より使いやすいベクター+ラスターグラフィックツール
Expressionは、ガイドも以前のバージョンより愛用しているソフトです。ちょっと変わった、といいますか、マニアックな仕様となっていて、初期の頃はペイントソフトのPainterとイラストレーションソフトのIllustratorを足したようなイメージのソフトでしたが、前バージョンでは写真などのラスターデータも扱える高機能なソフトになっていました。
Expressionは、元々から筆で描く様な感じでベクターデータを作成できますので、直感的にグラフィックを作成し、絵心がある方でしたら、それこそ思い描くようにCGの作成ができました。Expressionは、データがベクターデータで作成されることから、何度も編集したり、後からの加工などを考えると、応用が利くソフトだったのです。
こういった元来のExpressionの特徴に加え、昨今のデジカメの普及や、クリエイティブワークの現場の実情に合わせて、デジカメデータなども簡単に取り込み、ベクターデータ、ラスター(ビットマップ)データの差を意識することなくグラフィックデザインができるなど、今回さらに進化したのが、このExpression Graphic Designerになります。
Expression Graphic Designer(CTP)の起動画面と編集画面 |
新しいユーザーインターフェース「XAML」を実装
「売り」の機能は、「ブラシ」をベクターデータで作成できることや、事細かな設定項目など、さらにブラッシュアップされています。Office製品に画像を渡すときなど、「ああ、マイクロソフトの製品になったんだなぁ」と実感します。
今回のExpressionシリーズは、「XAML(ザムル)」と呼ばれるマイクロソフトが発表した新しいユーザーインターフェース機能を実装しています。XAMLは、「eXtensible Application Markup Language」の略で、よりユーザーフレンドリーな環境を提供するオープンな仕様となっていますから、他社製品でもサポートされることがあるかもしれません。
ExpressionでXAMLに書き出してブラウザで表示 |
こうしたグラフィックソフトとしての機能も十分なのですが、Graphic Designerの力が存分に発揮されるのは、他のExpression製品であるInteractive DesignerやWeb Designerと連携してこそでしょう。