寒さが身にしみる季節になりました。冷え性の人には悩ましい季節ですね。特に手足の冷えに困っているという方も多いのではないでしょうか。そこで温泉ソムリエである渡部郁子が、自宅でできる「より体を温めるとっておきの入浴法」をご紹介します!
自宅でより体を温めるとっておきの入浴法
そもそも「冷え性・冷え症」とは?
冷える原因となるような病気はないものの、手足が冷えたり体全体がゾクゾクするなど、冷えやすい体質であることを「冷え性」といいます。一方、東洋医学の「冷え症」は深部体温が低くなることから身体にさまざまな不調が現われる症状のことで、治療が必要な状態であるとされています。
温泉ソムリエおすすめ!体をより温める入浴法
冷え性の改善に入浴は効果的であるといわれていますが、適切な入浴法でなければ逆効果になる可能性もあります。あつい湯ではなく、ぬるい湯でゆっくり入ることもその一つ。まずは温泉ソムリエが推奨する入浴法の一部と、お風呂時間をより快適にしてくれる入浴テクをご紹介します! 尚、入浴には発汗作用があるため、入浴前と後に、コップ1杯の水を飲むようにしましょう。特に入浴前の水分補給を忘れると、「ドロドロ血」になり血行不良につながるので要注意。体調に十分に配慮しながら入浴してください。
肩まで浸かる全身浴
肩まで浸かる一般的な入浴法です。ただし水圧により心臓に負担をかけること、のぼぜやすくなることに注意が必要です。体を芯から温めるには、40℃前後のぬるめの湯で10分~15分程度、ゆっくりと浸かりましょう。
体の一部のみを湯につける「部分浴」。中でも、全身浴よりも気軽に行うことができるのが「手浴」や「足浴」です。「手浴」はてのひらと前腕を湯に浸す方法が一般的、「足浴」の場合は、ひざ下までを湯に浸して温めます。手浴、足浴により血行がよくなり、体全体が温まります。冷え性の改善にも効果的です。
足湯でも体全体が温まります
全身での温冷交互浴は心臓への負担が大きいので、「足浴」や「手浴」での温冷交互浴がおすすめです。温冷刺激により末梢血管を広げ、血行が良くなります。また、運動後の疲労回復にも効果的です。
入浴時間を短くし、入浴と休憩を繰り返す入浴法です。入浴による水圧で、全身浴では心臓への負担が大きくなりますが、分割浴なら短めの入浴を繰り返すことにより、心臓への負担を減らすことができます。入浴と休憩を交互に繰り返すことで、のぼせ防止にもつながります。
より体を温めてくれるとっておきの入浴テク!
温泉には体を温める泉質があります。よく温まる泉質は「塩化物泉」、冷え性に効果があるとされる泉質は「含鉄泉」です。これらの泉質を模した入浴剤を使用することで、より温まる効果を得ることができます。塩化物泉の入浴剤のほか、塩そのものを浴槽に溶かす、またはオリジナルのバスボムやバスソルトを試してみることもおすすめします。ただし、入浴剤などを使用する際は給湯器の使用上の注意に従ってください。
昔から、冬至には「柚子湯」を楽しむ伝統的な習慣があります。柚子湯に入ると風邪をひかないといわれるように、実際に柚子湯には保温効果があることが知られています。香りにリラックス効果もあるという柚子を浮かべて、寒い日はゆっくり体を温めてみてはいかがでしょうか。
冬は柚子湯やりんご湯を楽しもう
また、柚子湯と同様、冬は「りんご湯」も人気があります。季節の果実で入手しやすく、風呂に浮かべると香りがよくリラックス効果が得られます。ゆっくり入浴を楽しむアイテムとして楽しめます。
より入浴効果が持続する2つのポイント
入浴で得られた効果をより持続させるためのポイントを2つご紹介します。
入浴により体が温まったところで、ストレッチや軽い体操で体の凝りをほぐしておきましょう。入浴で血行がよくなっても、体に凝りなどが残っていればまたすぐに血行は滞ります。日頃から凝りをほぐし血液の循環をよくすることが冷えの改善につながります。
冷え性の原因の一つに、血液中の酸素不足が挙げられます。胸式呼吸から腹式呼吸に切り替えて、血液中の酸素濃度を高めましょう。
自宅のお風呂で、体がより温まる入浴法というテーマでお伝えしてきました。これから一層寒さが厳しくなる時期を迎えます。適切な入浴法で冷えを改善し、どうぞ心も体も温かくお過ごしください。