経済的に恵まれる豊かさ、節約・質素倹約を表す漢字を使った名前
経済的な豊かさを表す漢字を使った名つけ
貝を含む字はお金と関係が深く、豊かさを表す
貝を含む字はほとんどがお金に関係の深い字です。このうち「財」は、名前よりも九州地方の名字によく見られる字です。また昔多かった「金」「富」の字は、最近はほとんど使われなくなり、もし使えばやや古風な名にはなります。
これらの字を使う人気の名前には、太賀(たいが)、崇資(たかし)、貴之(たかゆき)、大貴(だいき)、賢吾(けんご)、賢也(けんや)、賢斗(けんと)などがあります。
■たくさんの肉を表す漢字……多、宜
多、宜の字の成り立ちは、たくさんの肉にあります。「宜」は最近はほとんど使われず、宣と似ていて間違えやすい字ではあります。「多」も最近は少ないですが、例としては祥多(しょうた)、悠多(ゆうた)、多恵(たえ)、宇多(うた)などの名があります。
■容器が満たされること表す漢字……敦、真、吉、豊
これらの漢字は容器が満たされることを表します。たとえば、敦史(あつし)、真奈(まな)、真輔(しんすけ)、吉乃(よしの)、豊(ゆたか)など、かなりたくさんの名前が作れます。
■鹿の肉を得た喜びを表す漢字……慶
慶の字は、鹿の肉を得た喜びを表したものだという説があります。これから、慶太(けいた) 慶介(けいすけ)、慶吾(けいご)、 慶恵(よしえ)、慶貴(よしき)などの名前がつけられています。
■収穫を表す漢字……利、茂、稔、穣、繁、実、穂など
これらの漢字は収穫を表すものとして名づけに用いられます。とくに昭和30年代までは食糧難の時代を反映して、茂(しげる)、繁(しげる)、稔(みのる)、穣(みのる)、実(みのる)などの1字名前がよくつけられました。
最近でも、利奈(りな)、利穂(りほ)、利紗(りさ)、実華(みか)、実樹(みき)、美乃里(みのり)、志穂(しほ)など、やはり多くの名前が作られています。
質素倹約が美徳の時代、節約を表す漢字はよく名前につけられた
貧乏を表す漢字は当然、名前に使われない
貧乏であることを表す漢字は、ほかならぬ「貧」です。分(わかれること)と貝(お金)を合わせ、お金が分散してしまうことです。また「賤」は、貝(お金)と戔(セン=細かいこと)を合わせ、細かいコインを意味します。また物やお金が無くなることを表すのが失、亡、費などの字です。もちろんこれらの字が名前に使われることはまずありません。
ただし「稀」の字は、もとは穀物が少ないことを意味しますが、勇稀(ゆうき)、紗稀(さき)など、名前に使われることはあります。
■節約や質実剛健を表す漢字……節、剛、健など
また昔から質素倹約ということが美徳にはなっていましたので、節約の「節」の字はよく名前に使われました。節子(せつこ)という名が多かった時代もありますし、作家で歌人の長塚節(たかし)なども有名です。
また堅実な生活を表す一汁一菜や質実剛健という熟語をもとに、一菜(かずな)という女の子の名がつけられることもあります。
剛、健の字を入れた次のような名前も、人気があります。
剛(ごう・たけし・つよし)・ 剛志(たけし)・剛士(たけし)・剛司 (たけし)・剛史(たけし)・剛登(たけと)・剛人(たけと)・剛斗(たけと)・ 剛瑠(たける)・雄剛(ゆうごう)・剛貴(たけき)・剛輝(たけき)・剛紀(たけき)・健太(けんた)・健太郎(けんたろう)・健人(けんと)・健斗(けんと)・健(けん・たけし)・健介(けんすけ)・健吾(けんご)・健悟(けんご)・健也(けんや)・健志(たけし)・健司(たけし)・健史(たけし)
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