今さらですか? 夫婦の価値観や生活習慣の違いが離婚の原因に
夫婦の価値観や生活習慣の違い
元々は他人同士の二人が生活を共にするのが結婚だと考えると、それぞれの価値観や習慣にギャップがあるのは当たり前。小さな喧嘩や妥協、あきらめを重ねて徐々にそのギャップは埋まっていくのが普通です。そのギャップが、許せなくなり離婚にまで発展する。そんなケースもあります。ニューノーマルな生活様式の価値観がずれていたら……。
風花さん(29歳・仮名)は結婚3年目にして2020年秋に離婚。「一種の“コロナ離婚”ですね。コロナが無かったら、不満は持ちつつも離婚までには至らなかったかも」
ズレていたのは衛生観念だけではなかった……
風花さんによれば、離婚の原因は夫との生活習慣の違いでした。
「とにかく彼は、衛生観念が低いというか、清潔に対する意識が低すぎるんです。以前から、食事前に手を洗わなかったり、寝る前に歯磨きをしなかったり。あるいは道路や地面に座ったジーンズでそのままソファーやベッドに寝転ぶとか、不潔だな、嫌だなと思うことは何度もありました。私も気になるたびに『ちゃんと手を洗って』とか『先に服を着替えて』とか注意をしていたのですが、なかなか本人の意識は変わらず、あきらめていたところもありました。でもコロナ禍でちょっと考え方を改めました」
今回のコロナ禍では接触感染、飛沫感染を避けるために、手洗いや衣類の洗濯、接触箇所の除菌が推奨されましたが、風花さんの夫は相変わらず衛生観念が低いまま。一方で高齢者介護施設に勤める風花さんは、特に厳重に感染予防をしなければいけない立場にあり、自分が職場にウイルスを持ち込むことがないように、毎日細心の注意を払っていたそうです。
「夫とは何度も話し合いの機会を持ち、自分たちの感染予防というだけではなく、私の仕事上でも厳重な感染症対策をする必要があると伝えたんですが、彼は一向に自分の生活習慣を変えようとはしませんでした。私一人で一生懸命家のドアノブ等彼が触れるところを消毒するなど、ウイルス対策をしていたのですが、たまりかねてある日、『ちょっとは私の仕事のことも考えてよ!』と怒鳴ったんです。そうしたら『自分が好きでやってる仕事でしょ? 何で俺が協力しないといけないの? そもそも俺が働いてくれって頼んだわけじゃないし』と言い返されて、これはもう終わった、と思いました」
風花さんが一生の仕事にしたいと思っていた介護の仕事に対して全く理解も感謝も敬意もない夫に、「一気に愛情が冷えました」という風花さん。小さな生活習慣の違いから始まったすれ違いですが、夫に感じた違和感は単に衛生観念の話だけではないと気づき、迷わず離婚に踏み切れたそうです。
赤ちゃんが生まれても自由な夫にストレスがたまる
友理奈さん(32歳・仮名)はこの春に生まれた第1子の子育てに奮闘中。夫も育児に協力的ではあるものの、生活習慣の違いにストレスをためていると語ります。「フリーランスのプログラマーである夫は、もともと自宅で仕事をするスタイル。以前から夜中に仕事をして私が朝起きるころに寝室に行くような、自由な生活時間の人でした。夫婦だけの頃はそれで全然かまいませんでしたし、私も日中は仕事に行っていましたから、ストレスもありませんでした」
その後友理奈さんが妊娠、産休、育休と家に居ながら子育てをするようになりましたが、夫の生活スタイルは全く変化がない。
「洗濯をやってくれるとか、頼めば赤ちゃんのお世話もやってくれるとか、彼なりに育児や家事に参加してくれるんですけど。生活スタイルは相変わらず夜中心で不規則。夜中のミルクが終わって、せっかく赤ちゃんが寝ついたとたんに、お風呂で彼が流しているヒップホップが大音響で聞こえてきて大泣き。また一から寝付かせなければいけないことも頻繁にあります。本来なら赤ちゃん中心の生活時間に合わせてほしいのに、彼は彼のままで、こちらに合わせてくれないんです」
夫と何度か話し合いをして、入浴時には音楽をかけないなど一部の譲歩は引き出したものの、根本的な生活時間の変更まではできていません。日々重なるストレスに、友理奈さんの気持ちも下がり気味なのだとか。
コロナが落ち着いたら、別れることも視野にいれているというセリフも飛び出しました。
過去に培ってきた価値観や無意識の行動やクセに基づく生活習慣は、注意するだけでは簡単に変わらないのが現実。
「クセがすごすぎる」ところが昔はチャームポイントに見えたとしても、結婚生活は毎日続きます。耐えられなくなる可能性もある。
相手の変化を求めるだけでなく、自分自身も柔軟性をもって、「嫌だと思う気持ち」を変えることができるかどうかが、離婚を回避するポイントになるでしょう。
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