お金の悩みを解決!マネープランクリニック/マイホーム購入・住宅ローンで悩むファミリー世帯

37歳会社員、貯金2000万円。これから第2子とマンション購入を希望しています(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、第2子の希望もあって住宅購入を検討しているという37歳の会社員女性です。家の購入費用の予算がわからないとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 第2子出産後、落ち着いてから住宅購入で問題なし

現時点で、これだけの金融資産があるのは、立派です。しっかりされておられます。家計収支の差額は、そのまま普通預金に残っているようですし、今後、第2子出産も予定されていますので、子どもの成長とともに家計費は増えてもこのままのやり方でいいでしょう。
 
現状、毎月15万円、ボーナスから150万円貯蓄ができています。年間330万円ですから、本当に素晴らしいです。このペースで貯蓄が継続できれば、何の心配もありません。仮に、第2子出産で貯蓄ができない時期が2年程度あっても問題ありません。
 
仮に、第2子を出産し、3年後に住宅購入をするとします。2年間貯蓄できなかったとして、1年分の330万円は現在の貯蓄に上乗せでき、2250万円になります。このうち、頭金1000万円、諸費用200万円で住宅購入すると、貯蓄の残りは1050万円になりますが、心配はいりません。
 
25年返済、金利1.5%、毎月返済のみで、3000万円の住宅ローンを組んだ場合、毎月返済額は12万円。マンションの修繕積立金と管理費が3万円とすると、15万円です。2000万円の住宅ローンなら、毎月返済額は10万円、修繕積立金と管理費を合わせて13万円となります。
 
それぞれ、現状の住居費から6万7000円、4万7000円増加しますので、毎月の貯蓄額は減ってしまいます。ただ、収入が大きく減らない限り、心配はいりません。
 

アドバイス2 教育費が子ども2人分でも、老後資金の心配は不要

毎月の貯蓄額が8万円になり、ボーナスからは現在と同じ150万円貯蓄できれば、ご主人が定年を迎える55歳までの18年間で約4400万円貯蓄することができます。ボーナスからの貯蓄を120万円に減らしたとしても、同じように約3900万円貯蓄することができます。これに、住宅購入時に残した貯蓄1050万円を加えると、5450万円、または4950万円ということになります。
 
この間、子ども2人の教育費が出ていきますが、中学から私立の場合、1人1200万円は見込んでおきたいところです。2人で2600万円あれば、大丈夫でしょう。教育費を差し引くと、2350万~2850万円程度は、ご主人が定年退職時に残っていることになります。
 
住宅ローンはご主人が62歳まで残りますが、途中で繰り上げ返済も可能ですし、退職時に一括で完済してもいいでしょう。
 
いずれにしても、ご夫婦ともに65歳まで再雇用可能とのことですし、退職金もあります。おそらく公的年金の受給額で老後の生活費をまかなうこともできるでしょう。住宅購入で予算オーバーせず、無理のない資金計画を立てれば、何の心配もありませんよ。
 

アドバイス3 保険は第2子出産時に見直しの必要あり

現状で気になるのは保険です。第2子出産のタイミングで構いませんので、保険の見直しは検討してください。
 
まず、ご主人の変額保険は払い済みにし、ご主人は保険期間20年の定期保険か収入保障保険で2000万円の保障を確保してください。同時に妻も同様に1000万円の保障を確保してください。住宅購入で住宅ローンを借りる際に、団体信用生命保険に加入しますが、万一の際に住宅ローンは保険金で精算されますが、お子さんが成人するまでの生活費としての保障を確保しておくと安心でしょう。また、医療保障も夫婦ともに、新規で加入してください。入院日額5000円で大丈夫です。
 
これで毎月の保険料は1万5000円程度かかりますが、変額保険の保険料がなくなりますので、毎月7000円程度の増額で済むでしょう。
 
最後に、ご相談者が所有している物件は、売却のチャンスを逃さないようにしてください。ローンが残らないのであれば、今のうちに売却して、すっきりさせておくのもいいかもしれませんね。
 
ここまでしっかりやってこられたのです。第2子出産も、住宅購入も大丈夫ですから、ご家族でよく話し合って、希望をかなえてください。
 

相談者「家悩み中」さんから寄せられた感想

今まで、日々の生活では節約を意識しつつも、夫婦2人で頑張って働いている分、時々の旅行等のレジャー費や、家電の購入時等使うときには使うという形で家計管理をしてきましたが、正解はわからず、使い過ぎたかなと後悔することもありました。しかし、今回今までの家計管理をしっかりできていますと言っていただき、今後もこのままのやり方でと肯定していただいたことはすごく励みになりました。また、ご相談していた家の購入予算についても、いつものやり方で使うときには使うという方向で、5000万円弱の物件をみてしまっていましたが、予算オーバーにならないように、そこは気をつけなければいけないと気が引き締まりましたので、夫婦で改めて話し合っていきたいと思いました。

保険に関しても、収入保障について、一度検討後、結局保険に加入しないままにしてしまっており、気になっていたところでしたので、当初ご相談していなかったにもかかわらず、アドバイスいただけて大変参考になりました。第2子についても教育費の心配を取り除いていただいたので、家族でよく話し合って、前向きに考えていきたいと思います。このたびは、深野先生にみていただきたい希望もかなえてもらい、本当にありがとうございました。


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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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