリアできますが、車の買い換え、住宅ローンの返済が残っています。
 
車の買い換えは、年齢から考えると、生涯であと3回は必要です。1回の買い換え費用をできるだけ抑えれば、それだけ老後資金を残せます。やはり1回200万円程度に抑えるべきでしょう。3回で600万円。1700万円から差し引いて残りは1100万円です。
 
定年退職の65歳まで、貯蓄のペースが変わらなければ、60歳からの5年間で780万円の貯蓄ができます。1800万~1900万円が、お二人の老後資金となります。
 
住宅ローンを60歳までに完済したいとのご希望がありますが、少し厳しいと言わざるを得ません。60歳、65歳時点での貯蓄残高にもよりますが、70歳での完済を目指して一部繰り上げ返済しておきましょう。ただし、手元資金は残しておいてください。老後資金を考えると、無理に60歳で一括繰り上げ返済するのは、リスクが大きすぎます。
 
また、65歳定年退職後も、可能なら70歳まで働き、その間、公的年金の受給を繰り下げて、免除期間のカバーをしてください。5年繰り下げれば、最大で42%の増額になります。現時点で、そんな先のことまではイメージできないかもしれませんが、マネープランとしては、ここまで考えておいていただきたいと思います。
 

アドバイス3 生命保険の見直しは必要。住宅ローンの借り換えの検討も

生命保険については、お子さんが生まれたのですから、死亡保障をしっかりと確保してください。住宅ローンは団体信用生命保険でカバーできますが、万一の際の生活を考えて、ご主人は1500万円の保障を20年、割安な定期保険に新規加入してください。現在加入中の終身保険は払い済み、就業不能保険は解約。がん保険ではなく、入院日額5000円程度の医療保険に変えてください。この2つで毎月の保険料は7200円ほどになり、必要十分な保障が得られます。
 
また、お子さんの学資保険は、満期学資金が保険料払い込み総額を超えるものであれば、児童手当を保険料に充てて、加入しても構いません。しっかりと貯蓄ができれば、必ずしも加入しなくても大丈夫です。
 
最後に、住宅ローンについてですが、2本に分けて借りられているのは、理由があってのことだと思いますが、2300万円の1.88%は金利が高すぎます。金利の低いローンに借り換えができないか、検討してみてください。その際、570万円の方も併せて一本化する方法もあります。借り換えの審査で年収条件を満たさない場合は、ミーさんが復職し、収入合算して、再度借り換えの相談をなさってみてください。

十分、貯蓄できる家計です。ご主人とよく話し合われ、将来の不安を今の段階で解消するようにしてくださいね。
 

相談者「ミー」さんから寄せられた感想

お忙しい中アドバイスありがとうございます。旦那さんにもこの結果を見せました。旦那さんのお小遣いが原因ということを理解してもらえました。これからのお金の使い方に期待します。また住宅ローン、保険も見直しを行い、これからの教育資金と老後資金を貯めていこうと思います。今回の結果を受け、旦那さんに節約の気持ちが芽生えたことがよかったです。


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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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