家計の金融行動に関する世論調査(2020)」によると、老後の生活への心配を聞いたアンケートに対して、約8割の方が「非常に心配」「多少心配」と回答しているというデータがありました。

では、老後のお金について、収入、支出の計画を立てている方はどれくらいいるのでしょうか。

オールアバウトでは、30~59歳の方を対象に、収入計画の有無と想定している定年後の支出について、アンケートを実施。525人の回答から分かった、30~59歳の老後のお金意識の現状とは。
   

実施したアンケートの回答者属性

今回、インターネット上での調査を実施し、525人の方に回答をいただきました。回答者の年代別人数については以下の通りです。
回答者属性
 

収入計画を立てたことない人が80%以上。支出は減る想定? 増える想定?

まず、定年後の収入計画を立てたことがあるか、という質問に対しては以下のような結果になりました。
 
定年後の収入計画の作成状況

次に、定年後の支出について、増える想定か減る想定かを聞いたところ、以下のような結果になっています。
 
定年後の想定支出

収入計画はないが、定年後の支出についてはなんとなくでもイメージを持たれている方が多いようです。
 

想定支出1位は「10~15万円未満」、年金だけでは足りないと考えている人は70%以上

次に、具体的に毎月いくらの支出を想定しているかを聞いた結果は以下です。
定年後の想定支出額

 

では、想定している支出について、毎月貰える年金のみでまかなえると考えている人はどれほどいるのか。その結果がこちらです。
 
定年後の支出を年金で賄えると思うか


 

不足分は働いて補うという人が60%弱

多くの方が年金だけでは毎月の支出はまかなえないと答えている中で、不足分を定年までに蓄えた資産を取り崩すだけでまかなえるのでしょうか。不足分をどのように補う予定かを聞いた結果が以下になります。
定年後の足りない金額をどうするか

 

多くの方が働くことで不足分をまかなうと考え、年齢が上になるほど働いて稼ぐ予定と考える方が多いということが分かりました。

以上、収入計画の有無と想定している定年後の支出についてのアンケート結果を紹介しました。この結果に対して、All Aboutのマネーガイド、坂口猛さんにコメントをいただいています。
 

調査結果について、マネーガイド、坂口猛さんからのコメント

定年後の収入計画を立てたことがある方が、全体で約15%。50歳から54歳までの方が、約26%となっていますが、それ以外は17%以下となっていました。50歳から54歳までの方が多いのは、50歳以上の方のねんきん定期便に年金の『見込額』が表示されることにより、将来の年金収入が、より身近に感じられるからではないかと推察されます。

また、定年後の支出は減る予定か、という問いに関しましては、50歳以上で55%程度の方が「減額予定」と回答していました。その支出額(月額)は、15万円未満と回答した方のうち、50歳から54歳までの方は、約55%、55歳以上の方が約70%と回答されています。月額20万円未満ですと、50歳~54歳までの方で、約80%、55歳以上の方ですと約85%の方が回答されておりました。

大切なことは、毎月の支出額が一生涯続くと想定した場合、それに対応する収入をどのように工面するか、という点です。

一生涯受け取れる収入としては、多くの方の場合、公的年金になると思いますが、その公的年金だけでは不足してしまう、と考えている方が70%以上いらっしゃいます。

また、50歳以上の60%弱の方が、「年金をもらいながらも働いて生活費を稼ぐ予定」と回答されています。将来的に、どの程度の不足が生じるのか、の計画がなされていませんと、いつまで働けばよいのか、あるいは、働けなくなった場合には、どのような状況になるのか、が分からず、将来的に苦労してしまう恐れもあります。

金融資産等を上手に運用する、などの対策も計画に織り込みながら、将来計画を立ててみることが大切なのではないでしょうか。

コメントをくれたのは…… 
坂口 猛さん
 
坂口猛さん

企業内外におけるお金に関する実務経験30年を活かしたアドバイスには、説得力があり、実務的であると定評があるFPの1人。また、正確な言葉の定義よりも、わかりやすさを重視しているため、初心者でもわかりやすい説明が特徴です。税金や相続・事業承継、副業・開業者への支援やクラウドを活用した働き方改革のための効率的なスキームづくりなどの支援を得意としており、All Aboutのガイドやセミナー講師としても精力的に活動中。
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