なぜ夫は「家族の一員」という自覚がないのか

家族

子どものいる妻たちにとって、家族とは「夫と自分と子どもたち」なのだが、夫にとって家族とは「妻と子どもたち」だと考えている節があるようだ。夫は「家族の一員」という意識に乏しいと言う妻たちは少なくない。

 

あくまでも「自分と家族」と分けている夫

「うちの夫は本当に身勝手。自分のことしか考えていないんです」

そう憤るのは、トモヨさん(46歳)だ。結婚して17年、15歳と12歳、ふたりの娘がいる。夫は決して冷たい人間ではないのだが、家族から「浮いている」という。

「私はパートですから、主に生計を担っているのは夫。そのことには感謝しています。だけど、言葉にしなくても、『オレの稼いだ金を家族が勝手に使っている』と思っていることはわかる。以前、夫がどこかでもらってきた高級スイーツを娘たちが食べてしまったとき、夫は、『オレがもらってきたんだぞ』と言った。オレ、に妙に力が入っていました。ああ、この人はいつまでたっても“父親”ではなくて、“オレ”なんだなと思いました。私は自分が食べなくても娘たちに食べさせたいと思いますけどね」

生活費はきちんと入れてくれるし、経済的に困ったことはない。だが、トモヨさんは夫が、自分と妻子の間に壁を作っているような気がしてならないのだという。

「家族みんなで楽しもうという発想がないんですよ。毎年夏に旅行するんですが、夫はいつも1日遅れて来る、帰りもたいてい私たちより遅れて帰るか早く帰るか。一緒に行動したくないのかと思って聞いてみると仕事の都合だ、と。家族を一線を引きたいのか、浮いている自分を楽しんでいるのかわかりませんが」

何か買うときも、トモヨさんには相談しないままに決断する。車を買い換えたときもそうだった。平日はトモヨさんが使うことが多いのに自分の好きな車種と色を独断で決めた。

「数年前、いつかソファを買い換えたいなあという話をしたことがあるんです。そうしたら1週間後に新しいソファが届いた。でもそれ、私がイメージしていたものと全然違うんです。娘たちからも不評でした」

夫に「こういうのじゃないんだよね」と言っても、「専門店の人のすすめなんだから品質はいいはずだ」という返事。そういう意味じゃないことをわかってもらえない。

「彼が家族のために何かしようと思っているのではなく、自分がしたいことをしているだけなんですよ。しかもそれを理解できない。腹が立つわけじゃないんだけど、家族として同じ目線ではいないなと寂しい気がしますね」

モラハラというわけではないが、自ら家族との間に溝を作っているように見える夫が、トモヨさんには理解できないという。

 

「家」をどう思っているのかわからない

結婚14年のナツミさん(44歳)もまた、同い年の夫が「家族として歩み寄ってくれない」という不満をもっている。

「うちの父は、いつも家族のことを考えている人でした。私が『本棚がほしいなあ』と言うと、どういうのがいいのかと聞いてくれて自ら作ってしまうんです。母がキッチンで棚がずれたといえばすぐに直してくれるし。家のこと、家族のことを第一に考えて動いていた。そういう父を見ているだけに、夫がまったく何もしないことに驚きました」

家事をしてほしいわけではない。ナツミさんができない高いところの掃除や電球の交換などを率先してやってほしいだけだ。そういうことをしてくれただけで、みんなで家庭を作っている実感がわくと彼女は思っている。

「高いところだって私が脚立に乗ればできるから、自分でやっていますし、力仕事もほとんど自分でやりますけど、本当は気軽にやってくれたらいいなとは思います」

宅配でケース買いしているミネラルウォーターなどは最近、中学生になった息子が玄関先から家の中まで運んでくれるようになった。夫はそれを見ていても手伝おうとしない。

「だからといって会話がないわけではないし、不仲というわけでもないんです。ただ、先日もたまたま夫と親戚の家の法事に出かけたとき、夏までにコロナが落ち着いたら旅行でもしたいねなんていう話になって。親戚に『夏はいつも旅行するの?』と聞かれた夫は、『家族はするみたいですね、私は仕事なので』と言ったんです。『家族』って、息子と娘と私のことですが、そこに夫は入ってないんだなあと思いました。夫の言い方は間違ってはいないんだけど、家族はこう、自分はこうと分けて話されると、なんか違和感があるんですよね。妙な言い方だなと思いましたし、親戚もちょっと怪訝な雰囲気になりました」

“夫”である人の中には、「家族」に取り込まれたくないという心理が働くものなのだろうか。自分はあくまでも、ひとりの人間であって、家族の一員ではないと思いたいのだろうか。

「どっぷり家族にはまったら損だとでも思っているんでしょうかね。うちの夫を見ているとそんな気がします」

ナツミさんはそう言って苦笑した。


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