食と健康

鶏胸肉の栄養・カロリー・柔らかく仕上げる調理のコツ

【管理栄養士が解説】鶏胸肉は鶏ももや手羽などの他の部位と比べても脂肪分が少なくヘルシーで経済的な部位。サラダチキンにも使われ、スポーツをする人やダイエット中の人にも人気です。鶏胸肉の栄養素、食べ過ぎの注意点、パサパサを防ぎ柔らかく仕上がる調理法のコツなどをご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

サラダチキンでもおなじみの「鶏胸肉」

鶏胸肉の栄養と特徴、調理法

とても身近な食材の鶏胸肉

鶏肉は部位によって、形も、美味しい調理法も大きく違うことが特徴です。なかでも比較的脂肪が少ない鶏胸肉には、うま味が凝縮されたような味わいがあります。コンビニエンスストアなどでも手軽に買える「サラダチキン」は鶏胸肉を使用しているものが多く、日ごろあまり料理をしない方にとっても非常に身近な食材のひとつと言えるでしょう。
 

鶏胸肉の栄養・効能・カロリー……他部位との違い・特徴

鶏胸肉は、脂肪分が少なくあっさりした味が人気の部位です。脂肪分と皮は100gあたり9%。鶏もも肉の脂肪分は21.2%ですので、いかに鶏胸肉の脂肪分が少ないか分かると思います。脂肪分が少ない分は、たんぱく質が多く、鶏もも肉が16.6gに対して、鶏胸肉は皮つきで21.3g、皮なしなら23.3gです。

ちなみに、たんぱく質の宝庫として知られる鶏ささみは23.9gですので、ささみと比べてもそん色のないたんぱく質含量と言えます。にもかかわらず、スーパーでは、鶏もも肉や鶏ささみ肉よりも鶏胸肉のほうが安価であることも多いので、家計にも優しい部位だと言えるでしょう。
 

鶏胸肉は「皮あり」「皮なし」のどちらを選ぶべき? 

皮があればその分エネルギーや脂質が上がりますが、もともと鶏胸肉は皮の比率が低いです。昨今言われている「SDGs」などを考えると、廃棄量を少なくできるよう皮ありで食べてもいいのではないかと思います。ただし、皮は若干、硬いので、歯が悪い人には皮なしまたは、皮を取って食べていただくとよいのではないかと思います。
 

鶏胸肉の食べ過ぎのデメリット・注意点……腎臓の治療を受けている方は注意

安価で身近な食材である鶏胸肉ですが、健康な方の場合は少々食べすぎても大きな問題はありません。注意が必要なのは腎臓の治療を受けている方です。鶏胸肉には「たんぱく質」が多いので、腎臓に負担がかかっている人が食べた場合、さらに腎臓への負担が高くなってしまう可能性があります。治療を受けている方は、医師や管理栄養士の指示に従って食べるようにしてください。
 

鶏胸肉を美味しく食べるための調理のコツ・おすすめの食べ方

鶏胸肉の栄養的な特徴を活かせるのは、サラダチキンのように調味液で茹でるだけのような調理方が筆頭に挙げられますが、炒め物、煮物、唐揚げなど、どんな料理に用いても美味しくなります。骨も少なく、煮ても焼いても手軽に調理できるので、さまざまな料理で美味しく召し上がってください。

ただし脂肪分が少ない分、パサパサになりやすく、他の部位よりも少し固めです。調理をする際には
  • 下ごしらえの際に、筋切りをして繊維を切っておく
  • 加熱しすぎない
  • 砂糖や塩こうじなど繊維を柔らかくする調味料などで下処理をする
といった点に気を配るとよいでしょう。肉を柔らかくしておくと、よりふっくらと美味しく仕上がると思います。このひと手間で安価な鶏胸肉がおいしいおかずになりますよ!
 

スポーツをする人やダイエット中の人も上手に取り入れて

鶏胸肉は脂質含量が低い分、たんぱく質量が多いので、スポーツをする人やダイエット(体重減少)を希望している人にも向いています。安価で手に入る優秀な食材ですので、上手に食卓に取り入れていただくとよいと思います。
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