洗濯機のドラム式と縦型の違いとは?
洗濯機のドラム式と縦型の大きな違いは、洗浄方式と乾燥方式になります。
画像は東芝ライフスタイルの洗濯機「ZABOON(ザブーン)」シリーズより、全自動洗濯機(左)とドラム式洗濯乾燥機(右)
【ドラム式洗濯乾燥機】
ドラム式の洗浄方法は、ドラムを回転させて衣類を持ち上げ、落下させて洗う「たたき洗い」。昔の人が川で洗濯していたころ、洗濯物を岩などにたたきつけたり、棒でたたいていたという話を聞いたことがあるかもしれませんが、それに近い方式です。
縦型に比べて少量の水で洗えるため節水効果が高く、洗剤もしっかり衣類に浸透するので皮脂汚れを落とすのが得意。一方で少量の水で洗うことから洗濯物の汚れ移りが発生する場合もあります。
特に注目したいのが乾燥性能。ドラム式は大きなドラム内に衣類を舞い上げながら乾燥させるため、ふわっとした仕上がりになります。主な乾燥方式は、ヒートポンプ式(一部ヒートリサイクル)とヒーター式ですが、最近の主流はヒートポンプ式。低温で乾燥させるので衣類の傷みが少ないうえ、電気代を低く抑えられるメリットがあります。
【縦型洗濯乾燥機】
縦型の洗浄方式は、洗濯機の底のパルセーターを回転させて水流を起こし、衣類同士や洗濯槽にこすりつけることで汚れを落とす「もみ洗い」。こちらは洗濯板に衣類をこすりつけたり、たらいに入れた衣類を手や足でもみ洗いする様子に近いかもしれません。
大量の水の中を泳がせるので繊維の間に入り込んだ汚れや汗を落としやすく、泥汚れや食べこぼしをきれいにするのが得意ですが、洗濯物をかくはんするため衣類が絡まりやすく、伸びたりよれたりする心配もあります。
乾燥方式は主にヒーター式で、ヒートポンプ式に比べて電気代がかかります。またドラム式のように衣類を舞い上げられないので、シワも多くなりがち。本体価格はドラム式に比べると抑えられます。
汚れものが多いなら縦型、乾燥にこだわるならドラム式
以上のようにドラム式と縦型は見た目だけでなく、洗浄方式から乾燥方式まで異なります。洗濯機を選ぶ際はそれぞれの特徴を踏まえたうえで、「洗濯乾燥機に期待する」優先順位を考えてみるといいと思います。
●ドラム式はこんな家庭におススメ
・共働きで洗濯物を干す時間がない。毎回洗濯から乾燥まで一気に済ませたい
・泥汚れは少なく、どちらかというと皮脂汚れが気になる
●縦型洗濯乾燥機はこんな家庭におススメ
・洗濯物は基本的には自分で干しているので、必要なときだけ乾燥を使いたい
・小さいお子さんや運動部のお子さんがいて泥汚れが多い
・本体の価格を抑えたい
ただし最近は、ドラム式でも独自の工夫で洗浄力を上げているもの、縦型でも水流を工夫することで節水効果が高いものなど、それぞれのデメリットを解消する機能を搭載しているものも増えています。「本当はドラム式がよかったけど、汚れ落ちが……」と諦める前に、各メーカーの機能をチェックしてみてください。
各メーカーのドラム式洗濯乾燥機の特徴をご紹介!
ここからは、大手洗濯機メーカー4社のドラム式洗濯乾燥機の特徴を簡単にご紹介しましょう。
●気になる汚れ移りは2度洗いで解消! パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機
温水専用ヒーターで洗剤液を直接温め、お湯の温度をキープして洗うことで洗浄力を高める「温水泡洗W」が特徴。「液体洗剤・柔軟剤自動投入」機能で洗剤を自動投入し、一度予洗いした後、排水して洗剤を再投入して本洗いする「2度洗いモード」を使えば、ドラム式特有の汚れ移りも防げます。
製品ページ
https://panasonic.jp/wash/products/na_vx900b.html
●アイロンがけなしで着られる仕上がり! 日立 ヒートリサイクル風アイロン ビッグドラム
日立のドラムは乾燥が得意。大容積のビッグドラム内で衣類を大きく舞い上げ、時速約300kmの高速風を吹きかけて、シワを伸ばすので、アイロンなしでも着られる仕上がりになります。乾いた衣類のシワやニオイを取ってくれる「スチームアイロン」コースが好評。高濃度洗剤液を温風で温めて洗剤の酵素パワーを引き出し、大流量で洗う「温水ナイアガラ洗浄」が洗浄力を高めます。
製品ページ
https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/lineup/bd-nx120f/
●ウルトラファインバブルで汚れスッキリ! 東芝 ドラム式洗濯乾燥機 ZABOON
ナノサイズの泡「ウルトラファインバブル」が洗剤の洗浄成分(界面活性剤)の効果を高め、繊維の奥の汚れまでしっかり落とします。気になる黄ばみや汗・部屋干し臭もすっきり解消! 温水機能を活用すれば、より効果的に汚れを落とせます。
製品ページ
https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/living/laundries/tw_127x9/
●ガンコな泥汚れもしっかり落とす! シャープ ドラム式洗濯乾燥機
微細な水滴にしたシャワーを高圧噴射する「マイクロ高圧洗浄」で、衣類を傷めず汚れを弾き飛ばします。さらに温風で衣類の温度を35℃前後に温めることで、ガンコな泥汚れもしっかり洗浄。汚れがひどい衣類には、あらかじめマイクロ高圧洗浄で約5分予洗いする「サッと予洗いコース」を使って汚れを落としてから洗濯すると、汚れ移りも抑えられます。
製品ページ
https://jp.sharp/sentaku/products/esw112/
【今さら聞けない家電の疑問バックナンバー】
・「炊飯器の内釜で米を洗っていい?」に家電のプロが回答! 炊飯器6大メーカーの説明書ではどう書いてある?