亀山早苗の恋愛コラム

もう、夫はいらない…? シングルマザーを選択する女性が増えている

タレントの最上もがさん(31歳)が、妊娠を発表、あわせて「結婚の予定はない」とコメントを出した。選択的シングルマザーの道を進む女性は増えている。女性が自らの生き方を「選択」している時代がやってきているのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

  • Comment Page Icon

シングルマザーを選択する女性たち

シンママ

タレントの最上もがさん(31歳)が、妊娠を発表、あわせて「結婚の予定はない」とコメントを出した。1985年、女優・沢田亜矢子さんが「未婚の母」になったときは、世の中が大騒ぎしたものだが、2013年にフィギュアスケートの安藤美姫さんが、そして昨今では浜崎あゆみさんや華原朋美さんなど、選択的シングルマザーの道を進む女性は増えている。

ただ、実際には父親の立場の男性が認知する場合もあるし、婚姻届は出さず、一緒に生活しているケースもある。一方で、「夫はいらない」とばかりに男性と別れてしまう人も。いずれにしても、女性が自らの生き方を「選択」している時代がやってきているのかもしれない。

 

最初から婚姻届を出すつもりはなかった

34歳のときに、4年つきあっていた彼との子を妊娠したミワさん(37歳)。

「子どもができたのはうれしかったんですが、なぜか全然、結婚する気はなかったんです(笑)」

彼のことは好きだし、これからも恋人関係を続けていきたいとは思っていた。だが、結婚はピンとこなかった。

ミワさんは、両親の不仲を見て育った。罵りあう声、父が母を殴る音、母が手当たり次第にものを投げつけ、泣きわめく声。いつも布団の中で震えていた。自分がいなければ、このふたりは好きなように生きられるのではないかと思い、「消えてしまいたい」と幼心に思っていたという。

「だからどこか人間不信なところがあって、恋愛もうまくいかなかった。最初は、今の彼とつきあうことも躊躇していたんです。でも彼は忍耐強い人で、人を信頼することを教えてくれた。それは感謝しています。だけどずっと同じ人と同じ空間にいると、息苦しくなってきちゃうんですよ」

だから近くに住んでつきあってきた。2年たって彼からプロポーズされたときも、結婚という枠に入るのがどうしてもためらわれた。

「一緒に住んだら、きっとお互いにイライラしてストレスがたまって関係が終わってしまう。そう思いました。だから妊娠しても私の気持ちは変わらないと、彼を説得したんです」

彼もその場では納得した。認知はする、協力して子どもを育てていこうということになった。

「妊娠6ヶ月のとき、たまたま私が住んでいるマンションの1Kタイプが空いたんです。彼はそこに越してきました」

これで万全、と彼女は思った。

現在、生まれた娘は2歳半となった。彼は娘を認知し、ふたりは相変わらず別居状態で暮らしている。

「連絡は密にとっています。私はフルタイムですが、彼はシフト制の仕事なので、スマホを使ってお互いのスケジュールをなるべく把握するようにして。それでも何もかも知られてしまうのもいやなので(笑)、子どものめんどうを見てくれる人は数人、確保しています」

ふだん、彼がミワさんのところに泊まることはめったにない。だが週末などでふたりの休日が合えば、前夜から彼は泊まりにくる。恋人同士の感覚を保ちながら、家族としての側面も重視する。それがミワさんの精神衛生上、いちばんいいのだそうだ。

 

彼とは別れてしまったけれど

妊娠がわかってから彼と別れたというのは、サチコさん(42歳)だ。30代半ばで短期間つきあった人との間に子どもができた。

「彼はまったく結婚する気のない人でした。それがわかっていたから、私は彼に別れを告げました。おそらく彼は私が身ごもっていたのをわかっていたはず。だけどさっさと離れていった。彼を頼らなくてよかったと思った。たとえ結婚してもうまくいかなかったと感じるので」

ひとりで生むことに不安がなかったわけではない。しかもその後、ずっと育てていかなければならないのだから。

「子どもがほしかったんです。だからなんとしてでも育てていこうと覚悟はできていました。たまたま私は都内に母がひとりで暮らしていたので、いざとなれば母に手伝ってもらうこともできると考えていたんです。ちょっと甘かったけど……」

安定期に入ってから母に告げると、母は「そんなみっともない」と絶句した。その言葉にサチコさんのほうが絶句。もともとあまり折り合いのいい母娘ではなかったが、もう大人のつきあいができると思った自分が間違っていたと反省したという。

「母を頼らないと決め、役所やかかっている産婦人科に相談して不安を解消していきました。職場は案外理解があって、何か問題視されるようなことはなかったですね。家族用の社宅も確保できたので助かりました。ある同僚の妹さんが元保育士だからベビーシッターを引き受けてくれるという話もあって」

さまざまな人に相談し、いろいろな助けを借りながらがんばってきた。生まれた息子は来年、小学校に上がる。今ではまれにだが、母が息子を預かってくれることもある。

「夫という存在がいたら、どうしてもあてにしますよね。頼りたいのに頼れないからイライラする。それなら最初からいないほうが期待もしない分だけ気がラクだと思うんです。この先、息子がどう育ってどういう大人になるかわからないけど、私はこれからも周りの人たちの助けを借りながら、全力で愛していく」

時間的に経済的に、あまり余裕がなくても、サチコさんは精神的な余裕だけはあるからと笑顔を見せた。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます