Q:定年後、年金ではなく失業給付を受けることもできるんでしょうか?
「弊社は定年は65歳らしいです。65歳まで勤務したとして、会社を退職した後、年金ではなく失業給付を受けることもできるんでしょうか? もらうとしたらどっちがお得になりますか?」(関東・58歳・会社員)A:65歳以上の人が失業すると、「高年齢求職者給付金」を受け取ることができます
2017年に雇用保険法が改正されて、65歳以上の人も雇用保険の対象になりました。65歳以上の雇用保険加入者が離職したときには、「高年齢求職者給付金」として高齢者版の失業給付を受け取ることができます。相談者が65歳の誕生日を迎えた後に退職をし、要件を満たすと、高年齢求職者給付金の対象となります。高年齢求職者給付金を受け取れる人とは、高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)です。離職した日からさかのぼった1年間に、通算6カ月以上の加入期間が必要で、いつでも再就職する意思と能力があるにもかかわらず、失業状態であることが条件です。
失業給付は、64歳以下と65歳以上では、受給要件と、受給日数が違います。現役世代の失業給付(基本手当)を受給するためには、離職日以前2年間に12カ月以上の被保険者期間が必要で、受給できる日数は少なくとも90日は受け取ることができます。
65歳以上の高年齢求職者給付金は、原則離職前1年間に年間に6カ月以上の被保険者期間が必要であり、雇用保険の被保険者期間は1年未満の人は30日分、1年以上の人は50日分となります。
つまり65歳以上になると、失業給付(高年齢求職者給付金)の受給要件は緩和されますが、支給日数は少なくなるということです。もらえても日数が少ないので、お得かどうかといわれると、迷うところでしょう。高年齢求職者給付金と年金は併給できるので、どちらかをもらう、というよりは、年金をもらいながら、仕事を探してみることをオススメいたします。人生100年時代といわれる中、体力が続く範囲で働き続けて収入を少しでも得られると老後の生活が安定するからです。
※年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
【関連記事をチェック!】
年金を5年間払わなかったら、将来もらえる年金はいくら減りますか?
年金は60歳になったら、自動的に払わなくてよくなるの?