親子でスムーズに実家を片づけたい!
家族みんなで実家の片づけ
コロナ禍でなかなか実家に帰省ができないことも多いでしょうが、それでも常々、「実家の片づけをしたい……」とお考えの方もたくさんいらっしゃるのでは、と思います。
筆者は片づけのプロとして、日々お客様のおうちで片づけを行っているのですが、「実家の片づけ」に関しては、家族間のいざこざへと発展するケースを数多く見てきました。
親世代と子世代では大切にしたいポイントが違うということを念頭におき、親子でもめることなく、片づけがスムーズに進む3つのポイントをご紹介します。
1. 劇的なビフォー・アフターを目指さない
収納は「見える化」を意識するとよいですね
「どうせ片づけるなら、お部屋の印象が変わるほど劇的なビフォー・アフターにしたい!」と意気込む子ども世代の方をよくお見掛けします。
ただ、若い世代なら問題なくても、実家に住んでいる親世代(年配の方)の場合、日々のクセがなかなか抜けなかったり、新しい配置を覚えられなかったりして、「モノを収納場所に戻せない」「どこにあるかがわからない」といった状況に陥ることがあります。
親の片づけをサポートする場合は、モノの収納場所はできる限り変更せず、動かす場合も最小限にとどめておきましょう。どうしても移動が必要な場合は、扉の外に「ハサミ・のり」などわかるように書いておくようにしましょう。
2. 無理に「捨てること」を促さない
「捨てる」はNGワード。「分ける」が正解です
片づけをするときに「モノを減らす」は必須です。ましてや実家。要らないモノだらけ……という思いがある子ども世代も多いのではないでしょうか。
一方、親世代は戦後のモノがない時代を経験しています。「モノがある」ということが幸せの象徴だと思って長年暮らしてきた人たちに「捨てる」ことを説明しても、なかなか同意を得られません。言葉で説得しても「頭では理解できるけどムリ!」と言われる始末。
そこでオススメなのが「無理に捨てない生前整理」です。
蓋付きの箱を多く用意し、親が「使わない」と言ったモノは無理に捨てずに、ジャンル別に箱に入れていきます。その際、親が「自分がいなくなったら処分してくれていいよ」と言ったモノに関しては、後でわかるように箱にメモを書いておくのです。
そうすれば、将来の遺品整理の際にすべてのモノを見返さずに済みますし、価値があるものなのか?売れそうなものかどうか?なども聞きながらやれば、親も一緒にやる意欲が湧いてきますね。
また、こうしておくことで、例えば今後、老人ホームなどの施設に入居する際の荷物の選別もラクになりますし、ある程度、引っ越しの荷物量を見積もることもできます。
3. まずは「薬の片づけ」からスタート!
薬の片づけからスタートします
実家がグチャグチャでどこから手を付ければいいのかわかりません……という相談をよく受けます。また、たまの帰省だからということで、納戸や押し入れなど大きなスペースをやろうとする子ども世代も見かけます。
ですが、これまでに挙げたように、部屋の中の大きな変化や、モノを無理に捨てるように仕向けるのは最初の実家の片づけとしてはNGです。
そこで、オススメなのが「薬の片づけ」です。薬は期限が記載されていることが多いので、要否の基準になりますし、一緒に見ていくことで親の体調を確認することにもつながります。常用している薬があれば、忘れずに飲むように、わかりやすく整理・配置しておくのも喜ばれますね。
片づけは見た目の変化を追い求めたり、捨てて減らすことが目的ではなく、「困っていることを解決する手段」なのだということを知ってもらうためにも、薬の片づけから始めるのは最適です。
帰省して一緒に片づけることができなくても、電話やLINEなどで実家にいる親とコミュニケーションをとりつつ、これらのポイントを話して促すだけでも、片づけのサポートにつながると思いますよ。
今回は親子でもめない実家の片づけポイントをご紹介しました。どなたかの参考になれば幸いです。