あまり貯金がないのですが、大学費用までは親が負担したいと考えています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、少しずつ家計改善をして貯金ができるようになったものの、今後の子どもの学費や住宅購入のお金について相談をしたいという34歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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家計管理の甘さのため、貯金ができませんでした

家計管理の甘さのため、貯金ができませんでした



■相談者
kumamaさん
女性/派遣社員/34歳
関東/借家
 
■家族構成
夫(会社員/37歳)、第1子(11歳)、第2子(9歳)
 
■相談内容(原文ママ)
いつも拝見させていただいており、お陰様で少しずつ貯金ができる家計になってまいりましたが、この先を考えると不安が多く、ぜひ相談させていただきたく応募いたしました。現在の悩みとしては、今後の住宅購入と教育費についてです。主人が数年前に転職して収入が下がり、無職期間中にキャッシングの利用や貯金を切り崩したこと、また主人の浪費癖(今はお小遣いの範囲で趣味とお昼代を賄ってくれています)と、私の家計管理の甘さにより、今までずっとまとまった貯金ができずにここまできてしまいました。

私が去年よりパートから派遣社員として就職し、収入に余裕が出たことでようやく貯蓄にも目ざめ、半年前より貯金ができるようになってきました。しかしながら、もともとあまり貯金がないなか、大学費用までは親が負担したいと考えておりますが、若くして子どもを産んだこともあり、すでに子どもの進学までには時間がありません。さらに、現在の賃貸住宅が手狭になり、今よりも少し広いところに引っ越すとなると、周辺地域だと住宅ローンの支払いより家賃の方が高くなってしまいます。現在の貯金では、教育費にしても住宅購入の諸費用にしても全然足りず、何をどう優先して貯めていき、教育費は間に合うのか、住宅購入は可能なのか、もっと貯金を増やした方がよいのかなど、アドバイスいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
■家計収支データ
相談者「kumama」さんの家計収支データ

相談者「kumama」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)収入について
収入のうち、児童手当は、今まで貯められない時期もありましたが、貯金を始めてからは全額貯金。
 
(2)ボーナスの使い道
今夏のボーナスは、車の維持費(車検)のための先取り貯金10万円、家族の小遣い5万円、旅行・レジャー費5万円。
 
(3)貯蓄について
子ども2人それぞれの貯蓄をしています。そのほか車検や税金、アパートの更新などの積立をしています。現在はタンス預金として12万円です。
 
(4)家計収支について
家計収支の差額、6万円の内訳は、通勤費(妻)1万円、返済2万円(子どもたちの歯科矯正代で借りた60万円を両親へ返済中、完済予定2021年)、医療費(妻歯医者)5000円、NHK 1200円/月、子ども用貯蓄(児童手当)2万円、残りは積立に回したり、外食費や被服費として使うこともあり、月によってばらつきがあります。
 
(5)保険について
最近、妻が定期保険(期間10年、死亡時1000万円、月額保険料1000円)に加入。夫は以前、数カ月加入していた時期もありましたが、もともと保険嫌いのため、すぐに解約し、現在も加入しておりません。妻としては、子どもたちにお金がかかる間だけでも定期保険に加入してほしいと考えていますが、なかなか説得できずにおります。
 
(6)キャッシングの支払いについて
現在、借入は残額20万円で、完済予定は、2年後の予定。リボ払いにより、1万2000円の返済額のうち元金分は9000円。利息がもったいないのでまとめて返済したいと思っておりますが、借り入れ名義が主人となっていて、利息のもったいなさを承知しているようですが、一気にお金が減る方が嫌なようで、私の一存では返済方法を変えられないでおります。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 借金は一刻も早く完済し、必要な保険に加入する
アドバイス2 今の貯蓄ペースを確実に維持して教育費に充てる
アドバイス3 住宅購入は頭金ができてから。優先順位を間違わないこと
 

アドバイス1 借金は一刻も早く完済し、必要な保険に加入する

派遣社員として就職されたのは、本当に良かったです。家計や貯蓄への関心が高まったと自覚されていますから、これから頑張っていきましょう。ご主人とお金の価値観が違うのは仕方がありませんが、お子さんのために、ご夫婦でよく話し合ってください。
 
まず、残り20万円の借金ですが、一刻も早く全額返済してください。一時的にまとまったお金が出ていくことに不安を感じるのは理解できますが、新たなスタートを切るためにも、ネガティブな要素は排除してしまった方が、すっきりするはずです。なによりも、リボ払いの利息は、あまりにも高額です。どんな借金よりも金利が高いのです。こうした無駄は貯蓄するうえで、なくすべきです。
 
そのうえで、ご主人には、新たに生命保険に加入してもらい、万一の備えを確保してください。ご相談者さんは、現在の保険で大丈夫です。ご主人も同じ保険に加入してください。最低1000万円の保障を確保しなければ、貯蓄が十分でない今、何かあったときに、お子さんの教育費は、到底まかなえるものではありません。加えて、夫婦ともに、割安な医療共済に加入しておくと安心です。病気・ケガで入院となったときに、現在の貯蓄を取り崩すことになります。
 
必要な保障を最低限確保するのは、お子さんのためです。好き嫌いで保険に加入する、しないというものではありません。貯蓄が1000万円、2000万円となったら、保険は不要でしょう。それまでは確実に保障を確保してください。
 
おそらく、夫婦二人で、保険料は6000~7000円で済むと思います。借金返済で無駄な利息を払い続けるのではなく、有意義にお金を使ってください。
 

アドバイス2 今の貯蓄ペースを確実に維持して、教育費に充てる

いったん、現在の家計を整理できたら、今の貯蓄ペースを確実に維持してください。毎月12万円貯蓄できるようになったのは、立派です。年間144万円になり、ボーナスから20万円貯蓄できているようですから、合わせて164万円です。
 
第1子が高校に進学するまでの4年間で、約650万円増やすことができます。これで第1子は大学まで大丈夫でしょう。第2子が高校に進学する残り2年で、約290万円が加わり、現在の貯蓄額と合わせると、6年後には、都合1100万円程度の貯蓄ができていることになります。
 
一般的に、子どもの教育費は1人1000万円といわれます。お子さん2人を大学まで行かせたいのでしたら、可能なかぎり高校、大学とも国公立。難しいようであれば大学は私立(国立の場合も)で自宅から通える範囲にすること。不足する分は、返済義務のない給付型の奨学金を利用する、というようなことも念頭に置いておいてください。決して余裕があるわけではありませんが、お子さんの進路の選択を狭めないよう、しっかりと貯蓄を続けていってください。
 
なお、児童手当の受給はお子さんが15歳までです。なくなる分は、家計支出を再度見直して、対応するようにしてください。
 

アドバイス3 住宅購入は頭金ができてから。優先順位を間違わないこと

住宅購入に関しては、今のところは難しいと言わざるを得ません。子どもの教育費が優先です。大学までの費用の目途がたってから、頭金づくりがはじまります。
 
仮に、2000万円の住宅ローンを組むとすると(金利1.5%、30年返済、毎月返済のみ)、毎月の返済額は約7万円です。ただし、マンションであれば管理費や修繕積立金が上乗せになります。固定資産税も毎年かかってきます。これらの費用を考慮すると、毎月の住宅費は10万円近くなるでしょう。
 
確かに、今よりも広めの賃貸に引っ越すとしても、2万円程度は家賃が上がるでしょうし、敷金・礼金、引っ越し費用もかかります。それならば、住宅購入をという気持ちになるのもわかります。でも、いったん住宅ローンを借りてしまうと、何かあったときに、リカバリーがききません。頭金をしっかり貯め、余裕のある返済ができるようになってから、住宅購入は考えてほしいと思います。
 
子どもの教育費が6年後に1100万円。その後も毎年164万円の貯蓄を維持できれば、それから5年後には820万円貯めることができます。その時点でも、決して遅くはないのではありませんか? この間に、車の買い換え(ローンはNGです。現金で買える範囲で)など、まとまったお金が出ていく可能性もあります。あれもこれも同時になんとかしたいというのは、残念ながら無理があります。
 
単純に、年間164万円の貯蓄を、夫60歳までの23年間続けられたら、3772万円になります。これが夫婦二人で貯められる金額です。ここから、子どもの教育費、住宅購入の頭金、残ったお金が二人の老後資金となります。何にいくら使うのか、優先順位を間違えないようにしてください。
 
ある程度、貯蓄が貯まってきたら、再度、ご相談のお申し込みをしてください。待っていますね。
 

相談者「kumama」さんより寄せられた感想

この度はアドバイスをいただきまして、ありがとうございます。いつも拝見しており、今まで沢山の記事を参考に我が家も家計を見直してまいりましたが、先生から直接アドバイスをいただける日がくるとは夢のようです。貯蓄ができるようになった今、そして年齢的にも住宅購入などと色々考えが広がっておりましたが、優先順位を間違えないようにとのお言葉をいただき、まずは教育費を第一優先にという覚悟が決まりました。お金の使い道で意見が分かれることもありますが、夫婦共々、子どもの選択肢を狭めたくないという気持ちは常に一致しております。そのためにはまずは借金を完済、無駄な利息分を保険への加入に充てていきます。子どもたちのことを思えば主人も納得して行動してくれると思います。我が家の状況そして今の世の中の状況を考えても現時点で多額のローンを組むことには抵抗がありましたので、教えていただきました通り今は貯蓄に励んで、まずは教育費をクリアして、そこから頭金を貯めて、ひとつずつ目的のために進んでまいります。貯蓄が順調に進み、頭金が貯まった頃にまたご相談に乗っていただけますと幸いです。本当にこの度は貴重なアドバイスをありがとうございました。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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