電気・ガス・水道代の平均額はいくら?
電気・ガス料金の値上げや、酷暑続きで電気・ガス代の支出が気になる方も多いのではないでしょうか。そこで電気代とガス代、そして上下水道料を含む水道光熱費の支出の平均額を、月別、収入別、世帯人数別、地域別に比較していきます。水道光熱費をさまざまな角度から見ることで、節約のヒントにしてください。
水道光熱費の平均
まずは総務省統計局「家計調査(2021年)」より、2人以上の勤労世帯の月額の平均水道光熱費を見てみましょう(勤労世帯とは、世帯主が働いている世帯のことです)。 表の「光熱・水道」という項目が水道光熱費のことですので、勤労世帯全体の平均の水道光熱費は2万1448円です。構成割合は、電気代が約半分(2分の1)、ガス代・他の光熱、上下水道料がそれぞれ4分の1ずつとなっています。「他の光熱」とは、その他の光熱費のことで、そのうちのほとんどが灯油代です。
可処分所得(手取り収入)に占める水道光熱費の割合は4.4%となっています。
水道光熱費が最も高い季節は冬
次に、水道光熱費を月別に見てみましょう。 電気代は、1~2月に大きな波、8~9月に小さな波ができています。南国育ちの著者は、1年の中で夏の電気代が高いという印象があるのですが、冬の電気代負担が断然重いことがわかります。ガス代や他の光熱費も冬の支出が多くなっています。上下水道料は1年を通じて安定しています。コロナ禍の影響を見るために2019年1月~2022年5月までの月別の水道光熱費を比べてみました。 2019年から2021年までは大きな変化はなく、むしろ1年単位で水道光熱費は減少傾向でした。ところが2022年に入ったときから、明らかに支出額が増えています。原油高騰による電気・ガス料金の値上げの影響が大きいと思われます。今後もしばらくはこの状態が続くかもしれません。
世帯人数別の水道光熱費の平均を比較
次に、世帯の人数別に1カ月あたりの水道光熱費を比べてみます。 表からわかる通り、世帯の人数が増えていくと、月の水道光熱費も増えていきますが、1人当たりの水道光熱費は減っていきます。寒い地域は暖房代が高い
暑さ・寒さ・湿度の異なる地方によっても水道光熱費の違いがあるはずです。 最多の北海道と最少の九州では、約7000円の開きがありました。年間にすると約8万円の違いです。冬の水道光熱費が高いことは、月別比較で見ていただいた通りですが、地方別では寒さが厳しい地方の水道光熱費が高くなっています(「他の光熱」のほとんどは灯油代です)。
年収別の水道光熱費
年収と水道光熱費の関係も見てみましょう。 収入が上がるとともに、電気代は増えています。電気代以外の光熱費は、緩やかに増加していますが、電気代ほどの変化はありません。次のグラフは、可処分所得に占める水道光熱費の割合を表しています。 収入が上がるにつれ、水道光熱費の支出額は増えていましたが、収入に対する割合は小さくなっていくことがはっきりとわかります。
水道光熱費の節約は家庭の状況に応じて!
水道光熱費は、季節、世帯の人数、収入、住む場所によって大きな違いがあることがわかりました。節約を行う場合、家庭の状況に応じた節約の優先順位付けをしていくのがよいと思います。参考として電気代を例に、節約の見直し手順を紹介します。●電気代の見直し手順
(1)月・季節ごとの消費電力をチェックする
(2)使い方に問題がないか・無駄がないかを見直す
- 家電ごとの消費電力をカタログ・インターネットで確認
- だいたいの使用時間で電気代を計算
- 時間帯ごとに使う電気量を確認
- 消費量(電気代)の高い順に見ていく
(3)節約する
- 使い方を改める(ルールを決める)
- プランや電力会社の変更
- 家電の買い替えを検討
過剰な節約によって、生活や仕事の効率が落ちたり、家族の関係が悪くなったり、健康を損ねたりしては、元も子もありません。節約は、明らかな無駄だけに狙いを絞って行いましょう。
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