亀山早苗の恋愛コラム

夫が不倫、息子も不倫…家族の「女性への感覚」に悩まされる女性たち

歌舞伎役者の中村橋之助(25歳)に熱愛報道。「女遊びは芸の肥やし」などはもう古いと一喝されるが、役者は情が深くて色恋の世界に迷い込みやすいのではないだろうか。とはいえ、一般社会で、こういうことを笑って許す妻はそうはいない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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夫や息子の「女性への感覚」に悩まされる女性たち

夫の不倫

歌舞伎役者の中村橋之助(25歳)に熱愛報道が飛び出した。舞台で共演している女優と、彼女の自宅で4連泊したというのだ。これだけなら若い俳優同士の恋愛ですんだかもしれないが、彼には昨年初め、祇園のナンバーワン元芸妓と「結婚へ」という報道があったので、いきなり「二股疑惑」へと話は展開した。

橋之助の父親は八代目中村芝翫、母はタレントの三田寛子。4年前と今年の初め、二度にわたって不倫が報道された芝翫の息子が二股疑惑となっている今、「三田寛子さんがかわいそう」という女性たちの声が熱い。

歌舞伎ファンの多くは、「そんな目くじらを立てなくても」と苦笑しながら見守っているとは思う。そう言うと、よく「女遊びは芸の肥やし」などはもう古いと一喝されるのだが、そういう意味ではなく、役者は情が深くて色恋の世界に迷い込みやすいのではないだろうか。歌舞伎役者の妻たちは、夫のマネージャーであり、その一門の女将さんでもある。ご贔屓筋のことも頭に入れておかなければいけないし、しっかりしていないと務まらない役どころ。夫が歌舞伎だけに専念できるように気を配っているのだ。いきおい、夫は妻に甘えがち。何をしても許してくれるだろうと考えやすい環境だ。

女性ファンも多いし、知り合う機会も多いだろう。さまざまな人間を演じ、中には立役(男役)と女形、両方を演じる役者もいる。「人間」への興味や関心も、一般人よりずっと深いだろうと思われる。

だからといって不倫をしていい、二股をしていいということにはならないが、恋愛しやすい環境であること、恋する気持ちにブレーキをかける動機がないということは可能性としてあり得る。

そして、正直言うと、恋する役者たちの演技はおもしろい。昨年、2020年11月に亡くなった坂田藤十郎さんが、70歳のとき19歳の舞妓と密会していたという2002年の報道が思い出される。彼は自分が泊まっているホテルの部屋から彼女が帰るとき、呼び止めてドアの前でバスローブを開いたところを写真誌に撮られてしまった。それを受けた、当時、国交省大臣だった妻の扇千景さんの「女性にモテない男なんてつまらない」というコメントは、「これぞ歌舞伎役者の妻」と言われたものだった。藤十郎さんが最後まで色っぽく艶やかだったのは、「モテたから」とは無縁ではないだろう。

とはいえ、もちろん一般社会で、こういうことを笑って許す妻はそうはいない。

 

夫は不倫、息子も不倫

夫と息子、ふたりして「不倫」にはまり、怒りより前に当惑していると言うのは、マサミさん(50歳)だ。同い年の夫が、社内の後輩女性とダブル不倫しているのがわかったのは3年前。

「相手の夫にもバレて、何度か4者会談をしました。うちの夫は自分の尻ぬぐいもできない。結局、私がふたりに一筆書かせて別れさせました。相手の夫とも話し合って、彼女は会社を辞めることに。仕事を奪うことには躊躇があったんですが、『毎日顔を合わせていたら、また関係ができてしまう』と彼女の夫が言うので、それなら辞めてもらうしかないということになって。私たちが話しているとき、夫と彼女はずっと黙ったままでした」

その後、夫は妻に頭が上がらなくなっているようだが、ひとまず離婚は回避したとマサミさんは言う。

「離婚したくなかったというより、私が離婚したら夫は自由になる。それが癪だったんですよ」

その後、家庭は落ち着いたかに見えたが、昨年、21歳の大学生の息子が家庭教師先の奥さんと関係をもっていることがわかった。

「誘惑されて関係を持って、その家のご主人にバレてしまった。息子はマズいと思いながらも誘惑を断れなかったようです。ご主人から連絡をもらって、しかたがないから私が話し合いに応じました。もちろん、息子には詳しく話を聞いてから。夫は何も言える立場にはありませんから。まったく、親が親なら子どもも子どもよねと夫に皮肉を言うと、夫は『ごめん』としょげていましたけどね」

結局、半年がかりで相手の夫と話し合い、女性からも詳細を聞いて、最終的には怒りまくっていた夫も「うちの妻もいけなかった」と言ってくれた。

「彼女は、うちの息子より20歳も年上ですから。若い男の子を手玉にとったと思われてもしかたないですよねと私は言いました。いや、もちろんうちの息子も悪いんですよ、と謝ったあとですけど。もう、なんで夫と息子の下半身の緩さを私がカバーしなければいけないのかと腹が立って」

彼女は自営業で、経営者でもある。何があってもめげずに自分の道を歩いてきた「しっかり者」なのだ。しっかり者の妻や母は、ひょっとしたら身近な男性を思いがけずに甘やかしてしまうのかもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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