妊活と子育てのため、5年間は専業主婦の予定です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫の突然の転勤により妻が退職し、年収が半減してしまい将来が不安だという35歳の専業主婦の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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夫の転職で世帯収入が半減しました

夫の転勤で世帯収入が半減しました


■相談者
みかんさん
女性/専業主婦/35歳
関西/借家
 
■家族構成
夫(会社員/35歳)、子ども(1歳)
 
■相談内容(原文ママ)
夫の予想外の転勤により退職しました。世帯収入が半減し、将来が不安です。第1子は不妊治療で授かり、第2子も半年後から治療予定です。子どもは、大学のみ近隣の私学を考えています。妊活と子育てのため、5年間は専業主婦の予定です。5年後からは、60歳までパートで月8万円程度の収入を得る予定です。夫は、昇給はなく、60歳で定年予定です。
 
このような状況で、知りたいことは、以下の2点です。
 
(1)2年後に第2子が生まれたとして、7年後に、いくらまでのマンションを購入可能ですか?
(2)不安からいろいろな保険に加入してしまったのですが、不必要な保険や足りない保障はありますか? 個人賠償責任保険は加入した方が良いですか?
 
よろしくお願いします。
 
■家計収支データ【半年後の状況】
 
相談者「みかん」さんの家計収支データ

相談者「みかん」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使い道
ボーナスは全額貯蓄しています。
 
(2)保険について
毎月の保険料は夫婦合わせて7000円です。
夫/
・死亡重度障害500万円、入院7500円(交通事故)、入院5000円(病気など)、通院3750円(交通事故)
・死亡100万円(病気)、200万円(事故)、入院1万5000円(ガン)、入院5000円(ガン以外)、通院2000円、先進医療費用2000万円
・入院自宅療養所得補償 60歳まで月額15万円(病気やケガ)
・死亡重度障害 10年間、月額5万円
 
本人/
・死亡100万円(病気)、200万円(事故)、入院1万円(ガン)、入院5000円(ガン以外)、通院2000円、先進医療費用2000万円
 
(3)住宅購入と転勤の可能性について
4年後に転勤の可能性がありますが、確率は低いので、住宅購入は、現在の居住エリアで検討しています。
 
(4)みかんさんの復職について
フルタイムでの復職はいまのところ、考えていません。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 返済期間と返済額を考慮して、住宅購入は3年後に
アドバイス2 5年後のパートでの復職から、貯蓄ペースはアップする
アドバイス3 厚生年金加入できる復職を目指す。夫は65歳までは働く
 

アドバイス1 返済期間と返済額を考慮して、住宅購入は3年後に

いろいろなことが重なり、大変でしたね。でも安心してください。将来の不安を必要以上に感じることはありません。収入が半減しても、ここまで家計をしっかり管理されてこられたことがわかります。この調子で大丈夫です。
 
まず、マンション購入ですが、7年後といわず、3年後を目途に考えてみてはいかがでしょうか。転勤の可能性も低いということですから、今から検討を始めてもいいでしょう。というのも、頭金が十分に準備できますし、ご主人の年齢を考えると、少なくとも65歳までには住宅ローンを完済していただきたいからです。返済期間が長ければ、同じ金額を借りても、毎月の返済額は抑えられます。
 
3年後に購入するとして、それまでに600万円貯蓄を増やすことができます。毎月5万円、ボーナス140万円全額を貯蓄していますので、年間200万円。3年で600万円です。現在ある貯蓄が1700万円ですから、3年後には合わせて2300万円になっています。
 
ここから頭金として1000万円、諸費用などで300万円。貯蓄の残りは1000万円になりますが、5年後からは、みかんさんも復職するということですから、不安に感じることはありません。
 
住宅ローンを3000万円とすると、物件価格の上限は4000万円。周辺で探すとして、いかがでしょうか? 3000万円を金利1.5%、ご主人が65歳までの27年返済で借りるとすると、ボーナス返済なしで、毎月返済額は約11万2000円です。これに管理費や修繕積立金を加味すると、毎月の住居費は約15万円程度になります。
 

アドバイス2 5年後のパートでの復職から、貯蓄ペースはアップする

現在の住居費から11万円の増額になりますが、3年後には不妊治療費の5万円がなくなり、貯蓄は10万円できる家計になっています。家族の小遣いなどで調整すれば、住居費の11万円増加分は、今の家計でも対応できるでしょう。みかんさんが復職するまでは、毎月の収支はトントン、ボーナスで貯蓄をする、と考えればいいでしょう。
 
5年後に、みかんさんが月8万円の収入を得られれば、その分が貯蓄になりますが、お子さんも増え、何かとお金がかかりますから、毎月の貯蓄は7万円、ボーナスから80万円(残り60万円は予備費としてキープ。使ってもOK)の貯蓄ができれば、年間で164万円。ご主人が60歳になるまでの20年間で3280万円、約3300万円増やすことができます。
 
マンション購入後に残った貯蓄は1000万円ですから、ご主人が60歳時点での金融資産は約4300万円ということになります。
 
この間、お子さん2人の教育費として、1人1000万円、2人で2000万円が出ていきます。そのほか、家電、家具などの大きな買い物や家族旅行、マンションの修繕費や固定資産税など、さまざまな出費として500万円かかったとしても、1800万円ほど残すことができます。
 
ここに、ご主人の退職金が加わり、お二人の老後資金となります。これで大丈夫と思われるなら、マンション購入にあたって、頭金を500万円程度上乗せして、物件価格を4500万円にする、といったことも考えてもいいでしょう。
 

アドバイス3 厚生年金加入できる復職を目指す。夫は65歳までは働く

すごい余裕があるわけではありませんが、マンションを購入しても、お子さんの教育費は十分対応できますし、老後資金もある程度、確保することもできます。ただし、ご主人の公的年金の受給開始までの5年間は雇用延長、再雇用などで、収入を得ることは必要です。65歳以降は、年金の範囲内で収支トントンになるような家計管理に切り替え、貯蓄の取り崩しはできるだけ後送りするよう心掛けてください。65歳で住宅ローンの返済も終わっていますので、しっかり者のみかんさんなら大丈夫でしょう。 
 
老後の収入である公的年金のことを考えると、みかんさんはフルタイムでの復職は考えていない、とのことですが、できれば厚生年金加入ができる職場を探してほしいと思います。最初はパートでもいいと思いますが、無理のない範囲で検討してみてください。
 
最後に、保険についてですが、現在加入されている保険で大丈夫です。マンション購入時に、団体信用生命保険に加入するので、住宅ローン分は保障されますし、貯蓄も十分ありますので、現時点では過不足ありません。もう一人お子さんができたときに、不安を感じるようであれば、死亡保障1000万円、保険期間10年の割安な定期保険か収入保障保険で保障を上乗せすれば十分です。
 
個人賠償責任保険も現時点では不要です。日常生活を幅広く補償する保険ですが、単独では加入できません。もし自転車での事故を心配されているのであれば、自転車保険とセットで加入したり、マンション購入時に加入する住宅総合保険に特約で付けることもできます。どこまでの補償が必要なのか、よく調べてみるといいでしょう。
 
先行きが不安になるのは無理のないことです。でも、みかんさんの家計であれば、問題なく希望が叶いますから、ゆったりした気持ちで生活を送られることを願っています。まずは、第2子の誕生をお祈りしています。
 

相談者「みかん」さんより寄せられた感想

深野様の大変お優しいアドバイスに重荷がすーっとなくなりました。マンション購入は予想外の3年後をオススメ頂き、自分の計算と全く違ったのでプロに相談させていただいて良かったと感じました。保険についても、相談したことで自分の中でも整理されて、保障も十分ということで安心いたしました。この度は本当にありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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