アドバイス1 3年ごとに住宅ローンの繰り上げ返済をして54歳で完済可能
結論からいえば、まったく心配はありません。家計に無駄はなく、ここまでよく頑張ってこられたと思います。住宅ローンについては、3年ごとに繰り上げ返済をしていけば、54歳で完済できます。安心してください。現在、毎月10万円、ボーナスから40万円の貯蓄ですから、年間で160万円貯めておられます。ボーナスの変動があるとのことで、ボーナスが増えれば、もっと余裕のある計画になりますが、ひとまず、現状の貯蓄ペースで考えてみます。
1回目の繰り上げ返済で、すぐに500万円使って大丈夫です。貯蓄は1100万円になり、住宅ローンの残りは1380万円。年間160万円の貯蓄ですから、3年後には480万円。これを2回目の繰り上げ返済に回します。キリよく500万円。貯蓄は1080万円、住宅ローンの残りは約680万円になります。ここから3年後の住宅ローンの残りはおそらく450万円程度ですから、一気に完済できます。貯蓄は1100万~1200万円程度残せているでしょう。
つまり、6年後には住宅ローンを完済させることが無理なくできます。そのときご相談者は54歳ですから、60歳の定年退職まで貯蓄を積み重ねていけます。住宅ローンがなくなりますから、毎月の貯蓄を増やすことができます。
アドバイス2 60歳時点で3500万円の金融資産。老後の心配は不要
54歳から毎月16万5000円、ボーナスから40万円の貯蓄ができれば、年間約240万円。ボーナスが増えて昨年同様に100万円貯蓄に回せれば年間300万円の貯蓄ができます。年間240万円なら6年間で1440万円、年間300万円なら6年間で1800万円を上積みできるわけです。60歳時点での金融資産は2600万~3000万円、これに退職金の500万円を加えて3100万~3500万円となります。これだけ老後資金として用意できれば、何も心配することはありません。
住宅ローンがなくなったあとの生活費は11万~12万円に削減できています。公的年金の受給が始まる65歳までの5年間は貯蓄の取り崩しになるので、生活費がまかなえる程度のパート・アルバイトができれば十分です。仮に毎月3万円、年間36万円の取り崩しがあったとしても、5年間で180万円。65歳時点で3000万円は残せます。65歳以降は公的年金で生活費はまかなえますから、大きな出費だけ貯蓄から使うようにすれば、生涯、お金に困ることはないでしょう。
アドバイス3 これまで頑張ってきたのだから、楽しみのために使っていい
このように考えていけば、もう少し自分の楽しみにお金を使ってもいいのではありませんか? 住宅ローンが残っていると不安になる気持ちもわかりますので、6年後までもうひと頑張りして、完済したら、少し生活にゆとりを持たせてもいいかもしれませんね。今、加入している2つの保険は、解約しても大丈夫です。何かあっても十分貯蓄で対応できます。一括払い済みの保険もあります。もし割り切れるなら解約して、そのお金を楽しみのために使ってもいいでしょう。ご両親や姪のために、ボーナスからお祝いやお小遣いをあげている優しさは立派です。でもこれからは、自分のためにも使ってくださいね。
相談者「ザイ」さんから寄せられた感想
とても安心しました。家計のやりくりが下手で使い過ぎていると毎月思っており、住宅ローンを組んでからは、買い物などをしてお金を使うと罪悪感がありました。これからは旅行なども計画していきたいです。繰り上げ返済は時期や金額も迷いがありましたが、具体的に提案していただいたので、とてもわかりやすかったです。ぜひ検討していきたいと思います。教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/伊藤加奈子
【関連記事をチェック!】
49歳会社員、貯蓄1650万円。退職後は田舎でのんびりと過ごしたいのですが……
47歳実家で暮らし、要介護の母親の年金に頼っていますが、できるだけ自立して生きていきたい
46歳一人暮らし。60歳までに住宅ローンを完済したいのと、破産した母と妹のことも相談したいです
42歳会社員、貯金はなく、かつかつの生活で楽しみもなく、老後の生活も不安です
45歳会社員、貯金はゼロ。買い物依存で、カードの借入が50万円ほどあります