コロナ禍での一斉休校をきっかけに、子どものネット利用時間が長くなっています。休校中の生活で夜型の生活になった結果、学校が再開してからも生活リズムが戻っていない子どもも多いようです。

子どもたちは突然の休校、修学旅行や大会、部活などの中止、日常的なさまざまな制限、友だちとも気軽に遊べない生活によって大きなストレスを受けている状況です。不安と不満を抱え、感情の行きどころがなく鬱屈している子は少なくありません。コロナ禍でストレスを感じ、インターネットで過ごす時間が長くなった結果、ネットいじめも増加傾向にあります。

子どもがネットいじめにあわないために、またもしもあってしまった場合、親はどのようなことができるのでしょうか。親が子どもに教えたい安全なネット利用の方法を、元小学校教員でITジャーナリストの高橋 暁子が解説します。
もしも自分の子どもがネットいじめにあってしまったら

もしも自分の子どもがネットいじめにあってしまったら

 

コロナでいじめ増加、「コロナが治っても遊びたくない」22%

そもそも、新型コロナウイルスの影響で、いじめ全般が増加傾向にあります。

国立成育医療研究センターは、これまでに4回、新型コロナウイルスの子どもへの影響を調べる「コロナ×こどもアンケート」を行っています。小中高校生や保護者を対象とした最新の「コロナ×こどもアンケート第4回調査報告書」(2021年2月)を見てみましょう。

コロナ×こどもアンケート 第4回調査 報告書(2021年2月)
コロナ×こどもアンケート調査報告一覧(国立成育医療研究センター)

「あなたの周りでコロナに関連したいじめやトラブルはありますか」という質問に対して、「自分がいじめられている」は1%、「いじめられている人がいる」は3%、「いじめではないが、友だちとの関係に(自分が)悩んでいる」は7%、「いじめではないが、友だちとの関係に悩んでる人がいる」は5%いました。

子どもからも、「コロナになったらいじめられないかな」「コロナになっていじめや差別されている人がいる」という声が上がっています。子どもたちの間で、新型コロナウイルスに関するいじめは目の前にあるものであり、決して他人事ではないのです。

また、「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」が「かなりあてはまる」「まああてはまる」「少しだけあてはまる」の割合は63%に。「コロナになった人は、なるようなことをしたのだと思う」は56%、「コロナになった人は、コロナがなおっても、一緒に遊びたくない」も22%いました。

大人の中でも感染者に対する差別意識があったり、感染したことを糾弾したりする人は少なくありません。このような大人の認識に影響を受けて、子どもも感染者に対して差別意識や嫌悪感を持ち、それがいじめにつながってしまっている面があります。
 

ネットいじめは過去最多、小中学生で急増

いじめ自体が増えることで、ネットいじめも増加傾向にあります。

内閣府の調査によると、令和元年度の小中高校生のインターネット利用率は93%に達しています。小学生の約42%、中学生の約75%、高校生の約90%がインターネットをコミュニケーション手段として使っており、直接顔を合わせないSNSでのコミュニケーションはトラブルに繋がりやすいことが指摘されています。

文部科学省の「令和元年 度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上 の諸課題に関する調査」(2020年10月)によると、パソコンや携帯電話等で誹謗中傷や嫌なことをされるいわゆる「ネットいじめ」の認知件数は、前年度比1590件増の17924件と過去最多となりました。ネットいじめに関しては中学校が8629件で最多であり、小学校も前年度から約1千件の大幅増となっています。

令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(文部科学省初等中等教育局児童生徒課)

LINEのように検索ができず、外部から気づきづらい場でのいじめは多くあります。LINEは外から気づきづらいだけでなく、グループなどで嫌な写真などを共有されてしまい、集団いじめにつながるリスクもあります。TwitterやInstagram、TikTokなどの匿名アカウントで不快な動画やコメントなどを投稿されたり、成りすましなどをされたりするいじめも起きています。
 

味方になること、相談機関の存在も伝えよう

ネットいじめに対して親ができることは

ネットいじめに対して親ができることは

LINEなどのやり取りは外部から気づきづらいため、LINEで子どもとつながり、タイムライン投稿などを見られるようにしておきましょう。普段からやり取りする相手や、人間関係などがある程度つかめるでしょう。中高生などの場合は、TwitterやInstagram、TikTokなどのアカウントを探して、時には正体を隠してフォローしておくことも変化に気づきやすくなりおすすめです。

子どもは文章力や読解力も高くないため、文章のみでSNSでやり取りすることはそもそも難易度が高い行為です。そこで、SNSを本格的に使い始める前に、LINEなどを使って家族内でやり取りの練習をさせ、問題なく使えるようになってから友だちなどとのやり取りをさせるようにするといいでしょう。また、TwitterやInstagram、TikTokなどの不特定多数が見る場にいきなり投稿すると思わぬ被害に巻き込まれることもあるので、アプリごとの対象年齢になるまでは利用させないのもいいでしょう。

既に述べた通り、ネットいじめは外から気づきづらいもので行われる場合も多くあります。普段から子どもの様子を見守り、ネットやSNSの利用状況について話題にしておくことが大切です。そして、何か困ったことがあったら相談される関係性を大切にしておきたいところです。

保護者には相談しづらい場合でも、SNSであれば相談などもしやすいと考える子どもは多くいます。無料でSNS相談を受け付けているアカウントを友だち追加させておいたり、チャイルドラインや子どものSOSの相談窓口などの相談機関の存在を伝えておくと安心です。

SNS相談等を行っている団体一覧(厚生労働省)
電話相談窓口一覧(厚生労働省)

ネットいじめで一番怖いことは、子どもが精神的に追い詰められてしまうことです。追い詰められた挙げ句、自殺につながってしまう事例もあります。そのようなことがないよう、周囲の大人は、子どものストレスや悩み、不安や心配を受け止めてあげることが必要です。そして、いざというときは必ず味方になること、子どもが自分にとって大切な存在であることをメッセージとして強く伝えておいてください。
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