総合型選抜(旧AO入試)「小論文」の書き方をわかりやすく解説!
小論文は与えられたテーマに対する意見文
でも実は、小論文はあらゆる文章のなかでもっとも書きやすい種類の文章です。文章には、小中学生のときに宿題に出された読書感想文のような「感想文」や小説やエッセイ、LINEやTwitterなどの短文など、さまざまなジャンルがあります。これらのタイプの文章はどれも、センスがある人は練習しなくてもいわゆる「うまい文」が書けますが、大半の人はうまく書けるようになるのに時間がかかります。
一方、小論文はいわゆる「うまい文」である必要はありません。読み手を引きつける書き出しも、文学的な表現の工夫も必要ありません。必要なのは、「論理性」です。「論理性? うわ、やっぱり難しそうな言葉が出てきたじゃないか……」なんて思ったかもしれませんが、安心してください。大丈夫です。論理性がある文章を書くのは、大して難しいことではありません。
なぜなら、今まで多くの人が書いてきた「こう書けば論理的な文章になる」という型(テンプレ
ート)があるからです。その型(テンプレート)にしたがって書けば合格につながる小論文が完
成します。
小論文では「どんな課題をどう解決するか」を述べる
まずは「どんな課題をどう解決するか」から考えよう!
内容次第で、どんな小論文になるのかが9割決まります。「どんな課題をどう解決するか」という軸が決まれば、あとは型(テンプレート)に当てはめて言葉を埋めていくだけです。
「どんな課題をどう解決するか」ということについては、次のいずれかになります。
- プラスをより大きなプラスにする
- マイナスをより小さなマイナスにする
ここで「プラスをより大きなプラスにする」例を2つご紹介します。
例1. 私は、小学校高学年の頃から学校の勉強が苦手になった。その後ずっと勉強が苦手で関心も持てなかったが、あるきっかけをもとに、英語だけは得意になった。今では海外で現地の人と簡単なコミュニケーションならできるようになった。この経験をもとに、多くの子どもたちが英語を得意になれるようにしたい。
例2. 小学校でプログラミング教育が必修化され、日本でもようやくIT分野における意識が変わってきた。今後、人々のITリテラシーが高まっていくよう、プログラミング的思考を学べるプログラムの開発が求められるだろう。
次に「マイナスをより小さなマイナスにする例」を2つご紹介します。
例1. 有能なアスリートでも、ケガによって選手としての将来が閉ざされてしまうことが珍しくない。そこで、スポーツ医学の研究を進め、それを知識のある専門トレーナーが普及させていくことが必要だ。
例2. 少子高齢化が加速する社会において、介護の負担が大きくなっている。AIの性能を高め、介護用ロボットの実用性を向上させ、一般庶民にも手の届きやすい価格で普及させることで、介護負担の軽減につながるだろう。
総合型選抜で合格する小論文の”型(テンプレート)”とは
それでは、総合型選抜で合格する小論文の型(テンプレート)を具体的に紹介します。前半:具体的な改善点を挙げる
●●という分野には、▲▲という課題がある。
たとえば、~という状況などが挙げられる。
それは、~ということが原因(背景)として考えられる。
▲▲という課題をこのままにしておくと、状況はもっとひどくなり、××となってしまうだろう。
逆に▲▲という課題を解決することができれば、●●という分野には、◎◎という発展がある。
後半:具体的な解決策を挙げる
●●という分野の▲▲という課題を解決するために、私は■■をしたい。
たとえば、■■は~にすることだ。
それによって、▲▲という課題を~にすることができるからだ。
さらに、●●という分野を◎◎という発展につなげることもできるだろう。
後半:締め
しかしながら、今の私には■■をするための経験と知識、技術が足りない。
そこで、私は~大学・~学部で、●●について研究し、将来▲▲という課題を解決して、◎◎の発展に貢献したい。
以上は、あくまで一般的な型(テンプレート)です。与えられたテーマや、志望する大学・学部の分野によって表現をアレンジする必要はあります。ただ、基本的には型(テンプレート)の●●や▲▲を埋めていく「作業」を進めれば、総合型選抜で合格につながる小論文が完成します。「作業」なので、センスも工夫もいりません。
必要なのは、これから総合型選抜までの期間に、将来進みたい分野に関する知識をつけることです。知識がないと、いくら型を示されていても▲▲や■■を埋めることができません。
でも、将来進みたい分野は、あなたが興味のある分野であるはずです。自分が興味のある分野であれば、それは学ぶというよりも、もはや「趣味」です。趣味を追求すれば、あとはそこで得た知識を型(テンプレート)に当てはめる作業ができるよう、技術的なトレーニングをするだけです。
総合型選抜小論文で高得点を取って入試に合格できるよう、応援しております!
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