「CGクリエイト職に有利な資格って無いの?」「CGの検定があると聞いたのだけど難しいの?」…といった、CGに関する資格について気になる方、結構多いのではないでしょうか。今回はそのようなCGを制作したり、表現するために必要な知識と技能を評価する検定について触れてみましょう。
どのような検定があるの?
コンピュータグラフィックスで表現する「デザイン」や、そのしくみとなりたちの「知識」、そしてデジタルコンテンツ作成のための「技術」を理解し、実践、発展させるための資格試験として、CG-ARTS協会が1991年から実施し、文部科学省認定の資格検定として人気のライセンスです。CG検定と呼ばれていましたが、現在は一新して、「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」「マルチメディア検定」と3つの検定に分かれて実施されています。これらの検定は、今のデジタル情報社会になくてはならない、「デジタルコンテンツ」を理解して制作し、さらに社会にさまざまな表現で発展させていくための、マルチメディア時代の流れにピッタリなスキルアップ試験といえるでしょう。
受験資格の制限がない、いうなれば出願手続きをすれば誰でも挑戦できるこの検定は、年齢層、受験者環境もさまざまのようですが、やはり一番の目的は「CGに関わる仕事に就きたい、技術を生かしたい」ということではないでしょうか。これがなくてはCG関係の仕事に就けないと言うことは決してありませんが、「CG関連で唯一の公的資格」というのは大きな魅力です。また、これを受けるためのトレーニングにより、コンピュータグラフィックスの正しい知識が習得できるのですから、あらゆるデジタルコンテンツマスターになるための近道であるのは確実です。
各検定は次のような部門とレベルにわかれています。
●CGクリエイター検定
デジタル映像やWeb制作現場で必要な知識と能力を評価
- ディジタル映像部門の活用分野
- 映画/アニメーション/CM/ゲーム/ミュージックビデオなど
- Webデザイン部門の活用分野
- Web制作/Web運用/情報インタフェースデザイン/インフォメーションアーキテクト/ビジネス全般でのプレゼンテーション など
- 1級(実践・実務能力)ディジタル映像部門1級/Webデザイン部門1級
- 2級(知識の応用力)ディジタル映像部門2級/Webデザイン部門2級
- 3級(知識の理解力)
●CGエンジニア検定
デジタルコンテンツの技術開発に関わるエンジニアとしての必要な能力を評価
- CG部門の活用分野
- アニメーション/ゲーム/ミュージックビデオ/CM/映画/VR(バーチャルリアリティ)/MR(ミックスドリアリティ) など
- 画像処理部門の活用分野
- 映像/通信/コンピュータ周辺機器/ロボットビジョン/医療応用/印刷 など
- 1級(実践・実務能力)CG部門1級・画像処理部門1級
- 2級(知識の応用力)CG部門2級・画像処理部門2級
- 3級(知識の理解力)
●マルチメディア検定
ビジネスを目的としたマルチメディアについての知識と理解、応用力を評価
- 2級(知識の応用力)
- 3級(知識の理解力)
3つのレベルの中でも、各部門ともやはり入門資格ともいえる3級の受験者が圧倒的に多くなっています。受験応募者種別でいうと、一番多いのが「マルチメディア検定」、次いで「CGクリエイター検定」、「画像処理検定」の順となっています。
習得するにはまず何をすればいい?
さて気になるその試験内容はどのようなものかというと、日頃CG制作に携わっている人、またCGをたしなんでいる人でも、おなじみの名称を多く見ることができます。ところが、これらの名称や機能を理解しているつもりでも、いざ解答を確定させるということは、やはりかなりの知識と実践経験がないと難しいものです。
それでは受験勉強はどのようにすればいいのでしょうか。CG関連の専門学校に通ってしっかり学ぶのが一番確実ですが、ただし時間と費用がかかります。まずは有益な参考書や問題集を購入して、どのようなものなのかを参考にしてみてはいかがでしょうか。「CG-ATRS協会」のサイトでは、検定に対応した書籍について詳しく紹介しています。3検定を受けるからには、効率よく習得して臨みたいものです。