できれば60歳で退職し、好きなテニスと料理、家庭菜園などもしてみたい

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、借家で一人暮らしをしており老後に不安があるという50歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
60歳で辞めたいのですが、メリットデメリットがあまり理解できていません

60歳で辞めたいのですが、メリット・デメリットがあまり理解できていません(写真はイメージです)


■相談者
いっこさん
女性/会社員/50歳
東京都/借家
 
■家族構成
ひとり暮らし
 
■相談内容(原文ママ)
老後が不安です。身内は疎遠の姉妹がおりますが、あまりにも生活、価値観の違いがあり、このまま1人かと思います。借家に住んでいるため、いつか出て行かないといけません。退職後はマンション購入か、何か考えないと両親もいないため、住居の保証人の問題もあり、賃貸暮らしを悩んでいます。買うなら一括かと頑張って貯めています。離婚歴があり、その苦しみから病気をわずらい、完全に治らず、月1回通院中。仕事だけは続けています。テニス、ネイル、美容院、テニス有料チャンネル、また料理に関しては、唯一の楽しみで続けたいです。このまま10年でプラス1500万円、退職金と合わせて4500万円貯められるか、マンション購入は可能なのか、できれば60歳で退職し、好きなテニスと料理、家庭菜園などもしてみたい。収入はバイト程度もした方がよいか、できれば働きたくありません。会社に残ると60歳から5年間、手取りは15万円になります。有給の買い取りが20万円、退職金1000万円。もう少し貯金したい。マンション購入を考えている。60歳で辞めたいが、メリット・デメリットがあまり理解できていません。なにせ1人ですから、不安なことばかりです。ずっと相談したかったです。よろしくお願いします。
 
■家計収支データ
相談者「いっこ」さんの家計収支データ

相談者「いっこ」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使い道
貯蓄55万円、ふるさと納税5万5000円、洋服・靴4万円。有給の買い取り20万円、決算賞与2万円。今年は成績不振で手取りにすると2万円程度ですが、今まで給料の1カ月、0.5カ月、5万円などさまざまで、なかったことはありません。他にも手当があり40万円程度が5年に一度など。約束されたものではありませんが、こういったお金が普通預金に貯まってくるので、赤字もここで補填しています。iDeCoや保険なども年払いがいいのでしょうが、毎月の支払いにしています。足りなくなれば、つみたてNISAや財形を減額したらいいと思っています。
 
(2)家計収支について
赤字は理解しています。年間通して考えています。
 
(3)加入保険について
医療保険(入院日額8000円)=毎月の保険料7500円
がん保険=毎月の保険料2000円
ストレスからか入院した経緯がありますが、現在は健康を取り戻してきています
 
(4)公的年金について
現段階での公的年金の見込み額は、月14万5000円
 
(5)マンション購入について
一番の不安要素は住まいです。50歳ですからローンは危険かと思っています。会社から家賃負担8000円あり、購入すればなくなります。今の住まいの保証人が元旦那の母で高齢ですので不安。中古マンションは私が住んでいるエリアは駅近くなので購入は不可能。離れても2000万円以内は難しい。仕事を引退すれば、駅近にこだわる必要がないので2000万円以内も可能。とりあえずはお金を貯めることを目標にしました。この辺りはベッドタウンで3LDKが中心でそんなに広い家も必要じゃないのですが。戸建や団地、URなんかもみています。パートナーがおり、両親から戸建てを譲り受けています。ただお互い今を楽しみたいです。先のことはわからないので、自分の幸せをまず考えたいと考えています。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 あと10年は現状維持で、60歳時点でマンション購入してOK
アドバイス2 65歳までは持ち出しになるが、65歳から公的年金でカバーできる
アドバイス3 現時点で整理できることをやっておくことも大事
 

アドバイス1 あと10年は現状維持で、60歳時点でマンション購入してOK

住まいが一番の不安要素というのは、よくわかります。ただ、パートナーとの関係がはっきりしないうちは、マンション購入は待たれた方がいいのではないでしょうか。自分の幸せを第一に考えることはとても大事です。それがマンション購入なのか、生活を充実させることなのかは、もう一度考えてみてください。
 
もう少し貯蓄もしたいということですから、できればあと10年、60歳まで現状維持で過ごされ、60歳時点で貯蓄に応じてマンションをキャッシュで購入されるといいのではないでしょうか。住宅ローンを抱えながら、将来の不安も感じながらの生活では、かえってストレスにならないか心配です。
 
現在、毎月10万6000円の貯蓄とボーナスから約50万円の貯蓄ができています。年間で約177万円ですから、あと10年で1770万円。現在の貯蓄が2000万円、退職金が1000万円で、合計すると4770万円です。これが60歳時点での金融資産となります。
 
上限2500万円として、マンションを購入しても老後資金として2270万円が残ります。その時点でパートナーとの関係がどうなっているのかはわかりませんが、もし一人だとしても、2000万円以上老後資金があり、マンションも所有できていると思えば、今抱えているような不安は解消するように思います。いかがでしょうか。
 

アドバイス2 65歳までは持ち出しになるが、65歳から公的年金でカバーできる

60歳で退職した場合、公的年金受給がはじまる65歳までの5年間は、貯蓄から取り崩しの生活にはなります。ただ、家賃がなくなる分、支出は削減できます。マンション購入後は、管理費などのコストがかかりますので、まるまる削減できるわけではありませんが、12万5000円程度には収まるでしょう。年間で150万円。5年間で750万円は貯蓄からの支出になります。
 
65歳時点で約1500万円となりますが、公的年金の見込み額が14万5000円とのことですから、65歳以降は貯蓄を取り崩すことなく、十分に生活していくことができるでしょう。
 
60歳以降、できれば働きたくないとのことですから、ここまでの計算で不安がなければ、働く必要はありません。趣味の時間を大切にしながら、少しだけバイトして収入があれば、その分は好きなことに使えばいいでしょう。無理することはありません。
 

アドバイス3 現時点で整理できることをやっておくことも大事

あと10年は現状維持という前提でアドバイスをすすめてきましたが、現時点で整理しておくことはあります。まず、現在の賃貸契約です。保証人の変更、もしくは保証料はかかりますが、保証会社への変更を不動産会社に相談なさってください。保証人のことが不安要因の一つになっていると思いますので、早めにスッキリされるといいと思いますよ。
 
もうひとつは、保険です。入院した経験があり医療保険に加入し続ける気持ちは理解できます。しかしながら、ご相談者の場合、十分な貯蓄がありますから、もう医療保険に頼る必要はありません。今すぐ解約をする必要はありませんが、割り切れるようになったら、保険も整理しておくといいでしょう。少なくともこの先、一生涯、保険料を払い続ける必要はありません。
 
今の貯蓄ペースが維持できれば大丈夫ですから、不安になることばかり考えずに、ストレスのない生活を送ってください。健康に気を付けて、あと10年。頑張ってみてくださいね。
 

相談者「いっこ」さんから寄せられた感想

今回検証していただき深野FP様には感謝いたします。マンション購入は可能とのこと、またいったん60歳で退職してもよいとのことで、バイトでもいいんだ、と少し安心しました。パートナーのこともありますのですぐ買うより、60歳近くでキャッシュ購入を検討します。保証人は大家さんと仲良くしているので、すぐではないですが、タイミングを見て相談します。保険は高いようにも思ってましたか解約は不安です。しかしネットでも保険はあるので勉強してみます。あと10年頑張ります。60歳以降でもバイトなど社会貢献ししつ、楽しみながら生き生きした自分でありたいです。ありがとうございました。

※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談はすべて無料になります)

★マネープランクリニック編集部では貯蓄達人からのメッセージを募集中です★



教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



【関連記事をチェック!】
50歳一人暮らし、貯金480万円。漠然と私の将来はどうなるのか?と不安です
58歳一人暮らし、貯金4500万円。コロナ禍で会社の早期退職に応じるかどうか迷っています
52歳会社員、貯金1380万円。もう仕事に疲れました。65歳にはフルリタイアしたいです
55歳看護師、貯金1800万円。肉体的、精神的に辛く早期退職の予定です
56歳一人暮らし、貯金220万円。貯蓄額をもう少し増やす努力をした方がいいでしょうか?
 

【抽選で10名にAmazonギフト券1000円分プレゼント】All Aboutで「お金」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※2021/9/1~2021/9/30まで

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。