夫も私も独身の時に加入しているものなので、保険の内容を見直したいです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、第1子を妊娠中の31歳の会社員女性です。夫が飲食店を開業する予定で、独身時代に入った保険の見直しをしたいとのことです。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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自営業になるので今後必要になる教育資金、老後資金、収入保障の保険の見直しをしたい

自営業になるので今後必要になる教育資金、老後資金、収入保障の保険の見直しをしたい



■相談者
おいも大臣さん
女性/会社員/31歳
関東/持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(41歳)、義父(70代)、義母(60代)
 
■相談内容(原文ママ)
現在、第一子を妊娠しています。主人の自営業開業(飲食店)を計画しています。主に相談したいことは、自営業になり、今後必要になる教育資金、老後資金、収入保障の保険の見直しです。現在も保険に加入していますが、すべて主人も私も独身の時に加入しているものなので、内容を見直したいです。私の生命保険(掛け捨て)と子どもの学資保険を追加したうえで、保険料を月3万~4万円に抑えられたら、と考えています。現在は、住居費の一部(固定資産税など)、車両費などを同居の義父に負担してもらっていますが、今後それらも負担することになり、主人の固定収入が不安定になる中で、保険で「教育資金、老後資金、収入保障」をどれくらい備えるべきかお聞きしたいです。主人は現在会社員をしていますが、数年前まで飲食店で働いていました。その際、国民年金加入者(未納10年あり)だったため、会社員家庭より老後資金に対する備えを厚くしなければならないと考えています。主人は個人年金に2つ入っているのですが、私も厚生年金以外の備えが必要になるか、というのが悩みどころです。また、子どもを出産後のマネープランに関してもお聞きできたらと思います。

現在の貯金から720万円を自己資金として開業費に充てる予定です。私は出産後も現在の会社で勤務する予定でおりますが、現在の貯蓄ペースを維持できるか不安です。産後&開業後はお互いのこづかいをぐんと減らす予定ですが(今はそのつもりで、お互いに「今の2人の時間しかできないことをしよう」とやや贅沢に使っています)、それでも教育資金を確保するのに不安があります。このあたりもあわせてお聞きできたらと思います。
 
■家計収支データ
相談者「おいも大臣」さんの家計収支データ

相談者「おいも大臣」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)加入している保険について
夫/
1. 低解約払戻金型終身介護保険 →払い済みにして解約を検討中
保険料:5396円(65歳払込終了)
保障内容:死亡200万円(一時金)、障害200万円(一時金)、介護200万円(一時金)、75歳以降、健康祝い金5年ごとに10万円
 
2. 家計保障定期保険 →保障期間を65歳まで&死亡保障と収入保障を見直しするか?
保険料:3024円(60歳払込・保障終了)
保障内容:死亡6万円(月額)高度障害6万円(月額)、収入保障6万円(月額)
 
3. 医療総合保険 →特約を解約する。医療保険は3.4どちらかのみにして通院をプラスするか?
保険料:4491円(終身払)
保障内容:入院5000円(日額:60日)、手術5万円(一時金)、がん診断100万円(一時金)
・収入保障特約
保険料:1199円(50歳払込・保障終了)
保障内容:収入保障100万円(一時金) ※がん、心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、腎不全
 
4. 終身医療保険(終身払)
保険料:1764円
保障内容:入院5000円(日額:60日)、手術5万円(一時金)、脳卒中・心筋梗塞20万円(一時金)
 
5. 福祉共済組合→主人は解約したくないそう(付き合いで)
保険料:1500円
保障内容:入院5000円(詳細不明)
 
6. 個人年金保険
保険料:9999円(60歳払込終了)
保障内容:年金38万円(年額)×10年
返戻率:108%
 
7. 個人年金保険
保険料:1万1008円(60歳払込終了)
保障内容:年金72万円(年額)×10年
返戻率:140%
 
本人/
1.医療保険 →がん特約プラスを検討
保険料:1764円(終身払い)
保障内容:入院5000円(日額:60日)、手術5万円(一時金)、通院3000円(日額:30日)
 
(2)その他の保険について
・火災保険:30万円/10年
・地震保険:4万3000円/年
・団体信用生命保険:2万6000円/年
地震保険、団信は夫の収入から支払っています(保険関連はすべて夫の口座から引き落とし)。
 
(3)現在、親世帯が負担している費用について
・固定資産税:25万円/年(土地、建物分)
・TV・インターネット:5000円/月
・車両費:年間で約5万円
車検は2年に1度で20万円ほどです。所有台数は1台。買い替えは2年後に200万円ほどの車に買い替えたいと考えています(義母がまだ運転するので、できれば、すべてこちらで負担したいですが、経済状況によっては車両にかかる費用は折半になるかもしれません)。
 
(4)ボーナスの使い道
全額貯蓄。
 
(5)家計収支について
収支の差額は、急な出費(冠婚葬祭、プレゼント、年払い保険料(団信、地震)、年末年始などのイベント)などが発生したときに、支出しています。大きな出費がない月は、普通預金に3万~4万円/月が、基本データの積立とは別で、夫婦それぞれの普通口座に貯まっています。
 
(6)退職金、飲食店開業について
夫の退職金はあるそうですが金額は不明です。あまり期待はできません。
 
開業についてですが、状況的に物件探しが難しく、具体的な開業時期は決められていません。物件が決まり次第動き出せるように事前準備をしておりますが、様子見という状況です。開業を中止するという考えはありませんが、タイミングの見極めが難しいところです。開業については以下のとおり試算しています(自己資金は当初の予測よりも増やしました)。
 
【開業資金】
開業費用:約800万円
運転資金:約420万円(70万円×6カ月分)
***********************************************
借入れ:500万円(開業資金分)
自己資金:720万円(開業資金補填+運転資金)
細かい収支予測については省略。
 
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 開業しても現在の貯蓄ペースはキープすること
アドバイス2 開業後4年で借り入れの返済が終わり、家計はラクになる
アドバイス3 保険は子どものために夫婦ともに見直しを
 
 

アドバイス1 開業しても現在の貯蓄ペースはキープすること

お子さんの誕生と、飲食店の開業。なかなか大変ですが前向きに考えておられるようですから、何とか乗り切りましょう。
 
まず、確保しておきたいのが、お子さんの教育費、ということになります。開業後も、収入と支出が現在と変わらないものとして、試算すると、毎月の貯蓄が10万円、ボーナスから現在は60万円全額を貯蓄されていますが、予備費として20万円を差し引き、40万円の貯蓄とします。年間で160万円貯めることができれば、ご主人が60歳までの19年間で3040万円、現在の貯蓄から開業資金を差し引いた残り280万円を加えて3320万円となります。
 
お子さんが1人であれば、教育費については、問題なくクリアできるでしょう。また、お子さんが生まれたら、児童手当の支給があります。しっかり貯蓄に回していけば、それで200万円は上乗せできますから、大丈夫です。
 

アドバイス2 開業後4年で借り入れの返済が終わり、家計はラクになる

とはいえ、出産、休職、開業と続くわけですから、家計は不安定になるかもしれません。その点は、ご相談者も書かれていますが、夫婦の小遣いを減らすことで、調整を図ってほしいと思います。
 
事業の返済額が毎月11万円ですから、4年程度で借入金がなくなるはずです。この4年間は、想定どおりに売り上げが立つかは、ご主人の頑張りにかかっていますが、家計を安定させること、貯蓄のペースをキープすること、これがなによりも大事です。
 
年間160万円の貯蓄で4年後には640万円。現在の貯蓄280万円を合わせると、920万円。ひとまず、ここまでできれば、あとは事業を軌道に乗せ、借金返済がなくなり、家計も、事業もだいぶラクになってくるのではないでしょうか。その時点で、ご主人の給料を増やしてもいいですし、お店に残しておいてもいいでしょう。
 
いずれにしても、開業から4年。ここが踏ん張りどころとなります。事業計画では、経常利益が14万5500円となっていますが、原価、人件費など経費を合計すると91万円ですから、売上予測から差し引くと、実際は4万5500円です。開業までに時間もあると思いますので、収支予測は、再度確認されておくことをおすすめします。
 

アドバイス3 保険は子どものために夫婦ともに見直しを

最後に、保険についてです。独身時代に加入したままになっていて、見直しを検討されているとのこと。ただ、文面からすると、教育費も老後資金も、収入保障もすべて保険に頼ろうとしている点が気になります。教育費も学資(こども)保険で準備しなければいけないわけではありません。元本割れするものもありますから、もしも加入を検討しているなら、保険料の払込総額と受取学資金を十分に確認するようにしてください。
 
保険の見直しについては、必要な死亡保障と医療保障を確保することが優先です。現在加入している保険で、残すのは、ご主人の「家計保障定期保険」と「福祉共済組合」のみです。あとは、解約または、払い済みにしてください。
 
家計保障定期保険は、60歳までで約1400万円の保障があります。65歳までなら約1800万円。保障期間を延長する際の追加保険料次第ですが、現状のままでも構いません。福祉共済組合については、念のため、保障内容は確認しておいてください。また、ご相談者は、死亡保障1000万円の定期保険か収入保障保険に新規で加入してください。保険期間はお子さんが成人するまでの20年間です。ご相談者の医療保険は、このままで大丈夫です。
 
ご主人が加入している2つの個人年金保険は、保険料の支払いが負担になっていなければ、このまま継続しておいてもいいでしょう。もしも1本だけにするなら、利率のいい「7」の保険を残せばいいでしょう。
 
新規に加入する保険の保険料を差し引いても、加入している保険を整理すれば、毎月の保険料は3万円程度に抑えることができ、毎月の貯蓄を増やすことも可能です。
 
保険と貯蓄は違います。保険は、二人のどちらかに万一のことがあったとき、遺された家族のために加入するものです。通販型の掛け捨ての保険であれば、割安な保険料で十分な保障が得られますから、検討してみてください。
 
老後資金については、お店次第、ということもあるでしょう。ご相談者は厚生年金ですから、できるだけ長く働くことが大事です。老後の公的年金受給額を増やすこともできます。ご主人は自営業になられるわけですから、定年がないと思えば、何歳までも働くことができます。当面は、家計の安定、貯蓄ペースのキープ、4年頑張る、と思って、夫婦力合わせて、頑張ってくださいね。
 

相談者「おいも大臣」さんから寄せられた感想

この度は家計のデータを詳細にみていただき、ありがとうございました。保険に関してはやはり見直す余地があるとのことですので、いただいたアドバイスをもとにコストを削減して貯蓄に回したいと思います。保険に頼り過ぎない将来設計を心がけます。出産に開業にとバタバタの1年になりそうですが、先生のおっしゃる通りまずは4年、夫婦力を合わせて家計の地固めを頑張りたいと思います。貴重なアドバイス、ありがとうございました!


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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