2/2 45歳、貯金750万円。がん治療後に時短勤務となり収入が月2万減ってしまいました [お金の悩みを解決！マネープランクリニック] All About

アドバイス1　現在の貯蓄ペースを維持できれば、心配はない

結論から言えば、現在の収入、貯蓄ペースを維持できれば、金銭的な心配はありません。順番に見ていきましょう。

みかんさんが60歳まで働くとして、あと15年あります。毎月3万円の貯蓄で年間36万円。15年で540万円貯めることができます。現在の貯蓄750万円と合わせて1290万円です。

このほか、毎月4万円、15年受け取れる個人年金があり、720万円になります。もうひとつ、年30万円、10年受け取れる個人年金が300万円。加えて、豪ドル建ての保険が100万円。

これらを合わせると、生涯での金融資産は2410万円。65歳以降は、公的年金の受給が開始されますので、生活費の不足分を2410万円から取り崩していくことになりますが、おそらく日々の生活費は公的年金のみで賄えるでしょう。

今後、家を相続することになれば、修繕やリフォームの費用がかかります。また、ご両親の介護にかかる費用は、基本的には親御さんの貯蓄からまかなってほしいのですが、一部負担するとしても、1000万円あれば、十分でしょう。

2410万円から1000万円を差し引いても、みかんさんの老後資金として1410万円は残ります。必要以上に心配することはないでしょう。

アドバイス2　将来的な生活費の目安は把握しておく

ただ、現在は、ご両親が食費や水道光熱費などの生活費を支払っていますから、将来的には、どの程度の支出になるかは、把握しておいたほうがいいでしょう。

食費3万円、水道光熱費が1万5000円、通信費が5000円、車両費の3000円、小遣い1万円、雑費1万5000円、固定資産税が月換算で5000円程度だとすると、毎月の支出は8万3000円。9万円としても、年間で108万円です。65歳からの公的年金は、今のところの見込み額が約58万円とのことですが、これから加入月数も増えますので、おそらく年額80万～90万円は受給できるでしょう。

年間での不足は10万～20万円程度で、老後資金が1410万円ありますから、心配はいらない、ということです。

ただ、ひとつ気がかりなのは、ご両親の年金額が月20万円あり、ほぼ使ってしまっていて、貯蓄の取り崩しもあるという点です。親御さん自身がどのように考えているかにもよりますが、ご自分たちの介護費用をみかんさんに頼るということがないよう、タイミングをみて、意向を確認しておくようにしたいですね。みかんさんも親御さんの介護を充実させたい、とのことですが、国や自治体の介護制度を利用し、過剰に負担することのないように気を付けてください。

アドバイス3　厚生年金加入を続け、健康的な働き方を

最後に、みかんさん自身の働き方ですが、現在の収入、貯蓄をキープできるのであれば、今の職場のままでもいいですし、転職にチャレンジしてもいいでしょう。ただし、転職する際には、必ず厚生年金に加入できる勤務先であることが条件です。将来の公的年金の受給額に影響しますので、その点は注意してください。

何よりも、みかんさんが健康でいられるかどうかが重要です。現在の職場にしろ、転職するにしろ、ストレスのかかる働き方はおすすめできません。病気を克服し、これまでしっかりやってこられたのです。ご両親の心配もわかりますが、自分を大切に、長く続けられる楽しみを見つけるようにしてください。もしも転職して給料が上がったら、その分は楽しみのために使ってもいいのではないでしょうか。

また、車については、運転に不安があるようなら手放す考えもあるでしょう。ただ、仕事に支障がないか、通院や生活に困らないか、タクシーを使うとしても、その頻度や料金など試算して、検討してみてはいかがでしょうか？金銭的な面よりも、車の運転がストレスになるようであれば、無理に乗り続けるのは避けた方がいいように思います。いずれにしても、今のペースを大事にして、生活をなさっていってください。

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教えてくれたのは……
深野康彦さん