国内でも進む新型コロナのワクチン接種、目の持病に注意点は?
目の病気と新型コロナワクチンについてはあまり語られることがありませんが、患者さんからは毎日質問が寄せられます
今回は白内障や緑内障などの目の病気がある方のコロナワクチン接種の可否、また、近いうちに白内障手術や緑内障手術などを予定されている方のワクチン接種の考え方について、解説したいと思います。
白内障・緑内障などの目の病気があっても、新型コロナワクチン接種に問題なし
私の眼科外来では「先生、私は目の病気がありますけど、コロナのワクチンは打っても大丈夫ですか?」という質問を、電話相談も含めて、最近は1日10回は受けています。耳にタコができるというのはほんとうにこの事で……(笑)。でも毎日しっかりと目の持病のために点眼や服薬などをされている患者さんにとっては、気になることですよね。当然の質問です。
私は「今のところ目の病気がある人がワクチンで悪化したという話は聞いていませんから、大丈夫ですよ」と答えています。
自分の病院でもほかの病院でも、新型コロナワクチンの接種で目の病気が悪化したというケースは見受けられません。今後何か問題が報告されましたらここに掲載していきますが、現時点ではそのような公的な報告や身近な診療現場での事例もありませんので、目の持病がある人でも心配なさらずにコロナのワクチンを打っていいと思っています。
コロナワクチンと眼科オペ……体調を考えると接種後のオペは避けるべき?
また、少し珍しいケースかもしれませんが、「ワクチンと眼科オペの予約がかぶってしまうのですが大丈夫ですか?」という質問も受けます。結論からお伝えすると、レーザー手術も含めて白内障手術や緑内障手術などの眼科オペとワクチンのはたらきとは医学的には全く関係ありませんので、気にしなくて大丈夫です。「緑内障手術を受けたからワクチン接種ができなくなった」「ワクチン接種後に白内障手術を受けたらワクチンの効果がなくなった」というようなことはありません。
ただ、ワクチンを打った当日や翌日は副反応が出たり、はっきりとした症状がなくてもだるさを感じたりするケースは、少なからず報告されています。体調が万全ではない状態で眼科のオペを受ける気持ちにはなれないかと思います。現在目の手術を控えている方はしっかりとコンディションを整えるという意味でも、とりあえず接種して様子を見てから考えるのではなく、前もって主治医に相談しておくのがよいかと思います。
というのも、オペは当然ながらスタッフと器具をしっかり用意して事前の準備を整えておく必要があるので、できるだけ直前キャンセルは避けていただきたいというのが本音です。ですので、それぞれの主治医の先生のお考えにもよるかとは思いますが、「ワクチン予約が取れたなら、打った直後に予定していたオペは延期にしましょうか」となる可能性があります。
逆に、オペを受けた後ならば例えオペ当日でもワクチンを打って全く問題ないと自分は考えています。