亀山早苗の恋愛コラム

好きだけど、どうしてもできない…。「資産目当て」の結婚が大失敗した理由

「紀州のドンファン」殺害事件で妻だった女性が逮捕されて話題になっている。世の中には、資産目当てで結婚する女性も少なくない。それが失敗に終わった女性たちの話を聞いてみた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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資産目当ての結婚が大失敗

財産目当て

「紀州のドンファン」殺害事件で妻だった女性が逮捕・起訴されて話題になっている。55歳という年の差、月100万円という小遣いなど、驚かされることばかりである。

世の中には、資産目当てで結婚する女性も少なくない。それが失敗に終わった女性たちの話を聞いてみた。

 

資産は「全部あげる」と言ったのに

「私の友人の話なんですが……」

そう話し始めたのはカホさん(33歳)。学生時代から仲良くしているミズキさんが、「大資産家の息子と結婚する」と聞いたのは26歳のときだ。

「ミズキが言うには、相手は30歳年上だけど、とにかく資産があって好きに使っていい、資産は全部あげる、だから一緒にいてほしいとプロポーズされた、と。とはいえ、会社組織になっているし個人資産がどのくらいあるかはわからない。ちゃんと調べてからのほうがいいよと言ったんです。でも彼女、『とりあえず彼の会社の役員として月に50万はもらえるし、大きな一戸建ての家に住める』と聞く耳をもたずに結婚してしまいました」

ミズキさんの父親は娘の結婚相手と同い年で、母は2歳年下だった。結婚に大反対だった両親は結婚式に出ないと宣言、結局、新婦側の両親、親戚不在のまま結婚式がおこなわれた。

「まあ、式場はミズキの夫となった人が経営するレストランだったし、パーティー形式だから親が来ていなくてもそれほど違和感はありませんでしたけどね。それを機にミズキは両親とは絶縁状態でした」

通いの家政婦さんもおり、ミズキさんはスポーツジムに行ったりエステに通ったりと悠々自適の生活を送っていた。カホさんはよく呼び出されて、ホテルのラウンジなどでごちそうしてもらった。

「彼が帰ってくる時間に家にいればいいだけ。あとはパーティーなど公式の場面に一緒に出向く。それが私の仕事みたいなものと言っていました。結婚から数か月たって、お金に苦労はしなくても、あまり幸せそうではなかったのが気になっていました」

結婚してから半年が経過したころ、ミズキさんは「夫は私を愛していない」と言い出した。自分だって資産目当てで結婚したのに、不思議なことを言うとカホさんは思ったそうだ。

「30歳も若くてきれいな妻をめとったのに、大事にしてくれない、愛してくれないとミズキは文句を言っていました。実は彼女、その時点で婚姻届が出されていないことを初めて知らされたそうです。夫からは『今までは試用期間だった』と言われたんですって。夫曰く、『きみは好きなようにお金を使っていたけど、僕の仕事には興味を示さなかったし、僕自身にもひとかけらの愛情もなかった』と。そのまま家を追い出されたそうです。彼女は結婚詐欺で訴えるといきまいていましたが、彼から手切れ金をもらって黙りました」

戸籍上は離婚とはならないが、彼女自身は結婚したつもりでいたし、一生遊んで暮らせる思惑がはずれたことには落ち込んでいたという。

「周りでは、そんなうまい話はないよねと言っていたんです。彼女は今、派遣で一生懸命働いていますよ。『今度こそ、お金持ちで愛し合える人を見つける』って。あんまり懲りてなかったねとみんなで話しています(笑)」

 

生活が楽になっただけで満足していたけれど

30歳のとき60代半ばの男性と結婚したのは、ユミコさん(43歳)だ。短大を出て就職したものの5年ほどで人間関係に疲弊して退職。以来、アルバイトを掛け持ちして暮らしてきた。

「実家は遠方なんですが、私が就職したころ父が亡くなり、一周忌にもならないのに母は再婚。それきり母とは絶縁状態でした。退職してからは生活が苦しかった。頼れる人もいなくて。そんなとき知り合ったのが60代半ばの彼でした。ある資格を生かしてまだまだ現役で働いていたし、不動産などももっていた。『死に水をとってくれたら財産はあげる』と言われてその気になりました。でも財産云々より、私は生活させてもらえるだけでありがたかった」

夫への感謝の気持ちは忘れなかった。好感ももっていたが、どうしても夫婦としての営みだけはできなかったと彼女は言う。

「ずっと我慢していましたが、あるとき、その最中に気持ちが悪くなって嘔吐してしまったんです。それ以来、そういう雰囲気になると吐き気が止まらなくて。夫を愛していると自分にどんなに言い聞かせてもダメだった」

夫は若々しく、エネルギッシュな人でもあった。妻と夫婦生活ができないことは彼にとって大きな衝撃だっただろう。

そしてある日、ユミコさんは夫が浮気していることを知った。夫は「ごめん」と謝ったが、「謝らなければいけないのは私のほう」と思ったという。

「あなたのことは好きなのに、どうしても性行為ができないと打ち明けました。もちろん、夫はわかっていた。夫は優しい人だから決断できない。だから自分から離婚届を書いて夫に渡しました」

半年足らずの結婚生活だったが、夫は慰謝料として200万円くれ、彼の持つアパートに入居させてくれた。

「仕事まで紹介してもらって、今は働いています。彼はその後、再婚しました。うまくいっているようです。今思えば、やはり私は彼を心底愛することはできなかったんでしょうね。無理していたんだと思います」

そんな彼女も、同世代のバツイチ男性と交際中。ようやく春が来たかもしれないとふわっとした笑顔になった。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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