映画

男と女が命をかけてでも守り抜きたかった秘密とは? 映画『愛を読むひと』

介護ジャーナリストの小山さんは、介護施設にて、さまざまな体験を経験した方のお話を聞く機会が多いそう。今回イチオシしてくれたのは、映画『愛を読むひと』。そのストーリーに、介護施設で接している方の人生をなぞらえたそうです。まだ観ていない人は要チェック!

小山 朝子

執筆者:小山 朝子

介護福祉士ガイド

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自らの運命と時代を背負って生きる女性を愛した男の究極の選択とは


介護施設に入所している高齢者の方々と話していると、さまざまな体験をされてきた方にお会いします。自らの障がいや戦争のことなど、私など想像が及びもつかないその内容に頷くことしかできません。

映画『愛を読むひと』の主人公でケイト・ウィンスレット演ずるハンナも、時代と自分の運命を背負って生きてきた女性です。

1ページの恋が、ネバーエンディングストーリーともいえる運命の愛へーーじっくりと鑑賞したい名作です。
 

 

 

自己愛と他者愛の狭間で

本作はベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」をアメリカ・ドイツの合作で映画化した作品です。

1958年のドイツ。15歳のマイケルは21歳も年上のハンナと恋に落ちます。やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていきますが、彼女は突然マイケルの前から姿を消します。その後、法学専攻の大学生になったマイケルはナチスの戦争犯罪者を裁く法廷でハンナと思わぬ再会し、ハンナの「秘密」を知ることになるのです。

「真実」を公で語るか、愛する女性の尊厳を守り抜くか、主人公のマイケルが選んだ決断とはーー。

主役を演じたケイト・ウィンスレットは本作でアカデミー主演女優賞を受賞。私が彼女の出演作を見たのは、あの『タイタニック』以来でしたので、円熟味を増したその演技に思わず声をあげたほど圧倒されました。青年期のマイケルを演じた新進俳優デビッド・クロスの存在も光っていました。

甘いラブストーリーだと思って見ると衝撃を受けるかもしれません。「まだ見ていない」という人にこそ、じっくり鑑賞してほしい作品です。
 

 


DATA
『愛を読むひと』

監督:スティーブン・ダルドリー
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デビッド・クロス
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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